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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第九章~クラッシャー&ブレイカー~
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20.文化祭に向けての各々

 何だかんだあって、陸奥がこの先結婚することがあったらその時の披露宴で嫁さんに脳内ハックしてサイリウムを振っていた映像を流してやろうか?などと言って遊んで別れた後、みゅうに送ってもらって帰って来て文化祭についての話し合いが進んだある日のこと。



「こ…校長…止めてください…」


 職員室で涙目になって今村に懇願しているのはこの「幻夜の館」の中では特殊な位置に立っているウサ耳の間にアホ毛を揺らしている一応クール(笑)な職員。石田だ。


 そんな石田に対してフリースの一件から幾分か気分がマシになっていた今村は冷酷に言った。


「お前がこの学校に来るにあたって受け入れてたはずの条件だろ?今更泣きを入れるとか…はぁ…辞めるか?」

「つ…続け…続けます。でも!これだけは…」

「しゃあねぇなぁ…」


 今村は問題になっている石田のクラスに行くことになった。


 その結果、とりあえず今村はマキアをボコって縛った。


「…チョコバナナ食べ屋…」


 今村は企画書を見て頭を抱えた。内容は、


 バナナに切り込みを入れ、そこに甘さを調節した白いホイップクリームと練乳を入れる。チョコレートでコーティング。


 それを「幻夜の館」子供の部の子供たちに食べさせるという内容だ。因みにそのバナナに関してだが、マキアが創った作物で冷たいと硬くなる性質を持っており、半径が大体3㎝ほどある。


 それを事前にキンキンに冷やしてチョコレートでコーティングするので子供たちは温めようと舐め回し、チョコレートが溶けると練乳が垂れるという…


「馬鹿か貴様ら。売れ!アレ一応味は良いだろうが!」

「え~可愛い女の子が一生懸命に頬張ろうとしてるのが倒錯的でいいんじゃないですか~客が頑張って食べるの見てても面白くないですよ~」


 因みに過去マキアは今村にそのバナナを凍らせて渡したが今村は普通に噛み砕いた。それなりに美味しかったらしい。


「え~?おいしーの食べてお小遣い貰えたのなくなっちゃうの?」


 例によって可愛らしい女の子が今村のローブの袖を掴んで小首を傾げた。今村はその子の目線に合わせてしゃがむと注意した。


「まだ分からないだろうけど、こういうので儲けたらいかんぞ?楽して稼いでも良いことないからな?」

「え~…ご主人さ…じゃなくって!せんせーにプレゼントあげれたのに~」

「…俺に贈り物はいいから、とにかく止めとけ。」


 今村はそう言って女の子の頭を撫でると自世界製チョコレートをローブから出した。


「これ食って我慢しな。」

「あー」


 手渡そうとしたが口を開けてスタンバイしている女の子に苦笑して包装紙を剥がすと口の中に入れて…


「…俺の手を食うのは…」

「先生の方がよっぽど卑猥ですね!」

「黙れマキア。」


 今村は手をしゃぶられながらマキアを睨んだ。子供は陶然とした顔で今村の手からチョコレート成分を奪い取ろうと頑張って吸っている。


(…まだ子供には早かったか…)


 無理矢理口から手を引っ張り出すと呪水で洗った。因みに今のチョコレートは今村の料理ランクで言うところの7で、常人なら虜になっているレベルだ。


「…一応能力者だし大丈夫かと思ってたが…危険物か。ん~見通しが悪くなってきてるねぇ…折角神になったが…一回辞めよっかな…?」


 今村は考えながらマキアにやり直しを命じて子供を月美に託し、教室を後にした。

 外ではイベントで決まったスペルマスター志藤とソードマスター相馬との試合に向けて稽古に励んでいる志藤の姿が見えた。


「…近距離のエクスカリバーと中距離のゲイボルクもあるが…遠距離が志藤の本来の間合いだからな…相馬は鬼ごっこの時に負けてたけど今回はどうなんかね?」


 そんなことを思いながら職員室に戻る。が、途中で気が変わった。


「志藤の方は見たけど相馬の方はどうなってんかね?負けたら掘られるかもしれんから稽古はしといた方がいいだろうけど…あいつ演目すら決まってなかったしな…」


 企画内容だけざっと目を通した今村は相馬の企画内容に不安を覚えていた。尤も、嫌な予感は不安なのはそこではないと告げているが、どこの何なのかは分からない。


「ま、とりあえず様子見に行きますか。」


 ということで踵を返した。


















 授業終了。


「お?終わったか…?」


 授業終了という音のチャイムが鳴ったとほぼ同時に目の前のクラスの扉が開いた。

 彼女たちは今村を見ると囲んでくることがしばしばあるので今村は一応自分の奥義的な「消命」の技の一つを使って隠れた後、クラスの中に入る。


 中に相馬はいなかった。代わりに2メートル近い身長を誇る少し尖った印象を受ける美少女が居た。


「えーと?」

「おっ…お、先生でしたか。」


 今村は名前を思い出しにかかる。その前に目の前の少女はタハハと元気なく笑うと今村に先んじて言葉を紡いだ。


「見てました?いや…俺ってやっぱりこういうの向いてないんですかね…?」


 何のことかわからないが、とりあえずこんな場合の質問に関しては「そんなことないよ!」と答えてほしいはずなので望む通りに答えてやる。

 ついでにその後、「そんなことないよ!」に対しての反論が来るだろうので、それまでに名前を思い出そうと試みる。


(あ、そうそう。この中で俺って自分のこと言うのは確か…迦楼羅から取った名前のカルラだ。)


 何とか思い出すことに成功。これでようやく話に集中できる。


 それで聞いた結果、要するに相馬は後ろの処女を守るためにまとめ役にカルラを任じて修行中。

 カルラは色々やったが皆は面倒そうに流して個人経営の方に力を入れている。


 最近では演劇自体が邪魔になってきた感があって、そのイライラの矛先がカルラに向かってきたらしい。


「ふ~ん…演目は決まったんだ。」

「一応ですけどね…」

「ま、一応でも決めれたなら凄い凄い。お前は頑張ったと思うぞ?自信持っていい。」


 褒めておく。その頭の片隅では相馬を締め上げることが決定している。


(…まぁ、最初は唯の余興だったのに志藤の挑発に乗ったあいつが悪いよな…ん~良くも悪くも純情系に育て過ぎたか…)


 今村の洗脳教育の弊害で熱血系主人公モドキに育てたのでちょっと失敗した感が出てるので修正しよう。そう決めつつカルラの面倒を見て、色々相談にのった。


「じゃ、何かあったら誰かに頼りな。」


 そう言って別れると速攻で相馬の位置を確認。祓のことを悪く言われて頭に血が上っていた相馬を叩いて治すと文化祭に備えさせることにして、文化祭を迎えることにした。




 ここまでありがとうございます。


 若干失敗してました…

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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