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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第七章~地球編~
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14.今村くんと知り合いと元地球生命体…?

「…あぁ、成程。」


 今村は祓から全ての説明を受けた。それが終わる頃には包囲していた騎士団は崩壊している。


 この状況はこの世界の創造神と王国、それに帝国、さらに創造神を崇める神殿が治める神聖国家の包囲網の結果らしい。

 今村は王国が何かする可能性は高いし、帝国がそれに便乗する可能性もあるとは思っていたが、残り二つは確率が低すぎて無視していたので何の準備もしていなかったのを苦々しく思う。


「…しくったなぁ…ステータスを表示するのが面白そうだったからあの馬鹿の加護を受け入れてたから俺が死んだとか思ったんだろうなぁ…」


 今村が死んだことを受けて創造神はパラディーソの子供たち…それも女の子に使徒になるように要請して来たらしい。

 だが、今村が死んだという事を鵜呑みにできなかった彼女たちは待つと言った。それにより一度は引き下がったのだが、少し時間が経ったところで待てないと一方的に告げられ、戦争が始まったらしい。


「良かったです…」


 この話を終えても祓は今村から離れなかった。ずっと抱き締められ続けていた今村は話をニヤニヤしながら聞いて、そして終わると同時に祓を引き剥がし、出かける前に鈴音に渡されていた本を掲げて奇声を上げた。


「うひゃっほぉう!最っ高じゃねぇか!『モーション:神刃神の魔壊王』!」


 それと同時に壊れた。顔は前世と同じ絶世の美男子になり、体もそれにふさわしいように入れ替わったところで祓に訊く。


「他のはまだ戦ってるんだよな?」

「…はい。」


 何となく色々台無しにされた祓が不機嫌そうにそう言うと今村は全員退却の旨を伝えるように告げ、空を駆けた。

 それと同時に子供たちが引き下がるように祓からテレパスが発され、子供たちと入れ替わりになる。

 その際に獣人の少女たちに避けられていたが、今村はそんなことを全く気にせず、全く以てその美貌を台無しにする笑みを浮かべつつ呪刀を抜いた。


「クハハハハハ!さぁ!始めようかぁっ!」


 味方が引いた後、今村は天に向かってそう吠えると牙を剥いた。


「さ~ぁ、死ね!くたばれ!イカレつくせぇっ!『死いづる所より我がに宿りてその力を表せぇっ!【死いで眼】ぇっ!」


 斬り、睨み潰し、破壊の限りを尽くす今村。少し休憩した後、前に起こった魔物の群れとの戦いのようなことが起きないように再び出撃しようとしていた子供たちが完全なる足手まといになるのを感じ取って出れないと思うほどの戦闘だ。


「『ラグランカイ』!『破壊の紋章クラッシュエンブレム』!テンション上がって来たぁっ!『死にて謳いて呪いて笑えぇ』っ!四神…あ、これは流石にやり過ぎ自重…まぁいっかぁ!『死よ!王よ!…』やっぱり流石に不味いな…」


 もの凄く楽しんでいる今村。その下に二人の奇妙な人物が訪れる。


「長らくの別れ、非常に辛いものでした…『魔神大帝』様、ここに長女アリアが。」


 一人は病的とも思えるほど白い顔をした小柄な美少女。薄いグレーの軽くウェーブをした長い髪をしており、タレ目で柔和な印象を受けるかなり神秘的な雰囲気を醸し出している美少女だった。


