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人間嫌いの転生貴族 ~散々恋破れたので美少女に言い寄られてもなびきません~  作者: 藍色黄色


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第25話

「ラピア、ごめんって」


 生徒が早速グレた。


 授業中にもかかわらずラピアがベッドの上で体育座りをしている。


 原因は俺が持参した水晶だ。


 手をかざした人に適性のある属性を示す代物。ラピアが嬉々として手をかざした時は青色を映した。


 つまり水属性の適性。ラピアに花火を打ち上げることはできない。


「そろそろ機嫌直してよ。水属性の魔法にだってきれいなものは作れるよ」


 そっぽを向いていたラピアが横目を向ける。


「きれいな魔法って?」


 食いついた!


 とっさに思考をめぐらせて魔法を考える。


「それは、その、あれだ」

「あれって?」

「あれは……あれだよ」

「意味分かんない」


 視線が痛い。


 時間が、時間が足りない!


 もう少しで何が出てきそうなんだけどなぁ。


「カムルはいいですよね。四つの属性全部に適性があるんですから」

「まあね。運がよかったよ」


 強制的に転生させられた結果だけど、運がよかったのは間違いない。


 あのじいさんが意地悪なら、全属性に適性がない状態で転生させられたかもしれないし。


「勇者だけなんですよね? 他に四つの属性に適性がある人って」

「ああ、そういえばリッチがそんなこと言ってたな」


 あれは聖弾ホーリーバレットを撃った時だ。すごく痛そうに驚愕の声を上げていた。

 

 あの物言いを聞く限りじゃ光属性以外ならどうにでもなったのだろう。


 悔しいでしょうねぇ。


「リッチ?」


 ラピアがきょとんとして振り向いた。


「知らない? 魔物だよ。骸骨が魔力で動いてる感じの」

「うそ⁉ リッチってあのリッチ⁉」


 どのリッチだろう。


「何でそんなに驚いてるの?」

「だってリッチって言ったらすごく強い魔物ですよ⁉」


 ラピアいわくリッチは他の魔物と違うらしい。


 生前強かった魔法師が強い念を抱いて没し、その念と魔力が亡き骸と融合してリッチが生まれるそうだ。


 その特性上リッチになれるのは魔法に長けている者のみ。


 死と時間の制約から逃れて魔法の研究にいそしみ、それを使うことを至福とする。原動力が負の感情だけあって人類に多大な被害をもたらすことで知られる。


 不意打ちでほふったから実感はわかないけど、俺はとんでもない相手を消し飛ばしていたらしい。


「リッチと戦ってどうでした? すごく強かったですか?」

「うーん、不意を突いて二発撃っただけだからなぁ。光属性の魔法をぶつけたら絶叫して消えちゃったんだ」


 あ、ひらめいた。


 やっぱりきれいって言ったら爆発だよな。

 


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