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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第一章~最初の一年前半戦~
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21.夏到来

 梅雨も明け、太陽が照りつくす快晴の日の朝今村は理事長に呼ばれていた。


「……今村君。祓君を連れて海に行きますよ。」

「は? 何故ですか?」


 そして会うなり訳の分からないことを言われた。


「……祓君は基本『幻夜げんやの館』から出ないので……少しは外に出てほしいのですよ。」

「はぁ……? それならちょっと外を出歩かせればいいんじゃ……?」


 今村は疑問をそのままぶつけてみて本当の理由を探ろうと試みる。思ったより簡単に理事長は本音を言ってくれた。


「あと、息子が海に行きたいというので。仕事が多くあまり起きている時に会えてないのですよ。ですから外交の受け入れ対象になっている祓君を連れて海に行けば仕事という名目で息子と遊べて一石二鳥じゃないですか。」


(そっちが本当の理由かい……)


 思ったよりも酷い理由で今村はげんなりする。


「……気が進まないんですが。」

「……行くのは『星の岬』です。今村君は知らないかもしれませんがそこでは色々なものが採れますよ?」

「いや……採れたとしても……」


 今村の言葉を遮って理事長は続ける。


「あそこは私の土地でしてね。……これ、今村君の採取権と採掘権を保障する権利書です。」

「いつ行きます?」


 そこから計画が進むのは早かった。





「よぉ。」

「……お早うございます。今日は少し遅かったですね。」


 『幻夜げんやの館』では祓が朝食を準備して今村を待っていた。


「あぁ理事長のとこ行ってたんでな。……で、今週の土曜に海に行くことになった。あ、もちろんお前もな。」


 今村の台詞に祓は首を傾げる。


「……? 海、ですか。何故そんな所に?」

「家族サービスに付き合えとよ。」


 今村は席に着いてからザックリな説明を告げるといただきますと言って朝食を食べ始めた。


「……あんな寒いところに家族でですか……」

「? お前何言ってるの?」


 今村は祓の不気味なことを聞いたと言わんばかりの台詞にシジミの味噌汁片手に突っ込む。祓は至極真面目にアジの開きの骨を外しながら答えた。


「え? 海は寒いところですよね……? あと、告白スポットでしたっけ……」

「……何か全体的に違う。今の気温から考え……『黒魔の卵殻』使ってるからわかんねぇのか……」


 今村は味噌汁を一口啜ってから言った。


「あ~今は夏だから暑いんだよ。で、涼を取りに海に行くってわけ。」

「……? 冷たくなりに行くんですか?」

「……何かもの凄い語弊を感じるがそうだ。ご馳走様。」


 何となく死体になりに行くのではないかと思わせる祓の言を聞きながら今村は食事を終えた。そこで祓は思い出したように今村に言う。


「……海……あ、そうです。水着という防寒具がいると思うんですけど。選んでくれません?」

「……あれが……防寒具?」


 祓の思い出したような言葉は「黒魔の卵殻」で適温のはずの今村を戦慄のあまりに少し寒くさせた。今村は気を取り直して祓の言葉を否定する。


「ぜんっぜん違う。あれは防寒着じゃない……呪具のこと言ってるなら作ってもいいが素で一般的な水着を防寒着と思ってるんだろ?」

「……? はい。」

「……ちょっと見に行くぞ。」

「え、はい。」


 二人はまた買い物に行くことになった。




 ここまでありがとうございました!


 祓さんが雑誌を読んでいるのに水着の存在を知らないのはこの年の二月にこちらに来たのでシーズンから外れてたのと学校の図書館しか使ってないので写真集的なものはなかったからです。


 因みに祓さんの生まれたフェデラシオンの海は年中流氷が漂ってます。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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