「俺もだ…全く…長兄ちょうけい、アストーがここに。」


 もう一人は筋骨隆々の男だ。野性的な風貌をしており、短髪に切りそろえられている金髪な雄々しく男らしい人物だった。


 その両者を見た今村は少し目を逸らして何か考えたが一つ頷いて笑って言った。


「ま、いっか!敵対勢力皆殺しぃ!ひゃっはー!」

「「御意っ!」」


 嬉しそうな顔をして今村の言葉に従った両者が愉悦を浮かべた笑みで敵を見据える。


 まず最初に出たのはアリアだった。


「フフ…この時この瞬間【魔神大帝】様の為に…『デスソング』!」


 美しい歌声が朗々と響きわたり…その声を聴いた人間は死に絶えていく。それを見ていた今村がノリノリでそれに付け加える。


「ついでに『凶震波きょうしんぱ』ぁっ!」


 聞こえる音と聞こえない音、その両方が辺りを振動していき、そして…共振作用を引き起こして破裂…あるいは崩壊していく。

 その様相を見ていたアリアが今村に寄り添い、そして言った。


「【魔神大帝】様…重ねましょう?」

「いいよ~!」

「「『死の讃美歌ヒムズオブデス』!!」」


 その後は涙を流し喜んで死に行く者が激増した。今村とアリアの混声合唱は一曲で終了し、その後はアリアが様々な効果のある曲を何曲も同時に・・・独唱していった。

 それはそうと、と今村はあることを思い出して召喚を行う。


「出でよ古代絶滅動物ズ!」


 さっき行ってきたばかりの世界のとある星で見つけた動物たち(進化済み)だ。


「行っけーアンドリュー!死の破壊光閃だ!」


 体長約2m40cm、その頭部が1メートル弱という恐ろしく口の大きなネコ科の地球最大の肉食哺乳動物だった彼は…


 ドゴォォォォォォォオオオオオ…


 口から何かイカレた物を出せるようになっていた。そして他にも…


「ジョセフィティゲイシア!8000Aでいってみよう!」


 体重一トンある世界最大のネズミだった彼女は…


 バリバリバリバリッッッ


 電気を発生することが出来るようになり…


「アルクトドゥスシムスは…何か勝手にやってるか。」


 手足が一メートル程あり、体のバランスが人間の様になっていた氷河期最強のハンターと呼ばれた熊は総合格闘技を自在にこなし、殺した相手を喰らう事で相手の技術を更に付加していく。

 他の場所では今村が創った生命体が醤油やら味噌の原料確保に勤しみ…戦場は単なる殺戮場に変わっていた。


「クッハハハハハハハ!オヤジィッ!俺はマジで嬉しいぜ!」

「アストー。嬉しいのも分かるけど…口調は?」

「おっと、【魔神大帝】様。再び共に戦うことが出来て真に光栄でございます!」


 軽口を叩きながら目の前の敵を壊滅。すでに敵はほぼいなくなっていた。そこで今村がこの世界の創造神を発見する。


「よ!ライアー!」

「…ちぇ。また生きてたんだ…最悪~」

「クッハハハハハ!だろうなぁ!」


 青年はこの世界に来た時と真逆のことを拗ねたような表情で今村に告げた。対する今村は愉しげに応じる。


「まぁいいや。死ぬ?諦める?」

「ん~負けたし素直に諦めるよ。」

「そうか。」


 今村は薄く笑ってその提案を受け入れた。すぐに苦虫を噛み潰した顔になる青年―――ライアーだったが、グレイプニルによって速攻で拘束された。



「クックック…そんなに死にたいとか言われたら生かしておきたくなるじゃん…負け犬♪」

「…ざぁんねんでした。僕はまだ生きたいもんね。」

「そうか。じゃあ生きてろ。」


 今村はグレイプニルの端を持って地上へ降りる。それにアリアとアストーが付き従う。


「アラアラ…虫けらさん。久し振りですね。」

「やぁアリアちゃん。元気かい?」

「今は。…【魔神大帝】様と一緒ですからね。」


 コロコロ笑うアリア。それを聞き流しながら今村は色んな廃墟の角にライアーをぶつけながら城に帰る。


「…にしても早かったね。君がまた死にかけるか死んだかと思って世界渡航出来ないくらいに弱ってるなと思ったから行動したんだけど…」

「あぁ、アレだ。今俺テンション高いし。」

「…あぁそうだったね…テンションで強さがかなり変動する不思議生命体だったね君…」


 何か疲れたような表情で引き摺られて行くライアー。今村は屍から魂などを吸収しつつ城に帰って行った…




 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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