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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第九章~クラッシャー&ブレイカー~
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15.ミッション!

「失敗しまくったなぁ…よし!今度こそ!」


 今村は前回の失敗から今回の作戦を考え直すことにした。


 因みに、現在は祓たちはメリーちゃんと市子によって今村の考えを聞かされて、警戒度が高まっている状況下にある。

そんなことは知らない今村は軽いノリでまた学校見学に行くことを決めていた。


「今度は人間の学校に行こう。事前に面白いことも聞いたし…祓、行くよ。」

「…離れないでくださいね?今度は一緒の行動ですよ?」


祓は不安感でいっぱいになりながらも今村を止めることは出来ないので、できる限りの範囲で今村に釘を刺す。


「いいよ。その代わり、結構な無茶が起きるかも知れんから、色々覚悟しとけ。」

「…学校に何しに行く気ですか…?」

「見学!」


 今村は軽く笑顔で言い切った。




















「ということで、ここの生徒じゃないとバレないように行こうか。」


(え…何で異世界の学校に…?)


祓は何故か学校見学のために世界をまたにかけていた。

 今回の旅路にいるのは今村を除いて3人で祓は「スレイバーアンデッド」の効果で強制連行、それにミーシャが付いて来ている。

 そして両者の服装だが、一応この学校の制服に合わせて紺のセーラー服。それに合わせて祓は黒髪に見えるように視覚を弄っている。ミーシャは猫耳を隠している。

 で、今村はローブを変形させて学ランという状況だ。


「…にしても、似合うな…」

「あ…ありがとうございます…」

「今村さんも似合ってますよ?」


 因みに、普通に立っているだけで目立つ程の美貌を持っているので軽く二人の魅力を減退させる術を掛けている。ただ、今村にはそれは通じないので今村視点の祓はとても見ごたえがある物となっていた。


 祓は祓で普段着にこの服を採用しようか?と考えていた。ミーシャは一応教師としての自覚があるのでスーツを崩すことは考えない。

 そんな二人の心中はさておいて、今村はこの前の誕生日に貰った時計を見て呟く。


「…さて、この学校をテロリストが占領するまで後1時間だな。」

「そうなんですか…え?」


 祓は今村の言葉をすんなり受け入れようとしていたが、内容がおかしいことに気付いて止まった。ミーシャが今村に質問する。


「何で学校にテロリストが?」

「…アレだ。思春期特有の妄想が形を成したんだ。奇跡だな。…まぁ嘘だけど。ここは金持ちが行く学校。今年はこの世界のかなりの大金持ちが入学して来た。で、今の今まで計画を綿密に練り、護衛などに対する対策を練り、今日だ!ってなった。」


 今村はとても人が悪い笑み(人じゃないけど)を浮かべた。


「それをこの世界の神が俺に教えたってこと。…あ、一個言い忘れてたけどここ第1世界だから術は全般的に使えないよ?」


 言われてみて祓とミーシャは気付いた。まだほとんど動いていないが、体が鉛のように重いことにも気付く。


「…因みに俺も結構弱ってるからキツイ。術もこれ以上は無理かな。」


 今村は軽く笑いながらそう言ってグロッグ(仮)を手の中で弄んだ。


「…え?」

「ん?」

「今村さん…何持ってるんですか?」

「何って…銃だけど?」

「おかしいですよね!?」


 ミーシャが突っ込みを入れると今村はミーシャの額に銃を押し当ててそれを窘める。


「お静かに。目立ったら計画が狂うだろ。…テロリストの。」

「狂ったらいいんじゃないですか?…というより今村さんの銃火器の方が目立ってると思いますが…」


 声を落としてミーシャは今村に言葉を発す。今村は銃をしまうと別の銃。ワルサー(仮)を二人に手渡す。


「大丈夫。今のところ周りには認識阻害の術賭けてるし。なぁフリース?」

「…ん?どったの?認識阻害がどうのこうのって…」


 そして一行の最終メンバーである男。フリースが今村の言葉に反応した。


「あぁ、同行者に説明してた。」

「そっか。…にしても今世もだけど、仁はよく下級生命の面倒見るよな~いっぱい飼ってるけど世話とか大変じゃない?」

「…まぁ、一応話せば分からんでもないしな。世話とかしてないし。寧ろ飯とか作ってもらってるし。」

「マジか~便利だな。俺も飼おっかな…その辺にいるんだろうけど。元気?」


 そう言って男は見当違いの方向を見て話をしている。今村は苦笑して顔を掴むと視線を合わせて祓たちの方向を視させた。


「こっちだ。うっかり殺すなよ?殺したらお前を殺す。」

「はっは…相変わらずペットに優しいことで…」


 引き攣った笑いになる男。今村はペットって呼んだら可哀想だろうが。と窘めるが男は気にした風もない。


「なぁ?何て名前?オス?メス?」

「女って言ってやれ。で、名前は天明 祓と突っ込ミーシャ。」

「おぉ。…ペットに女って言うのは何か変態チックだが…まぁ仁は元々変わってるしいっか。」

「殺すぞテメェ。」


 今村の手に力がこもる。序でに【獅子王】の力が出て凶悪化したアイアンクローにフリースはのた打ち回った。


「…で、この中で突っ込み役なのはミーシャだから頑張って認識しろ。」

「おぉ。じゃ、頑張って突っ込ミーシャの方は認識できるようにするよ。」


 因みに現在、二人とも固まっている。相手の力と存在に気圧されているのだ。


「…おぉ。どっちだ?」

「頭の上に猫耳がある方。」

「…ところでこっちのリビングデッドは?お前の術だよな?」

「あぁ。…な~んか消えなくてよぉ…」

「…フム。アレだな。懐いてるし、いんじゃね?」

「あんまり良くないんだがなぁ…」


 今村は手を離した。


「ま、いいや。とりあえずこっちの白髪美人が天明。猫耳美人がミーシャ。認識できた?」

「任せろ。……………………白毛のリビングデッドが天明。猫人間の突っ込みがミーシャ…よし、多分大丈夫だ。ってか、毎回毎回よくそんなに見分けつくよな~」

「…まぁ、自分で自分を創造したとはいえ元々は第3世界の神だしな。」

「ハッハ!ブフッ…第1世界の下級とはいえ上位の【全】と真っ向勝負して勝っておきながら…ヒュッ…そんなこと言っても笑えるだけだ!ハッハ!」


 何かが面白かったらしいフリースは今村の言葉を聞いて爆笑した。


「あ~やっぱり面白いなぁ…さて、話を元に戻そうか、ウチの世界の出来損ない。争いがある星のここだが…テロリスト集団の武装は…」

「あ、聞いたら面白くないからいい。」

「そう。…ところで俺の玩具は?」


 今村は無言で手榴弾(仮)を10個投げ渡した。


「おぉ…これは面白いな…自動錬成付きか!」

「無限弾はお祭りに必須だろ。で、一応目の前の2人にも自己紹介しとけ。」

「何で?…まぁいいけど…第1世界中位中級神『フリース・モルガン』だ。短い間だが死ぬなよ?」


 男はにっかりとした笑みを浮かべて祓たちの目を全く見ずにその辺の物を見る目でそう言った。





 



 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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