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03 姫とお義姉様たち

 その後、おろおろとティーゼリラを心配する父親に「いつかわたしが必要になったら使っていいから今はそっとしておいて欲しい」と言って、部屋で一日を過ごすようになったのだ。

 父王は、大切なティーゼリラを政治利用する気など毛頭なかったが、今はそっとしておくことしかできないと考えて、黙ってティーゼリラの引き籠りを許したのだった。

 

 ただ、第一王子で王太子の妻となったソフィエラ・エレメントゥム・アメジシストは違った。

 義理の妹であるティーゼリラを心から心配するだけではなく、公務の間を縫って度々その部屋を訪ねていたのだ。

 もともと、ソフィエラを慕っていたティーゼリラは、ソフィエラの訪問を喜び、それまで固く閉ざしていた部屋に迎え入れるほどだった。

 そのころのティーゼリラは、引き籠る前とは違って身だしなみに気を遣うことがなくなっていたのだった。

 面倒くさいと言って、湯あみも数日に一度で、常に寝間着姿でいたのだ。

 さらには、靴を履くのも億劫だと言って、裸足で部屋を歩き回る始末だ。

 ティーゼリラ的には、部屋を自分である程度は掃除していたが、それでも完ぺきとは言えなかった。

 しかし、ソフィエラが部屋に訪ねてくるようになってからは、たまにメイドに頼んで部屋の掃除をしてもらう様になっていた。

 

 ソフィエラは、銀の髪を絡ませた姿のティーゼリラにただ笑顔を向けるだけで、無理に部屋から連れ出そうとはしなかった。

 ただ、優しく髪を整えたり、時には一緒に湯船につかってガールズトークを楽しむだけだった。

 そんな、関係をティーゼリラは気に入っており、ますますソフィエラを好きになっていったのだ。


 ただし、ソフィエラを溺愛しすぎる王太子も妹であるティーゼリラに嫉妬……はしても、何とか耐えて、少しの時間だけではあったが、ソフィエラと過ごす時間を許していた。

 そんな周囲の優しさに甘えながらも、いまだに失恋したと思い込んでいるティーゼリラが完全に立ち直ることはできないでいた。

 その理由は、ディーディラインから留学後手紙が一通も届いていないことが原因だった。

 かといって、自分から手紙を書くこともできずうじうじとすることしかできなかったからという理由だ。

 

 そうこうしているにスイーティオが愛する人を求めてとんでもない事件を起こしたが、引き籠りのティーゼリラには関係なかった。

 そう思っていたが、スイーティオの思い人は、見た目だけではなく心の美しい美少女だったのだ。

 その少女は、レイン・イグニシスと言った。

 数年異世界で過ごした少女は、塞いでいたティーゼリラに新しい世界の話をしてくれたのだ。

 

 それから、ティーゼリラは、大好きなソフィエラとレインと過ごすことが多くなり、少しではあるが部屋の外に出られるようになっていったのだ。

 それでも、自室の周辺のみと限られた範囲ではあったが。

 


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