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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第七章~地球編~
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5.二日目、色々気に入る

「お金も入ったことだし、とりあえず本を買えるだけ買おうか。」

「…えっと…?今村さん…この状況は一体何でしょうか…」


 鈴音の姉、恋華が今村が起きているかどうか確かめるために上に上がって来るとそこには大量の銃器やら刀やらが床に無造作に転がっていた。

 そんなショッキングな光景に立ちすくむ恋華に今村は平然として答える。


「ん?危ないから没収してきた。」

「ここが危ないですよね!?一体何でここにこんなものが!?」

「近隣のヤクザからパクッた。金もないし武器もない。こっからどうするか見ものだよ。」


 言葉を無くした恋華に今村は諭すように言った。


「まぁ神の罰だって書いといたから大丈夫と思う。」

「で…で…、これはどうするんですか…?」

「持って帰るよ~そりゃ。」


 今村はローブにそれらをぶち込んだ。出していた理由である修理も終わったからだ。


「…さぁて、本日の行動メニューは何にしよっかなぁ…」

「え~と…兎に角起きているならいいんですけど、朝食ができてますので…」

「あいよ~みゅう行くぞ~」

「あい…」


 今村はベッドの中にいた寝惚け中のみゅうを伴い下に降りて行った。そこにはすでに鈴音が身だしなみを整えて座っている。


「えへへ…おはようございます。指輪はネックレスに通して肌身離さず持ってますからね?」

「おはよ。もうあげたものだから俺は何も言わんぞ?」

「…みゅ~」


 未だ寝惚け中のみゅうも揃って席に着くと全員食事を始める。みゅうだけ微妙に寝ている弊害から一度今村に殴り起こされたりしたが平穏に食事風景が終わると朝倉姉妹は学校へ行く準備を済ませる。


「では!」

「…知らない人だけ家に残していくのは何かアレなんですけど…この家にあるモノ売っても買えなさそうなものホイホイ渡す人ですから何か起きることはないでしょうし…本をあれだけ買っているから大人しい…はず。」


 何か言い続ける恋華と元気よく去っていく鈴音が出て行くのを見送って今村は本を読み始めた。


 結果。1時間かからず終了。


「みゅう!買い物に行くから…」

「身支度~?しなくてもいいよ?」

「留守番…しないみたいだな。まぁいいや。」


 今村は現金500万円を持って書店巡りへと出向いた。


「…読んだ本は個人図書館にぶち込んでっと。…ん~これあんまり面白くないなぁ…こっちにいる間にこの国の本の選別は済ませたいところだなぁ…あ、後あそこで流れてた歌は何か良かったから…」


 今村は500万円では飽き足らず2000万円使い切ってまさにやりたい放題やっていた。因みに同じ書店で大量に買っていれば持っている本が突然消えたりして不審だろうなと思った今村は色んな書店を巡っていた。


「んー…こりゃ時間が足りんなぁ…どっか適当な所をいじくって貿易って称して俺の世界に繋げるか…?」


 軽くイカレたことを口走っていると何か急に騒がしい声が下から聞こえて来て今村の下に来る気配がした。


「…時間がないというのに…」

「おい!鈴音をたぶっ!」

「うっさい。死ね。」


 いきなり殴りかかって来たのでその勢いがぶつかる所に拳を置いてカウンターを入れる。


 実際は本気で殺そうかと思ったがここの世界で殺しなどは極力控えてもらえると助かるのですが…とこの国の神、天之御中大神あめのみなかぬしのかみが初日に言って来ていたので殺しは止めておく。


「…はぁ。」

「てめぇ…やりやが…」

「やめなさいっての!」


 まだやる気だったらしい男を恋華が締め落としてその場を収める。恋華は何か言っていたが今村の興味は既にそこになく本を読みながら恋華に幾つか質問してパソコンを借りた。



















「ハハハハハハハ!この歌良いねぇ…」

「…死んじまえよすべからく…って…何聴いてるんですか…」

「みゅうの方が上手だもん!」

「知るか。」


 今村は有名なボーカルをするアンドロイドがお気に召したようだ。最初に聞いた歌からどんどん色んな歌を聞いていき今の状態になっていた今村はふと思い立つ。


「そうだなぁ…こいつらこの世界に創り出すか♪」

「え゛…」

「何かキッドみたいなのがあるらしいからそれを…」

「い…今村さん…その…キッドは歌を作ったりする…」


 今村は恋華の話を最後まで聞くことなくとあるところで交渉して幾つかのキッドを手に入れると風の様に恋華の前に戻って来た。


「あんまり気に入った曲がない奴はいいとしてっと…アラヨォ…」


 突如、そのキッドたちは発光してその場に3寸ばかりなる髪の色がカラフルな人々が現れた。


「ちょっ!」

「え…と…」


 戸惑っているその少女たち(1名黄色い髪の少年もいる)に今村は命を下した。


「発声テスト~俺の後に続けよう!」


 今村は口を開いて何か言った…が、何も聞こえなかった。ただ、ガラスは以上に軋んでいる。


「…あ、俺の方が不味いな。高過ぎた。」


 この後は普通に聞こえる声で発声して少年少女たちもそれに続いた。後で低音も問題なくやったのを見ると今村は曲を覚えるように言ってパソコンの中に突っ込ませた。


「え…えぇぇっ!」

「どうした~?」

「だ…黙って見てましたけど!な…何が…何なのか教えてくれませんか!?」

「ん~?こっちの世界じゃ結構ある事じゃないのか?」


 今村はそう言って漫画を出す。


「いやいやいやいやいや…それはフィクションで…」

「ん?観測してあるから書かれたわけじゃないのか…まぁいいや。今起こったのは内緒ね。」

「えぇぇぇぇぇ…そんな軽い問題で済ませていいんですか?」

「良いと思う。あ、お帰り。」


 少年少女の中の唯一の少年が帰ってくる。彼に課した覚えてくる曲の数は少年少女たちの中で一番少なかったため一番に帰って来たのだと思われる。

 そこで帰って来た少年を見て話題逸らしも兼ねて今村は別機能を見せることにする。


「因みにおっきくなれ。」


 少年が3寸(約10センチ)から普通の人間サイズになった。少年はその所為でテーブルの上の面積を大幅に取ることになり、パソコンを落としそうになるが今村が危なげなくキャッチし振り返って鈴音を見て言った。


「こんなことも。」


 だが、恋華の様子がおかしい。今村の言葉が耳に入っていないようだ。


「っきゃあぁぁぁっ!ふぉぉぉぉぉっ!」

「や…やめ…」


 壊れていた。少年に駆け寄ると抱き締めたり匂いを嗅いだり何か大変なことになっている。


「あぁ…愛でるお!今村さん…いや!今村様!あなた最高ッス!」

「お…おう…」


 流石に若干引き気味の今村。少年の方は目を回している。


「ほぉぉぉ…実際に見ると何か気持ち悪そうと思ってたけど…これはこれでおかしくないんですねぇ!どうなってるんですか!?」

「…世界干渉してるだけ。」


 決してだけ・・で済ませることが出来るものではない事をさらっと言うと哀れになってきた少年を3寸に戻す。恋華が残念そうな顔をしたが少年の方は安堵していた。


「さぁて…普通の魔術と比較しても電子精霊を創る方が楽というね…不思議な国だこと…」


 今村はこれならこっそり色んなイカレたことが出来るなぁ…と思いながら先程読んだ漫画のことを思い出していた。

 

 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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