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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第六章~異世界その2~
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11.結成

 調べた結果、今村が最初に担当したのはミーシャを除いて「神氣」2人「仙氣」3人「魔力」11人「妖氣」4人「邪氣」1人という構成だった。


 「魔力」と聞いてがっかりする子供たちを見て「神氣」と「邪氣」の混合だったミーシャは何とも言えない顔になる。


(…普通「魔力」を操ることもできないはずなんだけど…「魔力」を使えて残念がるって…)


 着実と常識を破壊されていく子供たちを見てもう考えてもしょうがないか、と割り切ることにした。


「さて、今日は『魔力』の説明に入る。祓!」


 今村は祓を呼んで説明に入った。


「まず『魔力』には大前提として『魔術』と『魔法』がある。影響力の差で名を変えるな。」


 今村はそう言って魔力の流れで「魔術」と「魔法」という文字を浮かべる。そして「魔術」の文字を点滅させた。


「『魔術』は比較的に小さめの効果範囲で行使される。一般的に世間一般で言う魔法とか魔術は俺が言うところの『魔術』に分類されると思っていい。」


 今村は次に「魔法」の文字を点滅させる。


「俺が言う『魔法』は世界の理を『魔力』を使って自分が決めたルールに従わせるものだ。これはかなり複雑な陣や詠唱を使うことが多い。ここまでメモしろ。」


 そこまで言って今村はスクリーンに今まで言ったことを映し出す。やる気がある奴が書き終えたところで今村は魔力文字とスクリーンを変えた。


「今言ったことは頭ん中入れとけ。実技の時に詳しくやる。で、次、『魔術』にしろ『魔法』にしろ『魔力』行使には白と黒の二つがある。そしてその下に各世界の理を置く。」


 今村はスクリーンを白と黒にして、右手に五行陣。左手に四大属性を乗せてみた。


「一部の例だな。火、土、木、金、水の五行の魔法。水、火、風、土の四大属性。」


 そこまで言って今村はそれらを消した。


「で、今の所この世界は火、水、風、土の四大属性のルールに縛られてる。」


 そして四大属性の方を大きく出した…が、そこで祓に止められる。


「寄り道が長くなってます…白魔法と黒魔法の説明を…」

「ん。あぁじゃあ仕方ないか…因みに後でルールは『魔法』で叩きのめすからな。」


 元も子もないことを言って今村は祓に白魔術を行使させる。その後は今村も黒魔法を行使して子供たちに怪我が無いように触れさせた。


 その後は教科書に載っていることを教えて陣や詠唱の訓練を行い、この日中に『魔術』を行使できる子供が10名出て、その日は終わった。


 それを見てミーシャは呆気にとられ、常識って何だっけ?と放心状態に近い状態でフラフラしたという。



















 その日の午後、祓はドライアドに手解きを受け、みゅうと今村が手合わせをすることになった。子供たちは食事をしながら後者の観戦となる。

 ちなみにそれは祓の相手を手抜きしながら本気で防護結界を張っているドライアドに守られている。


 結界内でみゅうが今村に対して不敵に笑う。


「フッフ~パパ~?みゅう強くなったからね~?今度はもう置いて行かせないよ?」

「…まだ『全』との決戦のこと引き摺ってんのか…」


 今村は苦笑いしながらみゅうの言葉を受け、「αモード」に入る。それを見た途端少女奴隷、幼女奴隷、精霊王から黄色い悲鳴が上がり、元王女が息を吞んだ。


「…ま、やってみな?」


 今村はそれを圧倒的な力の奔流を見てのものだと思って気にせず、憮然としたみゅうに挑発し返す。


「…また…新しい女の子を無意識にぃ~!!『神龍発剄』!」

「…この状態で『呪刀』はマジで加減ができんからなぁ…『絶刀絶牙』でいくかな。」


 今村は金色に輝く太刀を右手に持ち構え、漆黒の日本刀を左手で逆手に持つとみゅうの突撃を待ち、受け止めた。

