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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第九章~クラッシャー&ブレイカー~
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17.生徒会とは?

「どうだった?」

「まぁまぁ楽しかった。テンション上がるね。」


 合流した今村とフリースは和やかに話している…生徒会室で。


「ムーッ!ムーッ!」

「うっさい。」

「この星の神の使い程度が俺に文句でもあるのか?」


 現生徒会の面々は今村とフリースの力で理不尽に拘束されて、外の排水溝(一応掃除済み)に詰め込まれ、生徒会長は猿轡と手錠をつけられて生徒会長の席に着かされている。後の席は今村たちが占領中だ。


 因みに、祓が副会長、今村が会計、ミーシャが書記、フリースが庶務だ。理由はイメージ。


「いいか?まず、テロを止められなかった時点で無能判決が下されてる。だから後は俺らの言うことに従いな。拒否権はなしだ。…ところであの門に金掛け過ぎだと思うけど文化祭って何の名目でやってんの?あ、これ台詞一覧。」


 今村は生徒会長に質問しながら全員に文化祭の会計の資料を渡してついでに台詞も渡した。

 祓は台本をざっと見て今村に不服を申し立てる。


「…先生。私このダメ人間好きなんて反吐が出るんですが。」

「え~でも、美人副会長が生徒会長とできてるのってデフォルトじゃね?」

「無理です。ミーシャさんの方がまだ考えられます。何せダメンズメーカーなので。」


 話が祓からミーシャに行ったが、ミーシャは資料を見るのに忙しくて聞いていない。


「…質問に答えさせるか。」


 フリースはフリースで今村の質問に答えさせようと生徒会長の猿轡を解く。


「ゼヒュッ…あ、あなた方は一体…」

「校内見学者A。」

「この世界自体の創造神。」

「…えぇと、…何かスミマセン。」


 それぞれ思い思いに答えるが、ミーシャだけは何も言わずに会計の資料とは別に書記の資料も出して考えていた。ワーカーホリックだ。


「…さて、ミーシャ?」

「あ、はい。」


 ミーシャは今村の声を聴きとって頭を上げる。これは他のどんな事よりも優先されるようだ。


「台本。覚えた?」

「…あ、はい。一応…にしても計画って大事ですよ。あんまり文化祭に教師が介入するのもアレなんですが、ここの資料を見る限りじゃ一部介入もやむを得ない気がします。」

「…じゃ、文化祭実行委員的な物を作って、そこで話し合わせた上で俺らに話を通させるか。まぁプレゼン的な感じで将来にも役立つだろ。」


 今村の学校に居る者たちに普通の会社に勤める人間はいないだろうな…と思ったが、ミーシャはその案自体には賛成だったので草案を練ることにした。


 フリースが生徒会長を説得(調教)して、今村と祓が台本のやり取りを改正し、ミーシャが文化祭について考えていると生徒会の扉がノックされた。


「…いいか?いつも通り偉そうにしろ。」

「はい。」


 若干目が死んでる生徒会長は素直にフリースの言葉に頷いて入室の許可を出した。


「…あんたら…こんな時だってのに何やってんだ?」


 少年が入って来るなりぞんざいな言葉遣いでそう言った。が、生徒会長は無表情に答える。


「政務執行中です。それが何か?」

「そんな事してる場合じゃねぇだろ!」


 少年は怒鳴った。それを窘めるように少年の後ろから美少女が出て来る。


「まぁまぁ…話し合いに来たんだから…でも、生徒会の皆さんにも問題があると思います。こういう時には助け合うべきですよね?」

「助け合う?テロリストの要求は簡単です。身代金の要求。それをクリアすれば解放されるんですから、それは我々の関与する内容ではない。」


 にべにもなく突っぱねる生徒会長。それを祓が止めた。


「まぁまぁ…一応何か考えがあるみたいですし、聞くだけ聞きませんか?」


 祓は今村の方を見て言った。今村も頷いて話を進めることにする。話を聞いていくとハッカーが変な防衛プログラムで陽動。その隙に人質救出。直接対決。警察に突き出す。


 と言った流れにするつもりらしい。


(…こいつアホだなぁ…計画が穴だらけだし、大体それ俺らの仕事じゃないよ。ってか生徒がやる事じゃねぇ…まぁ想定内なんだが…)


 今村の方が生徒の魔改造具合で言えば酷く、おそらく「幻夜の館」にテロリストが来たら嬉々として滅ぼしにかかると思われるのだがそれに突っ込むはずのミーシャは未だに若干うわの空だ。


「…あ、今村さん。後でお話があります。」


 うわの空から帰って来ると今村の隣の席になっているミーシャはこっそりと今村にそう言った。文化祭についてのいい案が思い付いたようだ。


「…そう言ったことは警察に任せるべきでは?」


 台本を消化して行く一行。そんなことを考えもしていない謎の転校生の面々は面白いように話題をコントロールされ、退くに退けない状態まで追い詰められてから生徒会(偽)の協力を得ることになった。


「わーったわーった。俺は参加するよ。」

「…しゃあねぇなぁ…行くか。」

「…今村さんが行くなら…」

「仕方ないですか。」


 若干台本通りの台詞を言わないやつもいたが、概ね問題なく生徒会室から出ると今村たちは銃(のようなもの)を取り出した。

 それを見て謎の転校生の面々はギョッとする。


「あぁ、エアガンだから。」


 今村は呼吸をするように嘘をつくと銃(?)を弄んだ。そうしているとにわかに学校内が騒がしくなってくる。


「…成功したみたいだな。行くぞ!」


 取り仕切る転校生の一行は走り出し、ミーシャ、祓も走る。今村とフリースは歩いてその前を突っ切る。


「こっちかね?」

「…まだ方向音痴が治ってないのか…治せるだろうに…」

「ん~?『治す』のは無理だな。呪いの所為で。…まぁ何とかしようと思えばできるけど面倒。それに迷った先で新しい何かがあるかもしれないじゃん。」

「それで目的地に行けないんだがな…」


 和やかに談笑しながら異常なスピードで歩く。あくまで歩いているので上体が動かずに一種のホラーとなっている二人はどうやらテンションが上がっており、周囲があまり見えていないようだ。


「いっそさぁ、この辺の壁ぶち抜くのはどうかね?」

「お~登場は派手にやりたいよな。…人質はべたに体育館らしいし、2階の窓をぶち抜いて飛び込むってのはどうか?」

「ん~…飛ばないといけないし…」

「!」


 第一テロリスト発見。サーチアンドデストロイの法則に従い蜂の巣にした。


「はっはぁー!」

「汚物は消毒に限るな。」


 二人は頷く。因みに銃(…?)は高性能でサブレッサーなしなのに音はないし、反作用自体を打ち消すように創られているので振動もなくお手軽に撃ちまくれる設定だ。

 …流石に手榴弾はそうもいかないが…


「よし、次はサブちゃん(サブマシンガン)行こうか。」


 今村は(最早)銃(では無い兵器)を持ちかえる。


「なぁ、序でにミニ装甲車出さね?俺、面白いの創ったぜ?」

「ん?どんなの?」

「3人乗りなんだが…それ。」


 フリースは学ランのポケットをまさぐるとそこから横1メートル20センチ縦2メートルほどの車を出した。


「直角に動ける。最高秒速は300キロ。俺の『神熱波』でも壊れない。冷暖房完備の優れものだ。」

「お~…これ乗って行こうか。」


 最早やりたい放題テロリストで遊び始めた。




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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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