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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十章~卒業と就職と進学~
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4.移動後。その1食事

 車内の人数は増えていた。その前に一悶着あったがそれはまぁ気にしないことにして今村はその悶着の種を車外に放り出し、それを縛っているロープの先端をバスの後ろにローブでくっつけた。

 そんなことをしているとインディゴ色の髪をした青年が今村に声をかける。


「後、5分ほどで着きます。」

「先生!ガム食べたいです!」

「…何で俺が食った後に言うかね?あ、セバス了解。」


 今村がそれに応じる前にマキアがその会話に割って入った。


 マキアは少し前に旅行の事実を知り、今村の下に飛んできていた。今村は別に隠していたわけではないがいなかったので放置していただけだが、マキアの方は忘れられたのかと何か血相変えて飛んできた。

 その後はぞんざいな扱いに少々、何だかんだで付き合いの長い今村以外はほとんど気づかないレベルでだが機嫌が悪くなっていたのを無視して今村は部屋のことを告げた。


「…ってか、部屋ないし。お前俺の部屋に来ることになるぞ?」


 その一言でマキアの気分はもの凄く良くなっていた。但し、車内の女性陣である周りの機嫌が悪くなったが…


 急遽参加して来たサラとヴァルゴについては多少無理を言って教師陣の女性部屋に入れてもらったのに、文句を言われてイラッとした。


 急に具合が悪くなった場合の子供のことを考えて最悪でも2人分のスペースを確保しておくのに何が悪いのか。


 尤も、彼女たちの言い分としてはこの場にいる面々で治せないような病気にかかるわけがないし、最悪今村が冥界へと続く扉を作って飛べばいいのにそれをしないでマキアだけ入れるのは何かあるのではないか?ということだ。


 これはもう完全に旅行の教師気分だからとしかいえない。


 そんな感じでもう面倒になってきたので好きにさせたら何か同室にサラとヴァルゴと祓、マキア、そして今村が2人部屋に押し込められた。


 そして黙った。知らん。二人用の布団にギュッとなって寝てやる。今回の俺は半神だから性欲あるんだぞ?と遠まわしに言ったが彼女たちは気にした風も…と言うか寧ろ喜んでいた。


 ウェルカム!な状態の彼女たちだが、今村は実際は言うだけで何もしない。


 一応長めの付き合いのマキアなど、その辺は分かっているが一応下着等々気合十分だ。

 と言っても殊更気合を入れているだけでいつも勝負を掛けているのだが…


「で、ガムねぇ…作るのめんどいし買ってくれ!?」


 言い終わる前にマキアは今村の口の中に舌を突っ込みそしてガムを強奪した。


「…敵意とか悪意以外にも反応できるようにした方がいいなこりゃ…」


 今村は今更なことを言ってマキアを実在しない奇妙な物体があり得ない形を取って目の前にあるような状態を見る目で見る。

 マキアは今村限定でMにもなるので酷いものを見たという視線にも嬉しそうな顔をしてガムを食べる。が、途中で昏倒した。


 今村の毒だ。実に幸せそうな顔でマキアは倒れた。


「…何がしたかったのか…まぁいいや。普通なら死んでるけどマキアなら死なないだろ。そんなことより連絡ないけど前のバスたちは大丈夫かねぇ?」


 今村は前のバスを見る。5号車とこの車の間では志藤がロープでぐるぐる巻きにされて引き摺られているのが目に入るが気にしない。


 全裸でバスの横を全力疾走してくる方が悪いのだ。どうせこの程度ではダメージはゼロだし、気にしてはいけない。


「…ま、いっか。何か問題があったら連絡入れてない方が悪い。」


 最終的に責任をとる破目になるのは今村だが、それでも責任の所在が明確なので別にいいやと思って席に戻る。

 隣が常に塞がっているのは面倒なので誰も来れないようにマキアが倒れている方の席だ。


「旦那様。目的地が見えました。」

「おっけ。」


 前の車両のバスは既に停車して子供たちも降りて行っている。2号車ももうすぐ止まるし、3号車は駐車場に入った。


 …尤も、アレが目的地だと知った子供たちは大半が既にバスから飛び降りていたが…その後すぐに彼らの手によって修復はされていたが…


「…俺はちゃんと車が止まるまでは止まっておくけどな…」


 一応気分的な問題で残っておく今村。そもそも効率的に言えば自分で飛んだ方が早いのだ。


 旅は気分の問題。自分で行くより車とかバスとか電車とかで行きたいものだ。なので無駄なことをたくさんして行きたい。


 とりあえず、昼食の時間だ。今回はビュッフェ方式。まぁ要するに食べ放題だ。わいわい食べているのを遠くから眺めて自分もそれなりに楽しむ…つもりだった。


「はいどうぞ♡」

「む。こっちも食べるのじゃ。」

「これはどうですか~?」

「…俺には俺の食うペースとどういう風に食うか考えた配分があるんだが…どっか別のテーブルで食ってくんねぇ?」


 急遽参加となったサラとヴァルゴ、それにマキアは元から席がなく今村のぼっち席に来ていたが、それを見ているのが嫌で祓も教師用の席から離れて来ていた。


 流石にこれは…と周りも思い、混じれないほどの華やかさで今村はその中心に居心地悪そうにしている。

 ミーシャは混じってもおかしくはない位の美貌の持ち主だったが、今村の様子を見てこれ以上入ると可哀想だな…と思い、止めておいた。


「…はぁ。疲れる。」


 まず、サラもヴァルゴも祓が焼いたものを突っ込んでくるし、たまに焼けてなかったりするものも今村の皿の中に突っ込んでくるので今村は焼き直しする。


 そしてそれはマキアの手によって回収されるのだ。


「ん~先生の唾液って最高のスパイスですよね~」

「…さっきそれで死にかけてんだからな?」

「あぁ、今日の分の抗体はできてます。ところで先生、私を食べません?性的な意味でもいいですし、カニバリズム的な意味でも結構ですよ!」


 最近、マキアが進化してきている気がする。今村はデコイを使ってその場から逃れようとして失敗。その後は厳重に腕を組まれたりしながら、そこで過ごした。


 因みにサラとヴァルゴ、それにマキアと志藤の料金は彼女たちが前に出て話すだけで只になった。




 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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