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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
章間9
202/644

男性神飲み会

 酔っぱらいの会です。

「…ということで、今日は結界内で珍しく男性神だけの飲み会を開始しよう。」


 今村は急に拉致して連れて来たタナトス、トーイ、イグニス、チャーンド、相馬を「幻夜の館」の一室に入れるとそう切り出した。


「…まぁ、大歓迎だが…」

「…えらい場違い感が…」


 トーイが返事をし、相馬が周りの顔ぶれを見て若干萎縮する。それを尻目に今村はどんどん準備を進めて行く。

 因みに今回の料理は祓とマキア作だ。両者、今村がなるべく多くの料理を作って欲しいといったため張り切って自身が振るえる限りの腕を振るった。


 勿論今村に食べてもらうためで、他の人が食べるなんてことは聞いていない。


「それじゃ乾杯と行くか。」


 そんな感じで宴会は開始となった。



















「このリア充共が…」


 今村は人間と一応なったので酔っていた。能力者に効くタイプの酒で、この場の全員が酔ったところで今村は愉しげに据わった目で周りの美形どもを見る。


「…いやいや、先生こそ。もってもてじゃぁないですかぁ?」

「アレは親代わりみたいなもんだろ。まぁいささか好意が行き過ぎてる感もあるが…テメェの方はファンクラブまで作られときながらなぁに言ってんだ?」


 相馬と今村がこの話題を提供したことで話は一気に恋愛方面へと変わり始める。


「そぅいや、チャーンド。お前、ウチの学校の、とある女教師に惚れられてるぞ?付き合う?」

「…いや、まだ世帯を持つなんぞ…」

「ハッハッハ!3兆越してもまだ作らんとか…まだとか言えねぇな!」

「その台詞そのまま返したいな。」

「今の俺は17だ。ガキだ。爺共!さっさとガキでも作りな!」


 今村は嗤いながら酒をあおる。喉が焼けつくような感じがして酒が効く。


「アリスさんがぁ…」

「ハーレム持ちの癖に何言ってやがる!男なら責任とれ!嫌なら逃げろ!ぐずぐずずっと一緒に居るんなら諦めろ!」

「そう言うテメェも寧々とどうなんだよ?」


 イグニスの言葉にタナトスが突っ込み、タナトスの言葉に今村が茶々を入れる。


「悪かった。やっぱ、強引なのは駄目だよな。」

「因みに一線越えた?」

「越えません!」


 タナトスが今村に言い返す。そして突然今村は話題を変えた。


「そういや、イグニス。肉体滅んでるけど何で?」

「いや~大戦があって300?400年位かな…修理中。」

「ど~でもい~や~」


 訊いておきながら今村は話を打ち切り畳を召喚して横になった。


「あ~テメェらのハーレム羨ましいねぇ…まぁ言うだけだが…」


 この後延々と愚痴を綴る所で今村は急にキレ始める。


「グチグチ言ってたら幸せが逃げるぞ?馬鹿か?死にたいのか?」

「神辞めてんのにそんな態度とっていいへぶっ!」


 そして暴れ始める。実際の所は今村の意思ではなく、敵意にオートで反応しただけだがそんなの攻撃された方には関係ない。戦闘が始まった。


「17なら17らしくしてろぉ!」

「アリスさんをいい加減に幸せにしてやれぇ!もしくは俺にくれぇ!」

「アバババババババ…こんなもん一気飲みしたら死ぬわ!」

「うっせぇ!『二倍返しの復讐法ジ・ハンムラビ』ぃ!」


 各々が各自のハーレムで溜まったストレスと、先程から溜まっていたストレスを発散しようと何かしらの能力を使うと、今村の方もよく分からないテンションで迎撃。


 結果、各々の攻撃が2倍になって帰って来るという事で今村の勝利。


「ハッハッハ!戦闘は一応特化してるしな!負けると思ってんのか?俺のフィールド内なのに?」

「そんな技反則だろ…」


 「復讐法」をくらってほぼ隙がなく反射され続ける攻撃の中でタナトスが焦げながら呟いた。

 今村は嗤いながらその言葉に訊かれてもいない答えを返す。


「一応、代償として俺に関する記憶とか、色々掛けてんだぜ?まぁ燃費が良すぎて引くけどな!俺との思い出と言うゴミ同然…いや、ゴミに失礼だな。ゴミはリサイクルできることもあるし…まぁそんなもんでこんな技だしな!」

「これ、色んな意味で、兵器。因みに、記憶を取るって?」

「アレ。俺が俺と関係ないな~って思ったら。」


 今村が酔い混じりに酒を更に注いで飲みながら答えると、ほぼ素面に近いチャーンドが渋面で質問した。


「記憶を取り戻すには?」

「知らん!要るなら後で考えればいい。特にこの呪文作る意味が見いだせなかったし、探しても作ってもない。」


 スルメイカ(のようなもの)の唐揚げを喰いながら今村は答える。チャーンドが今村に治し方を探すように言っても今村は聞き入れなかった。

 それでチャーンドが若干怒り始める。


「そんなもの、何で、常時使ってるんですか?」

「けーご!偉そうにしろって!使ってんの?死にたくねぇし、人間ってかなり簡単に死ぬし。予防。」


 豆腐をよく分からない形状にして揚げた物を摘まみながら今村は答える。その周囲では「復讐法」にやられた奴らが規則正しい寝息をたて始めていた。


「相馬とかすぐ死ぬぞ?俺が喉を突いたら死ぬし、この焼き鳥の串の所為で死ぬこともあり得る。」


 実際、今村が殺そうと思えば何を使ってでも能力者以外の大体は殺せる。能力者でも能力値が低ければほとんどは殺せると言ってもいいだろう。


 現在、「神核」と一緒に色々おいており、【大罪】たちすら置いているが、その程度のことぐらいなら出来る。


「アハハハハ。酔った。相馬!いい加減祓に告白しろ!酔った勢いでいい!行って来い!」

「無理っす!まだ償いの一部すらできていないというのに!」


 号泣しながら相馬はビールを傾ける。今村はそれを見て頷いた。


「勢いで言ってたらボコってた!で、上手く行ってたら祝福してた!吞め飲め!」


 今村は最早何を言っているのか自分でも若干よく分かっていないのではないか?と思われることを放し続け、宴会終盤の方では相馬が志藤と添い寝をしたまま寝ることになったり、チャーンドのデートを考えたりして遊んでいると翌日になっていた。


「…よっし!『酒気円分化』」


 この後今村だけ二日酔いなどもなしで授業をすることが可能になり、ここで寝ている神たちは駄目な酔い方として授業の助けになったという。




 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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