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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十章~卒業と就職と進学~
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2.旅行準備

 あまりにも無駄な心配をされたので別の弱い神核を作り、その神核を入れて日々を過ごしていた今村は、ふと行事をしようと思い付く。


「…よし、秋だし…紅葉狩りに行こう。」


 今村は秋も深まり、見ごろを迎えたであろう山に行くことに決めた。そうと決まればこの国では何気に権力者の白水を使って場所を取ろう。


「決定だな。…業者は…まぁ、理事長任せでいっか。」


 変なことしたら叩き潰す時間を増やすことにして今村は一応式神が通っており、少々オイタをした子供を痛めつけたせいで恐怖の権化と呼ばれている私立白水学校に足を運んだ。

 祓は顔も見たくないそうなので今村は上半身だけワープホールを使い、理事長と会話した。

 返事は勿論オーケーだった。












「…ということで、遠足に行きます。授業は受けたい奴が居ればタナトスかトーイに居残りをさせる。」


 今村は学校の生徒たちを体育館に集めてそう宣言した。おやつは300S(≒30万円)までという軽く頭がおかしいと思える金額設定だ。

 そんな設定金額に突っ込み待ちの今村はミーシャを期待の目で見るが、そんなミーシャより早くマキアが立ち上がった。


「先生!バナナはいくらで私に入れますか?」

「買うなら答え…あ?何て?」


 今村はバナナネタが先か…と最早使い過ぎて面白くもないそれを捌こうとして止まった。

 マキアは少々残念そうに言い直した。


「先生のバナナはいくらで私に入りますか?」


 今村は無言で刃渡りが60㎝程の蛮刀を出してニッコリ笑った。


「入れて欲しいか?これ。」

「先生の下~の方にあるモノを入れて欲しいですね!おいしくいただきまぁっ!」


 今村はステージの壇上から少しずれて蛮刀の切っ先を生徒側に向けるとマキアの口目掛けて柄を蹴りつけたが、マキアは間一髪避けた。今村は舌打ちして次の蛮刀を準備しておく。


「まだ欲しいか?あんまりメジャーな武器じゃないから信仰心が弱いし、俺もこれ使うくらいなら太刀使うからあんまり在庫がないんだが?」

「え、遠慮しておきます…」


 そして今村は突っ込みのことを忘れて話を進めることにした。


「さて、一応一泊の予定で、移動手段は…まぁ偶には理事長に手配させて車にしてみよう。バスとリムジンどっちがいいかね。」

「悩むところじゃないです!バスを使ってください!」


 今度はミーシャから突っ込みが入ったので今村はご機嫌で話を進める。因みに態々ミーシャだけステージ上に移動を義務付けられているので他の女性陣にもの凄く負の感情をぶつけられているのは余談だ。


「おやつは…まぁさっきのは冗談として常識の範疇で買って来ること。食事は向こうに奢らせるからあんまり買い過ぎない方がいいな。旅費は…各自5Gまで。旅館を手配するが…夜這いは合意の元以外は認めない…そんなとこかな。」


 教育機関としてはまともじゃないことを言って今村は部屋決めをこの場で始めさせた。勿論男女別とか面白くないことは言わない。

 教育委員会なんぞここに居る者たちに純粋な人間なんていないので気にしていく必要もないのだ。


「……………………………私は………?」


 ふと気づくと今村の近くに座敷童が来ていた。彼女は家というか、建物に宿る妖怪なので旅行に行きたいのに行けないのだ。

 ただ、今村ならもしかして何とかできるのではないか?と思って今村に訊いてみた。


「来る?じゃ、空間設定するか。」

「…………………だいじょぶ…?……この館、滅びない…?」

「ん。あんまり俺から離れなければな」


 座敷童はコックリ頷いた。そしてどれくらいの距離になればダメか訊いてみる。


「ん?俺の半径10キロ以内。」


 相当離れても大丈夫だった。座敷童は安心して今村の下から離れ、メリーちゃんと市子ちゃんの下へ移動して行った。


 そして、教師陣の方も問題となる。口火を切ったのはミーシャだ。


「じゃ、私たちの部屋割りも決めましょう?私は今村さんと色々話があるので同室という事でいいですよね?」

「は?俺は一人部屋だ。」

「…また無駄なお金を…同室の方が安いですよね?」

「別に俺金作れるし良くね?それにこっちも理事長持ちだし。」


 今村が鬼のようなことを言っているが、それに祓とマキアが加わって異論を唱える。

 今村は面倒臭くなったのですぐに折れた。


「い~よ~但し五月蠅かったら追い出す。そして生徒の部屋に突っ込む。文句があるなら別の部屋行け。」


 文句なしに通され、今村は微妙な顔をして部屋数の確保に乗り出した。後の雑務処理はミーシャと理事長の仕事だ。

 今村の仕事である交渉と見積もり、必要物資やスケジュール決定、天候左右に情報統制は速攻で終わらせてその日を待つことになった。




 ここまでありがとうございます!


 短くてごめんなさい…

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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