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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第七章~地球編~
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1.色んな星に寄り道中

 さぁ、この章はやりたい放題が火を噴く予定です。※この話は一部描写がアレです。ご注意を…

「ふみゅぅ…疲れたぁ~」


 長旅が終わり、今村たちは目的の世界に辿り着くことが出来た。


「みゅう疲れたから寝るね?おんぶして~」

「あいよ。お疲れさん。」


 今村はみゅうを背負い、途中から寝ていた鈴音を起こした。


「で、地球ってのはどこだ?」

「…え?ここ…どこですか?うぇっ!?宇宙!?息が!」


 辺りは真っ暗。時々、恒星が輝いているのが目に入る。何か目がちかちかする輝きをしていた星を破壊して今村は鈴音を落ち着かせる。


「星が!何してるんですか!」

「落ち着け。今の所呼吸は出来なくても生きられるようにしてる。」

「は!?あり得ませんよね!?」

「…呼吸ってのはエネルギーを取り出すために酸素を取り込むこと。エネルギーが絶えず自然発生してりゃあ特に問題はない。」

「わけわかりゃない!」

「…不思議な力が働いたとでも思ってろ。」


 小惑星が突っ込んできたので今村はそれを弾き飛ばす。それは別の天体に突っ込んでいき、大爆発を起こし融合が始まった。


「ってか!何で空気がないのに音が聞こえるんですか!何で会話できてるんですか!」

「…別にいいだろうに。暗黒物質が伝導体の役目を果たしてる。で、そろそろもういいか?さっさと地球に行きたいんだが…」

「私が宇宙のどこに地球があるかなんて知ってるわけないじゃないですか!大体ここがどこだかわからないんですけど!?」

「…じゃ、虱潰しに探すから特徴を言ってくれ。」

「…えぇと…青い?」


 そう言い終わるや否や今村はもの凄いスピードで移動を開始し始めた。


「いやぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」

「さっきより大分遅いのに何でビビってんだ?…お、該当っぽい感じの星見っけ。」


 今村はそれっぽい星に降りることにする。途中から引力に引っ張られ、重力の力を借りて猛スピードで大気を通過、摩擦熱により今村の周りが発火し、鈴音がギャーギャー騒ぐ。

 本人たちは「黒魔の卵殻」によって被害を受けていないが地上では海に突っ込んで大爆発が起きた。


「…ふぅ。思ってたよりこの世界面倒臭いな。うちの世界じゃ一定以上の法則を無視したら法則の方からこっちを無視してくれるんだが…面倒見がいいというかなんというか…」

「死ぬかと思いましたぁっ!なぁにしてるんですかぁっ!こんなのしちゃったら大惨事ですよ!」

「…うわっキモい!」


 鈴音の抗議を無視して今村は別の所を見ていた。鈴音もつられて今村が見ている方を見る。


「ぎにゃぁああああぁぁぁっ!キモいぃぃぃぃぃっ!」


 そこに居たのは2Mはあろうかというゴキブリだった。


 うねうねと動く触覚。一つ一つの目がはっきりと見え、その目が集合した複眼。常に蠢く口…どれもこれもが生理的嫌悪感を覚えさせる気持ち悪い虫。

 そいつが襲い掛かって来た。


「…帰ろっかな。」

「にゃあああああああああっ!落ち着いてないで助けてくださぁい!」


 速い。異世界で戦闘をして、膨大な戦闘をしてきた鈴音だが、この世界に帰って来てからは普通の少女に過ぎない。…というより強かったとしても近付きたくない敵にたじたじとなる。


「せぇいっ!」


 そんな鈴音を後ろに今村は手近にあった石を投げつける。それは摩擦熱で燃え上がり…ゴキブリに命中した。ゴキブリは悲鳴を上げて逃げていく。

 刹那。今村は何か悪寒がして頭を勢いよく下げた。その直後今村の頭があったところを何かが通り過ぎ、それは逃げていたゴキブリを捕まえた。


 それによって速度が落ち、その全容が明らかとなる。


「…もっとキモいな。」

「あば…うぇ…ふにゃ…」


 ゴキブリよりも多い数が秘められた複眼がこちらを見たことで鈴音は気絶した。そいつは蜻蛉だった…もの凄い気持ち悪い角度に首を傾げていたので今村は何かむしゃくしゃして鎌鼬を生むと真っ二つにしてこの星を後にすることにした。















