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二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!  作者: 南野 雪花
新1章

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第17話 胃袋を掴め!


 ランブル商会の旗を掲げた馬車が何十両も連なって、フォリスタに入ってくる。

 一触即発だった広場は、しばらくぶりに見る隊商に唖然とした。


 あ、集団暴力事件そのものは、あっという間に収まったよ。

 殴られてる方と殴ってる方を一人ずつ、俺とアスカで吹っ飛ばしたんだ。

 で「いくら出す?」って、群衆に問いかけた。


 旅の傭兵だから、多くの金を積んだ方の味方をしてやる、積めなかった方は皆殺しにしてやるからってね。

 まあこれで一気に沈静すするよね。


 住民たちって兵士でもなんでもないからさ、死ぬだの殺すだのってのに慣れてない。圧倒的な暴力を目にすると、激昂するより前に萎縮しちゃうんだ。


 俺たちの服装も小綺麗なものじゃなく、いかにも食い詰め者みたいな薄汚れた外套だから、効果は倍増だ。

 こいつらは眉一つ動かさずに人を殺すだろうって思われる。


 事実として殺すしね。

 俺たちは殺人鬼じゃないから快楽のために人を殺したりしないけど、何回も従軍経験がある。必要があればためらわず殺す。


「おびえたような、蔑んだような目。懐かしいですね、母さん」


 俺にだけやっと聞こえる声でミリアリアがいったものだ。


『希望』が英雄と祭り上がられるより前は、たかが冒険者風情って思われていたんだよね。

 だから悪徳商人どもが女性冒険者に乱暴するなんて事件も起きた。


 まあ、そんな感じで広場の空気が帯電したところで、商会の馬車が入ってくる。


「我らはランブル商会、この地で商売を始めようと思う」


 まさに、時の氏神というべき登場だった。





 領主と話がしたいから渡りをつけて欲しいと商会の代表者であるランブルが宣言するも、返ってきたのはそんなものはいないという回答だった。


「なんと! ならば商業税を納めなくて良いということか! そのぶんやすく提供できるぞ! 街の衆!!」


 朗々たる宣言に、わっと民衆が沸く。


 それ横目に、俺たちはすすすっとフェードアウトした。

 ここからはランブルの仕事である。


 領主がいないことも、商業税を納める必要がないことも、最初から計画のうち。


 フォリスタが自分の足で立てるようになるまで、最低でも十年間はインゴルスタもスペンシルも歳貢(みつぎもの)を要求しない。


 女王ピリムなどは、べつに永遠に徴収しなくても良いなどと言っていたが、それだと逆にいつまでも自立できない。

 期限があった方が人間って本気になるからね。


「アスカ。やりすぎですわよ」


 本拠地に戻る前に至高神教会に顔を出したら、いきなりメイシャに叱られた。


「ごめーん! まさかここまで弱いと思ってなくて!」


 ぱんと手を合わせるアスカ。


 彼女が吹き飛ばしたのは、支援を人気取りだと批判し、支援の打ち切りを非人道的だと非難していた中年女性だ。


 さすがに俺が女を殴り飛ばすのは体裁が悪かったから、そちらはアスカが担当したのである。


「顔殴るのは可哀想かなーと思って! おなかにパンチしたんだけど、まさかあんなに飛んでいくと思わなかった!」

「あばらが四本砕けて、胃の腑が裂けていましたわ。少しは手加減なさいな」

「手加減したもん!」


 なんてこった。

 アスカの手加減パンチは、一般人相手だと致命傷レベルだった。


 撫でるくらいにしておけって指示にしないとダメかな。これからは。


「で、その女性はどうなったんだ?」

「回復魔法で全快しましたわ。そのあと、泣きながら帰って行きました」


 ふむ。

 それなら良いか。


 圧倒的な暴力に対する恐怖が残っている間は、ランブル商会の邪魔はしないだろう。

 反体制(リベラル)主義者って、国だけ出なくて金持ちも嫌いだからさ。ランブル商会が力をつけていく過程で、またぞろ邪魔をしてくる可能性はあるんだ。


「ちなみにライオネルどの。どのような手段でフォリスタを立ち直らせるおつもりですかな?」


 老司祭のサイリウスさまが訊ねてきた。


「具体的な方策はランブル商会に一任しています。俺がしたのはアドバイスだけですね」

「ほう?」


「なにか産業を育てるのが良いんじゃないか、と」

「そのこころは?」

「交易都市って、じつは弱いんですよね」


 腕を組み、自説を開陳する。


 ガラングランもそう、フォリスタもそう、一国の首都であるがゆえに各地の富が集散した。しかし国の崩壊とともに役割を失って衰退していく。

 このとき、とうしても旅人が訪れたくなる理由があれば、規模を縮小しても生き残る目が出てくるだろう。


「絆のからあげですわね。ネルママ」


 思いついた、という感じのメイシャの言葉に頷く。


 インゴルスタに向かう途中で立ち寄ったサーシャン。ガラングランの崩壊後、かなり厳しい状況になったが、タマネギと鶏肉の生産でなんとか危機を乗り切った。

 これが産業の力だ。


 そして、『絆のからあげ』という新たな名物を得て、さらに羽ばたこうとしている。

 あれを食べるために訪れる人が多くいるだろう。

 もちろん食べるだけでは終わらない。周辺の街でも金を使う。

すなわち、経済圏が生まれるということ。


「フォリスタもそうなれば良い、ということですな」

「まあ、インゴルスタとスペンシルの物資を、右から左に流すだけというのも芸がないですからね」

 


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