04 ガールズトークに花を咲かせる
その日も、ティーゼリラの部屋で義理の姉妹でのガールズトークに花を咲かせていた。
この時の話題は、ソフィエラの夫、つまり王太子であるカウレス・エレメントゥム・アメジシストへ贈るプレゼントの内容についてというものだった。
「はぁ。どうしましょう。カウレス様に何か欲しい物がないか聞いても笑って抱きしめられてしまうだけでどうしたらいいのか……」
「まぁ。カウレスお義兄様ったら。ふふふ。相変わらずのようですね。そうですね……、身に着けられるものなんてどうですか?」
「身に着けられる……、カフスボタンとかですかね?」
「いいですね。そうだわ。ソフィエラお義姉様の瞳の色のアメジストを使うのはいかがでしょう? ティーゼリラちゃんもいいと思いませんか?」
二人の話についていけずただお茶を飲んでいたティーゼリラは、突然話を振られて咽てしまう。
それに驚いたソフィエラとレインは、慌ててティーゼリラの背をさすった。
「ティーゼリラちゃん大丈夫?」
「ごめんね。大丈夫?」
二人の話をぼうっと聞いていたことを責めるどころか、咽たことを心から心配してくれる二人に申し訳なくなったティーゼリラは、涙目で謝っていた。
「ケホケホ。ごめんなさい。わたし、二人の話に付いていけなくて、ぼうっとしてたのに……」
素直にそういうと、ソフィエラとレインはお互いに顔を見合わせて微笑んでくれたのだ。
「ふふふ。ティーゼリラちゃんは本当に可愛いですね。わたしの義妹は最高ですね」
「はい。ソフィエラお義姉様。ティーゼリラちゃんは、世界一可愛いですね」
そう言って、二人にサンドイッチされてしまったのだ。
二人の柔らかい胸にぎゅむっとサンドされた瞬間、何故か背筋に寒気がして首を傾げたがその理由がわかる前に、部屋をノックする音がして、ティーゼリラは控えていた侍女に確かめるように視線で指示を出していた。
少しすると、侍女が青龍騎士団の制服を身に纏ったイクストバルを連れて現れたのだ。
そして、三人の仲睦まじいサンドイッチ状態に柔らかい微笑みを浮かべて言ったのだ。
「うふふ。仲良きことはいいことよね。おバカな男たちは、あたしが後で叱っておくわね」
イクストバルの言葉の意味を理解できなかったティーゼリラとソフィエラは、可愛らしく首を傾げていたが、レインだけは違った。
イクストバルのいう状況をなんとなく察して、苦笑いを浮かべたのだ。
「イクストバルさん、お手柔らかにお願いします。そうでないと、後々大変な思いをするのは、私とソフィエラお義姉様なので……」
その言葉を聞いたイクストバルは、パチンと可愛らしくウインクをして了承の意味示したのだ。
レインとイクストバルには、嫉妬深いスイーティオとカウレスが、妹であるティーゼリラに向けて嫉妬の炎を燃やしている姿が目に浮かんでいた。
「うんうん。わかってるわ。ちょぉーっと小言を言うだけよ。ふふふ。愛されるって本当に大変よね」
「うぅぅ。それでも、ティオ様を好きなんですもの……。どうしようもないわ」
「はいはい。ご馳走様。って、本題を忘れるところだったわ」
そう言って、イクストバルは、未だに話に付いていけずにいるティーゼリラに向かって、柔らかい微笑みをもって思いもかけないことを言ったのだ。
「ティーゼリラ姫、ディーが戻ってくるわ」