「…あぁ…うん…はっ!」

「よぉ。次の星に着いたぜ。」


 鈴音が気絶している間に今村は別の星に着いた。鈴音は原っぱに寝かされていたがここが地球ではないとすぐに知る。


「…すみません。太陽の色がおかしいです。赤か黄色か白…もしくはオレンジで…少なくとも紫じゃないです…」

「え~可愛いのがいっぱいいるからここでもいいのに~」

「…可愛いの?」

「うん。おいで~アンドリュー。」


 鈴音が首を傾げたので今村はこの星に来て見つけた新しいペットを呼んでみる。すると原っぱの近くにあった森から変な生物がのっそりやって来た。


「これの名前は『呪式照符』で調べたら地球で言うところのアンドリューサルクス・モンゴリエンシスだって。可愛いだろ。この何かにもう諦めがついた目が超良い。」


 体長大体鈴音2人分。口の部分だけで鈴音を一飲みに出来そうな何かが現れた。それを見て鈴音は顔を引き攣らせる


「ひ…ひ…ひぃ…」


 対して仄かにジャスミンの香りを漂わせるアンドリューサルクス。おそらく臭いと今村に洗われたのだろう。

 そして何かを諦めた目は今村に対して向けられているのだと思う。


「こいつはお持ち帰りして口からレーザー出せるようにしたいな。うん。」


 何となく想像できるその姿。そんなアンドリューサルクスの後ろから何か別の動物が現れた。

 それは鈴音も知っている長く湾曲した牙と虎のような風貌を持つ動物…


「サーベルタイガー!」

「…ん~?違うらしい。『呪式照符』敵にアレはユースミルス。非サーベルタイガーだなぁ…うちの子とどっちが強いか勝負だ!行け!みゃー!にゃー!たま!」


 3匹の可愛い子猫が飛び出した。


「だめぇっ!何考えてるんですか!」


 鈴音は勝負にならないとしか思えない幼気いたいけな子猫を出した今村を睨む。そして、それは正しかった。


「にゃ。」

「GYAOOOOOO!」


 子猫の猫パンチ一発でユースミルスは吹き飛んだ。しかも綺麗に肉球の形に風穴が開いている。


「よ~しよし。良い子だ~」

「にゃぁ~♪」

「みゃー!」

「うなぁぉ…」

「うっそぉ…」


 撫で回し、耳の裏や喉を弄られてとても喜んでいる子猫たちを見て鈴音は唯そう言うしかなかった。


「えっと…えい。…うん。魔術も変な感じに出て来る力も全部ない…」


 近くにあった石を殴ってみると拳が普通に痛んだ。


「!うなっ!」


 突然タマがはっとしたように立ち上がると後ろにもの凄いでかいネズミのような変なのがいた。


「ん~…この世界じゃ新しく『呪式照符』が作れんから節約したいところだが…仕方ないか。アレはっと…ジョセフィティゲイシア…へぇ1トンもあるんだ。しばらく餌に困らんな。」

「みゃ~?」

「…あ、ごめん。この世界じゃ俺お前らと会話できないから間違ってたらごめんな。食べたいなら獲ってきな。」

「みゃ!」


 3匹は勢いよく駆け出してそのネズミの所へ行った。傍から見れば近付くだけで踏みつぶされそうな3匹だったが、1匹1撃でそれの脚を1本ずつへし折り、動けなくなったところを揃って強襲。

 仕留めた後は今村の方に持って来た。


「うん。じゃ、ご飯にしようか。」


 食後、今村はこの星の生物を捕まえまくってやっと真面目に地球を目指すことになる。




 ここまでありがとうございます!

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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