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裏と表の仮面。

作者: 江角 稚

この想いは、ガラスの仮面のように砕け散った。




そうだ。

裏表のある仮面を付けて、貴方に会いに行こう。

大好きです

大好きでした

一目見た時から

恋に落ちて

そしてその瞬間

貴方への想いは憧れに変わった


貴方は私の気持ちに

気付いていたんでしょう?

私の気持ちを

知っていたからこそ

貴方は私に背を向けた


どうして、私を

置いて行くの?


殺したい

殺してやりたい

八つ裂きにして

後悔させてやる

私を裏切ったことを…


そうは思っても

なお貴方のことは愛しい

だから私は

刃を振り下ろせずにいるのね


殺したいけど愛したい

表と裏の顔を持ち

(あま)邪鬼(じゃく)な行為に出る

愛してるのに報われない

一体この切なさは

何処へ持って行けば良い?


淋しさを持ち寄った私を

冷たく突き放してくれた貴方へ

今すぐ死んで下さい

そしてあの世で結ばれましょ?

今の私なら、貴方を殺せるはず


哀しい哀しい仮面を被り

振り下ろした刃物は

意味もない場所へ空を切る

ごめんなさい、やっぱり私には無理でした。


大好きです

大好きでした

一目見た時から

恋に落ちて

そしてその瞬間

貴方への想いは憧れに変わった


この想いを叶えたいと嘆き

この想いが叶わないと嘆き

私は仮面を被って

泣き笑いするのを

必死で隠した

裏と表の仮面。


哀しいから、虚しいから

どうか仮面を叩き割って

苦しいから、切ないから

どうか私1人を殺して

淋しいから、やるせないから

どうか私を愛して


叶わないのなら、一緒に死にましょ?


仮面を被れば

殺人だって怖くないはず

そんな嘘を付いたのは誰?

私は貴方を殺せなかった

貴方は私を

眉の根1つ動かさずに

平気な顔して殺せるくせに


そう、貴方も被っていたのね

知らないフリして限界迎えた

だから貴方は私を殺した

貴方が被っていたのは

私と同じはずの

儚く脆い裏表の仮面


それでも貴方は

私を殺せた

貴方が持つのは本物の

裏と表の仮面。


さくっと斬り込みを入れられて。




私と言う名の花は、一瞬で散った。

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