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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第六章~異世界その2~
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3.ステータス

「…しけた面してんなぁ。お…懐かしい『レージングル』と『ドローミ』じゃん。我が下に帰れ。」


 今村は仮面の裏の表情を何となく読み取ったようだ。そして両手両足に嵌められた鎖を回収する。すると囚われの人はその場に崩れ落ちる。


「『魔眼』…あ~こりゃあいつじゃ解けんなわなぁ~『マジッククラック』」


 次いで今村は封印も解除した。そこで少女のものではないしわがれた声が聞こえる。


「貴様ら…災厄の忌み子を起こそうというごべっ!」

「あ、五月蠅い。」


 問答無用に声の主を対象にした呪いをかける。そして仮面をまじまじ見て嘆息した。


「はぁ~…『ペルソナシリーズ』の使い方が違う…これは今一だな。『ドレインキューブ』」


 今村は仮面も回収。そして傷まみれになった汚れた顔が現れる。その頭上には黒い猫耳が屹立していた。


「ふむ。この傷は呪いだなぁ…『ドレインキューブ』。しっかし俺の空間使うってことは俺の物が転がってるってことも考えてないと駄目だろ…」


 呪いは強力な力だ。そのため、呪具にも強力な力が宿る。それは術者が死んでも残るものが多いのだ。そのため今村の呪具が死後放置されて生まれた人によって使われるという悲劇になったのだ。


「まぁ俺の呪具使おうとか思ったら並の奴じゃ起動させてその後死ぬだろうが…『水呪空印』:洗滌せんじょう

「…貴様たち…いっ!」

「口の利き方がなってない。」


 少女が若干低めの声で口を開いたが今村が拳骨を落として黙らせた。


「…あなた方は…」

「化物Aと愉快な仲間たち。さぁ逃げようか!」


 少女はエメラルド色の目を見開いて二の句を次げずにいた。今村は資料にあった説明を軽く行う。


「逃げたくないなら処刑人が明日くらいに来るからそこで待ってると良い。それと、俺と一緒は反吐が出るってんなら一人で頑張れ。因みにここの魔獣どもは危険指数最低レベル200。頑張ってね。」

「に…200!?」


 ようやく少女は言葉が出せるようになったようだ。


「つまりここは『最果ての地』ということか!?」

「知らん。」


 今村は切って捨てた。地名は覚えるだけ無駄だと思っているので覚えてないのだ。それに、今村にとってはこの世界にいる魔獣どもは弱くはない位にしか思えない。


「ん~?さっきの焼き鳥『キャナールアンフェール』だったし間違いないと思うよ~」


 そこでみゅうが教えてくれた。その固有名詞に目の前の少女が騒ぐ。


「『キャナールアンフェール』!?一羽で町を滅ぼすと言われる災鳥!?ありえない…大体あれの肉は猛毒で…」

「あ、俺の毒より弱いし。」

「みゅうの体の方が丈夫だし!」


 少女は訳が分からず頭を抱えた。それに毒から少しだけ回復して行動が可能になった祓が優しく手を添えて生暖かい目を向ける。


「…諦めろ…と?」


 少女の言葉に祓はコックリ頷いてばったりいった。それを今村が捕まえる。


「…あ、こいつここじゃ言葉が通じない。ん~札でいいか。」


 心配することなく今村はそのことを思い出してうなじに小さな札を貼って少女の方を見た。

 初めて会った時(数分前)とは打って変わった美少女姿になっている彼女。淡雪のような白い柔肌に神秘的なまでに純粋な黒いストレートの髪。それの上にあるのはピンク色に黒い毛が密集した猫耳。そして既存の美の神が嫉妬しそうなほどの美貌を誇る整った顔に薄いがすらりと均衡のとれた体。


 だが、今村が注目したのはそこではない。


(なんつー保有魔力に…筋力も凄いなこりゃ…)


 純粋な力のレベルだ。今村の見立てでは第2世界でも屈指の実力を持つであろう力を秘めている。それは自身の元パーティーに匹敵する力だ。


「あー…育てたくなるな確かに…」


 脳裏では前世で自身を裏切って壊れた元一番弟子のことを思い出す。


(まぁいい加減時間も経ったし、うじうじしてる暇はないな。ちゃっちゃと前に進もう。月美少し起きろ。)


 そして割り切った。次いで修行等で命を落とす羽目になった人物の許可を取りに行く。


 ―――はい。状況は把握しました。勿論私はマスターのご意向に従います。―――


(了解)