 辺りが衝撃波で散々な目に遭い、結界内が軋む。


「…壊れない程度にやるってわかってるな~?」

「ドライアーは強くなってるから大丈夫!」

「…ご主人様は出来れば自重を…」


 ドライアドの呟きが聞こえたのは残念ながらミーシャだけだ。


「じゃ、行くか。『死いずる処の我が眼よ眼前の敵を滅ぼす魔眼と成れ』『死デ眼』!」


 今村の目の色が変わり、暗闇の中に星屑を浮かべたかのような目になるとみゅうを睨みつけた。

 そしてその場所は数瞬もなく破裂して歪みが出来る。


「うにゃぅっ!」


 一瞬の間に飛びずさるみゅう。今村は当然追い打ちをかける。


「『絶刀絶牙天翔』っ!」

「『虚空刈』」


 金と漆黒の刃が織りなす軌跡は途中認識外の別空間によって消し飛ばされた。が、そんなことで一々慌てる今村ではない。まるで止められるのが当たり前という風情でにっこり笑った。


「ふぇ?」


 それに一瞬だけだが見蕩れてしまったみゅうはその時点で終了のお知らせが聞こえてくる。


「『デッドリーデストラクション』…マジでこれに意味はない。」


 みゅうに一斉斉射の魔法が襲い掛かる。陣で織りなされた籠は発動直後に倍の数に増えて持ち主の魔力が切れるまで相手を襲う予定だ。


「…ん~あんまり手ごたえがないから…仕方ない…」


 だが、それではみゅうの体に傷一つつけられていない気がしたので今村は仕方ないと「絶刀絶牙」をしまうと右手を振り、「呪刀」を出した。


「ドライアド~?いける?」

「無理です!無理に決まってます!色々なくなってますけどご主人様昔の100分の1以上ありますよね!?」

「あ、流石にそれ位はあるつもり。」


 悲鳴を上げるドライアドに今村は仕方がないとばかりに「呪刀」をしまった。それで戦闘終了とみたドライアドが結界を解いて、今村のグループの子供たちの顔が引き攣る。


 何となくだが今村の規格外さが見えたのだ。ミーシャが青褪めながら今村に恐る恐る尋ねる。


「あの…【護国龍】様が…あれ…」

「ん?あぁ…『αモード』解除。」


 今村は術を解いてなかったのを思い出したが、先に「αモード」を解いた。


「そ…そんなことしてる場合じゃ…」

「みゅうお終い。」

「え~…ここからなのにぃ~」


 ミーシャが今村の方を非難して声を掛けた方を見ると術が何事もなかったかのように消えていた。


「え…?」

「ん?どしたの?」


 服に焦げ目一つついていないみゅうにミーシャはもう駄目だ。と諦めた 今村がみゅうにこの結界で戦っても影響が出ないようにするとお互いに傷一つつかないと話した。


「もうやだ…このとんでも家族」


 ミーシャの呟きの後ろでは今村が今使った技の解説や、子供たちの疑問、要望などに対処していた。


「あの!こ…恋について教えてほしいんですが!」

「おぉ!勿論良いぞ!恋愛を脳科学で言うとな。食欲と同じ分野が働いていて…つまり食欲が強い程愛情が強いという事になるが…俺等みたいな人外は…」



 因みに先程の戦いによって一部の少女たちに春が訪れた。将来に希望を持てなかった彼女たちの面倒を見てくれるよく分からなかった人が実は良い人で、その上本当は絶世の美男子と判明したからだ。


 …が相手はこのような供述を行っており、全くもって役に立たないことがわかったようだ。しかし彼女たちはこの後も諦めることが無いようで密かに活動を始めたらしい。


 その後、彼女たちを連れて行った幼女が何か結成していたようだがそれを知る者は結構いるが本人だけは気付いていないという。




 ここまでありがとうございます!


 なんだかんだ説明してますが、今村は魔法ばかり使ってます。世界ごと小規模で変えた方が楽とのことです。ですから普通に意識せずに喋れば大体いつも使っている魔法って言ってしまいます。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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