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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十章~卒業と就職と進学~
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7.旅行は置いておいて、仕事

「…っ?」


 今村は朝起きると部屋の中に誰かが居たのですぐに武装した。そしてこの部屋にいるまだ寝ている面々を睨みつけ、思い出した。


「あ…これは知り合いか…忘れてたなぁ…」


 今村は苦笑いして武器を収める。そして記憶力の低下を抑えることにしておいた。その間に天井に誰かが侵入して控えているのを感じ取る。


「ん~…今は人間なのに人の事を忘れるのが早いなぁ…まぁ人間だから記憶力が低下してるんだけどな…さて、芽衣?」

「はい。」


 忍び装束に身を包んだ猫耳美少女が天井から降って来た。彼女は「雲の欠片」に着陸後もの凄い眠気に襲われるも報告を開始し始める。


「…眠いか。じゃあ解除」


 途中で「雲の欠片」の効能に気付いて消し、全員が床に落下するというイベントが起きたが話は終わる。


「…成程。この自治区の経済が破綻気味だから切り離されるって話が世界規模で起きてんのか。」

「はい。それで自治区の首脳陣の強硬派がアフトクラトリアに対する抑止力となりうる私たちの囲い込みを図ろうと昨日の朝、不法占拠を図ろうとしたようです。」

「…ん~馬鹿だねぇ。」


 今村はバッサリ切り捨てた。そんな今村に昨晩の酔いが続いている「雲の欠片」で眠っていた面々が這い寄り、どこかしら掴んでまた眠りに落ちる。


「…こいつらは俺を何だと思ってんだろ…まぁいいや。さて、仕方ないし…国でも作りますか。」

「…は?」


 仕方ないですることから逸脱していることを言う今村に一瞬芽衣は呆気にとられる。しかし、今村なら普通にやるんだろうな…そう思ってすぐに顔を切り替えた。


「ミーシャを呼んでくれ。後、相馬にアフトクラトリアの首都、洛邑に行って過去の自由権の一つを行使して今からやることに文句を言わせないように伝えろ。」

「はい。」

「…で、俺はっと…ん~まずは金策からだな。」


 色々考えて今村は楽しくなって来た。その間に芽衣は飛んでミーシャを今村の所に連れてくる。


「…今村さん。…ズルいので入ります。」


 今村の思案中にミーシャが入って来て女性陣に包まれるようになっている今村を見、とりあえずくっついた。


「…百合の気があったのか…」

「え?」


 ミーシャの高性能猫耳でも聞こえない音量でそう呟くも今村はすぐに切り替える。


「ちょっと国家改造してくる。付き合え。」

「…まぁ普通はちょっとじゃ済まないんですけど…今村さんなら仕方ないですよね…」


 諦観の念を込めてミーシャは溜息をつきながら今村の言うことを聞く。そして頭を巡らせた。


「…じゃあ土地買って来ますね。即金で。」

「おう。じゃあ俺は自治区首脳陣の所に行ってくる。」


 とりあえず方針が決まったところでミーシャは今村と話を詰めて行く。


「ところで総合会社が成り行き上出来ますけど…企業形態はどうします?」

「個人経営に決まってんだろ。資金はそれこそ死ぬほどある。出資してもらう必要がねぇ。」

「…じゃあ外部の経営者は…」

「なしだな。大体そこまで巨大化はする気はねぇし。」


 すでに世界を跨いだ経営を行っているのに巨大ではないと言い切る今村にミーシャは何も言わなかった。

 とりあえず全部できたら褒めてもらおうくらいしか考えていないのだ。


「会社の名前は…?」

「面倒だし今ある『レジェンドクエスターズ』で。」


 これはVRMMOの監視、操作などを行っている組織で、別世界での売り上げはともかく、この世界での企業売上はもの凄く適当に、且つ気紛れに生徒が行ったことで成り立っている。


「…アレをそのまま大きくするんですか…書類を変えないといけませんね。」

「その辺は悪いが俺と一緒に徹夜で頑張ってもら「喜んで。」う。」


 ミーシャの目がやる気に燃え始める。


「…じゃ、始めるか~」

「はい。行ってきます。」


 ミーシャは消えた。今村は周りの美女、美少女、美幼女たちを揺すり起こす。


「うぅ~…寝込み…んぅ?ハレ…?」

「ん…先生と…何もなかった…」

「あれに乗るとすぐに寝ちゃいましたからね…」


 何か不穏なことを言いながらマキアと祓は起きた。サラはまだボーっとしてるし、ヴァルゴは眠そうに服をはだけさせている。


「さて、仕事が出来たから行って来る。放して。」

「あ、付いて行っては…?」

「…今から自治区の頭固いおっさんたちの所に脅迫しに行くからなぁ…テンションに差を出すのは…」

「じゃあ、見えなくすればいいんですね~?」


 ヴァルゴはそう言って速攻で姿を弄った。サラもそれに続き、全員が今村以外に見えない状態になる。

 今村は各世界の頭としての向上心があるんだなぁと感心して移動を開始した。


「さて、どこかね…?とりあえずあっちの方だったな…?」

「…案内しますね。」


 そして祓が導くままに移動し、今村はとりあえず偉い人間たちがいつもいるらしいところに移動した。


「…料亭か。…え?官庁とかじゃ…」

「…あ、普段はそっちですか。ちょっと間違えました。じゃあこっちです。」


 軽く毒を吐いて祓は今村を別の場所に案内して行く。今村はそれに従って窓から突入した。


「…『幻夜の館』の者だ。会見を求める。もしくは滅ぼす。どっちがいい?」


 今村は声をいつもの物と変えてその場にいた偉そうなおっさんを睨む。おっさんは「幻夜の館」の時点で顔を青ざめさせ、今村の要求に応じた。




 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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