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三題噺もどき

雨上がり

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごじゅうきゅう。

 お題:水・猫・日向




 陽の光を浴びて、キラキラと光る世界。

 ―雨上がりのそんな世界が、僕は、好きだ。


 すん―と鼻を動かすと、雨独特のいいにおいがする。

 結構この匂い好きなんだけど、あんまり理解されないんだよな…。

 だからと言って何かということもないんだが。

「さてと…」

 ラフな格好に着替えを済ませ、玄関に向かいスニーカーを履く。

 雨が降った次の日は、決まって朝早くに散歩に出かける。

 たまに曇っていることもあるが、それもそれで楽しい。

 が、晴れた日が1番。

「……」

 今日はその、晴れたいい日。

 太陽の光が、雨粒に、水溜りに、キラキラと反射して眩しい。

 ―そんな世界が広がっている。

「んんー」

 深呼吸―。

 朝の空気を肺一杯に吸い込む。

 雨の残り香と朝特有のすっきりとした香りが体の中を通り過ぎていく。

「……」

 雨上がりゆえか、僕が歩く時間帯には、ほとんど人影はない。

 普段は犬の散歩やらランニングやらでもう少し人が居るのだが。

 だからこそ、この美しい世界を独り占めしているような、そんな気分になる。

 ほんの少しの、優越感。

 ゆっくりと歩き、日向で欠伸をしていた猫と戯れたり。

 草花に乗っている雨粒を弾いてみたり。

 所々にある水溜りを避けたり、はたまたその水をけってみたり。

 その度に、キラキラ、ピカピカと、世界に光が溢れていくのだ。

  「……ぁ……!」

 ふと、空を見上げると、広がる青空にきれいな虹がかかっていた。


 雨が降って、綺麗さっぱり洗われた世界で、また新しい日々が始まっていく。


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