 これで準備は整った。そして少女を見据える。


「さて、お前には選ぶ権利がある。このまま死ぬか。何らかの奇跡が起きるのを待つか、俺に付いて来て力を得るか。三択だ。今後の人生を決める選択だからじっくり考えな。」

「終わり~?」

「ん?まぁそうだな。」

「みゅうちょっと呼ばれてるから行ってくるね~すぐ帰ってくりゅっ!」


 言い終わる前から人化を解いて龍の姿になるみゅう。おかげで後半妙な感じにしか聞こえなかった。…だが、そんなことはどうでもよかったらしく、少女はみゅうを見て絶句している。


「そ…その姿は間違いなく…王国の【護国龍】…」

「辞めてくるね!」


 みゅうは元気よくそう言って消えた。


「…ふむ。流石『時空龍』だなぁ…さて、悩み終わった?」

「え…あ、その…あなた方は一体…」

「さっきも言ったろ?化物Aと知り合い集団って。で?どうするの?何かもうどうでもよくなって来た…」


 今村は別に助けて呪いを解けばあとは自由なので面倒を見る必要はなく、興味を持ったからやってみようかな。と思っていたが、面倒になってきたので少し遊んで別の所に行こうかなと思い始めていた。


「…あなたに付いて行けば、強くなれますか?」

「まぁ…軽く神殺し出来るくらいには…」


 特に気負いのないその台詞に少女は最早苦笑しかしなかった。


「十分です。…それではこれからお願いします。私の名前は…」

「あ、俺が別に名前付けていい?」


 少女の名乗りを邪魔して今村がそう聞く。少女は訝しげな顔をするが理由を尋ねる。すると今村は軽く応じた。


「加護を付けるには名前をあげるのが一番手っ取り早いから。」

「か…加護?あなたは一体…神だとでも仰るんですか?」

「…う~ん…知らん。」

「あ…あの!ステータスがあるはずですよね!不躾で悪いですし、よろしければでいいんですけど…」


 少女は食いついて今村に質問を重ねるが、今村はステータスなど使ったこともないのでどうすればいいのか分からない。…が、少女が出し方を教えてくれた。


 要するにステータスと言えば出るらしい。後、一般的な大人が能力値全て5ということで今村は試しにやってみた。


「ステータス。」


 少女が期待と不安に身を包まれて待っているとスクリーンが出た。




 Name:今村 仁


 Spe:神を超越した何か


 Age:自由


 Job:仁様


 Str:思い浮かぶ一番大きい数を自乗すればいいと思うよ。


 Vit:ミジンコに虎の強さが分かると思う?


 Agi:数字化ねぇ…自我崩壊するくらい数字が並ぶからねぇ…


 Int:≪前略≫≪中略≫≪後略≫


 Min:見るだけ無駄だって。


 Luc:大体基準値に人を5とかするから入らないんだ…


 Dex:兎に角すごいってことが分かった?


 Notes:ライフポイントとかマジックポイントとかスキル一覧とかもう面倒になったから入れません。


 Titles:【魔神大帝】、【冥魔邪神】、【無形の化物】、【破壊の申し子】、【神大虐殺】、【万能神】←この辺僕のお気に入り後は≪後略≫


 P.S:怒らないでね。でも事実なんだ…




 これを見終わった時の今村の表情は帰って清々しかった。それに対して少女の方は絶句したまましばらく動けなかった。


「ちょっと待っててね?」


 今村の優しい声にも少女は体を震わせる。


「『ワープホール』…」


 今村はこのシステムの元凶を叩きに行った。




 ここまでありがとうございました!


 それと一応ステータスの見方です。


 Name…そのまま名前です


 Spe…Species,種です。


 Age…そのまま年齢です。


 Job…そのまま職業です。


 Str…Strength,強さです。攻撃力等の筋力関係に関わります。


 Vit…Vitality,生命力です。防御力等の死への抵抗力に関わります。


 Agi…Agility,機動性です。素早さ等の足の速さに関わります。


 Int…Intelligence,知性です。魔法の威力に関わります。


 Min…Mind,精神力です。魔法の制御に関わります。


 Luc…Luck,幸運です。そのままです。


 Dex…Dexterity,器用さです。そのままです。


 Notes…そのまま備考の意味です。


 Titeles…そのままで、称号の意味です。


 P.S…Postscriptで、そのまま追伸という意味です。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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