9.一企業で勝手に改造
「恋愛大国にするんですね!喜んで!」
「あんまり盗りすぎんなよ?」
「はーい!」
マキアと志藤の方にも指示を出し終えた。アフトクラトリアの軍隊も本国の命令で引き上げており、今村たちの行動を邪魔するものはいない。
「土地の買い付けを済ませました。」
「よし。じゃ、案内してくれ。」
「先生。首相たちの異世界送還済みました。」
「祓、移動だ。付いて来い。」
首相たちを「ヲチ水」の人間への実用の実験体…もとい、若い頃の体にして異世界に送っておいた祓も今村と合流し、他のやることを指示して行く。
「…じゃ、俺は『ミダス王の右腕』の設置してくるからミーシャは娯楽のための玩具に成り下がったマスコミを相手にしてる芽衣の加勢。俺の設置が終わるまでよろしく。」
「はい。」
そういうことでミーシャは移動した。
「…さぁて、ここにこれを設置するのは良いんだが…ガーディアンは何にするかなぁ…?」
今村は「ミダス王の右腕」を設置し終えると、この付近の守護を司るモノ的な奴の製造にかかった。
「…金を主食にしてる奴がいいか。んじゃあ…ゴーレム系でいこうか…あ、でもついでにミスリルの販売を始めたいから…」
今村はそう言って金に触れ、捏ね上げて球体を作り上げる。
「…こんな感じかね?で、『金』属性の子供たちにここを任せるから…」
ついでに連れて来た子供たちの登録を済ませる。
「…で、舐められないように厳つい顔にっと…ってか人型にしなくていいか。」
ということで、白銀に輝くレンガ造りの四角いゴーレムが出来上がった。
「こいつ金食ったらミスリルにして大きくなるから大きくなった部分だけレンガを外して貯蔵しておいて。」
「他に何かすることはありませんか?」
今村は子供たちにその他留意点や指示を出すとこの場所から移動した。
「…さて、財源確保。企業の問題か…ん~楽はさせるつもりはねぇからなぁ…何させようか…」
今村は雇用問題について考える。
仕事が多すぎる場所もあれば、新聞読んで書類にサインするだけの部署もある。しかし、仕事の内容だけでは個人の才能は分からない。
「…もういっそのこと全部うちで面倒見るか…?」
中小企業がこの自治区の企業の中では99%を占める。それを一個一個調べていくのは骨が折れるので今村は「レジェンドクエスターズ」自体を大きくすることを考え、その傘下に多くの企業を置こうかと考えた。
「…ん~…でも中小企業の7割くらいが信金の金除けば赤字だしな…さて、どの企業を食っていけばいいかね?」
先が見えている企業であれば赤字でも問題はない。金を貸して企業に進歩してもらうだけだ。
ただ、社会が悪いとだけ嘆き、行動を開始しない企業に金を貸しても意味はない。ただ野垂れ死には酷なので一応逃げ道自体は準備しておくつもりだが…
(…これ、一回の高校生がやる事じゃねぇよなぁ…?)
とりあえず言っていることはまともだが、実際は一回の高校生とは到底呼べない男はそう思いつつ行動を続ける。
ミーシャの所への移動中に教育問題に突貫だ。
「…よっしゃ、とりあえず教育委員会を改造するか。大体からしてトップに近い奴らは基本的に教育の現場に関わって来なかった奴がなる事自体おかしいんだ。」
教育委員会のトップ…というより、大概の国の機関の大物と呼ばれる者たちはすでに国外…と言うより世界外に移動しているので反対勢力となりそうな者どもは既に傀儡化している。
よってワンマン政治の下地はすでに出来上がっている。
「…とりあえず、教育内容とか…後は世代間格差系統についてのお話をまとめて送りましょうか。」
そう言って今村は大体40枚ほどに及ぶ書類を速攻で打ち上げた。教師の心構えから生徒が教師を指名制度、それに体罰のライン決めの厳密化。などなど…
その後、グラフなど、その他の新制度の説明を分かりやすく書いてある分を入れて計80枚ほどの分厚い書類を作り上げると、祓に投げ渡す。
「推敲とコピー任せた。」
「…何部ですか?」
「…残ってる奴らと…後説明用、それに知りたい奴への配布用に…まぁ大体2万もあればいいだろ。文書自体は最近鈴音が再流行させ始めたインターネット上にアップしておくし。」
今村の脳は既に別の問題に移動しつつある。その前にマキアと志藤が今村の下に飛んできた。
「性欲配布終わりました~!」
「ちょっと俺の方は狩りに出かけてもいいですか?」
「行ってら。…あ、マキアの方は用事あるのか?」
「先生とイチャイチャしますけど…」
「そんな予定はない。」
今村がばっさり切り捨てた辺りで背後に書類の山が出来上がる。祓は生徒を呼ぶとその書類を運ばせた。
「…で、ニートの中でも比較的にやる気のある奴らを使って仕事をさせよう。…後、生活保護の効率が悪いから現金支給から国が一括して住居を作ってそこで文化的な生活とやらをしてもらうことにする。」
「…え~反対されると思いますよ~?」
「結構。フリーライダーは低所得で頑張ってる奴らを馬鹿にしてるようなもんだし文句言われても実行してやる。」
「…まぁいいですけど。でも先生を悪く言われると虐殺したくなるんですが…」
マキアがおっそろしいことを言ってのけるので今村はこの件は移動先のミーシャに任せることにしてマキアには別のことをやってもらう。
「親になる奴らへの教育だな。ふんわりざっくり子供が生まれるから親。っていうのは間違いが多くなりがちだからな。妊娠期間中は基本的に肉体労働は出来ないんだし、ストレスをためるのも駄目だから教育を受けるための時間にもなるだろ。」
今村の言葉にマキアは恐る恐る反論する。
「え~っと…教育って聞いただけでストレスになる人もいると…」
「…じゃ、親実習期間。教える奴が美形だったらそれだけでストレスって減るぜ?昔のどっかの少納言さんだって説法聞くならイケメンの坊さんがいいって言ってたし…俺が教鞭振るって悪かったな…」
途中からジト目でマキアを見て、見つめ返され、目を瞑って接近して来たので今村は切り替えて空咳をして話を戻す。
「まぁ、教える側の印象でその項目の印象ってガラって変わるもんだしな。教育委員会への要綱に少し書いたけど、教える人の事が好きだったら教えてもらってることも自然と頑張ろうって思える。その点ウチの生徒たちなら美形揃いだし、適任だと思う。」
「…頑張ります!」
面白半分だった生徒たちの熱気が跳ね上がった。教える人の事が好きだったら頑張ると言っていたことを受けての行動だ。
「…まぁ何か良く分からんが頑張ってくれるなら、頑張ってくれ。」
今村はよく分からないが頑張ってくれるらしいので頑張ってもらうことにした。
「…次は地方財政とかにするか…毎年定額送るから年度末に無駄な工事とかを止めて、貯蓄するか…もしくはまだあるなら商店街専用の750円で1000円分の商品券にでもするか…」
地方交付金などの問題に取りかかり、今村の改革は進んで行った。
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