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妖怪事情シリーズ

最近の山姥事情

作者: 束間由一


 

 昨日、近所の川辺で山姥やまんばと出会った。

 

 この老婆は、河原の石の上にイカを並べて乾燥させていた。

 話しかけると、意外にも会話に応じてくれた。


 ここで作ったするめは、一部の妖怪に売るらしい。「山姥するめ」という名前で、商標登録を出願中だそうだ。これが結構良い収入になるらしい。


 最近は、山姥達は人を食べなくなったらしい。

 なぜなら、最近の人間の食べ物があまりにも美味しすぎるからだ。街で、普通の老婆のふりをして結構買いまくっているらしい。特にスイーツが最高で、商店街のケーキ屋のミルクレープが大好物らしい。そのせいだろうか、山姥の体は随分ふっくらしていた。


 そして、街に行く事が多くなったため、服装もただのボロボロの着物と言うものではなく、チーターの顔が書かれた服と、豹柄のズボンを履いていた。婦人服店で購入したらしい。


 他にも聞きたい事はあったが、山姥はこの辺にしておいてほしいと言った。

 どうも、家に帰ってするめ作りの最終工程にとりかからねばならないらしい。


 「人間の味なんて、もう忘れてしまったわい」

 その言葉を最後に聞き、僕はその場を後にしたのだった。





 


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― 新着の感想 ―
[一言] 大阪にいるヒョウ柄婆さんに恨みでもあるのでしょうかw ともあれ笑わせて頂きました。
[良い点] もはや、人間そのものですね(笑) これは「最近の妖怪事情」として青坊主や小豆婆、天邪鬼やぬらりひょんなども取り上げると面白そうですね(笑)
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