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二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!  作者: 南野 雪花
特別編

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戦国オカン 5

挿絵(By みてみん)

コミックス第4巻、6月5日発売です!


「このへんで仕掛けてくるんじゃないかな?」


 急造の軍略図を見つめながら、俺は一点を指した。

 地名は桶狭間とある。


「どうしてそう思う? ライオネル」

「地形ですよ。ヨシモト卿」


 道が狭くなっている。片側は崖で行動の自由が阻害されている。起伏も激しくて、軍列が長く伸びすぎてしまう。

 その一方で、崖とかも越えるのは至難だけど不可能じゃない。


 一発逆転を狙うなら、じつに良いポイントだ。


「図面を見ただけでそこまで判るか」

「正確な地図があればこそですよ」


 進軍に先だって、ありとあらゆる情報を集めたのだ。

 中心となったのはメグで、今川家のシノビたちが協力してくれた。


 義元も元信もシノビを軽視していたけど、じつは情報ってものすごく大事なんだよ。

 ときにそれは命よりも重くてね。

 だからこそ命がけで奪い合われるんだ。


「ガイリアというのは軍略において、二歩も三歩も先に進んでいるのだと実感したよ」


 とは元信の慨嘆で、まだ若い彼はぐんぐんと吸収している。

 どこまで伸びるか、ちょっと怖ろしいものがあるよね。


「して、ライオネルよ。そこまで判っていて桶狭間に陣を張るというのか?」

「そうですそうです。しかも堂々と本陣に旗を立てて」


 にやっと笑ってみせた。





 雨が降りしきる夜半、ついに織田軍が現れる。

 夜陰に紛れ、急な崖を駆け上がってきたその数は二千ってところかな。

 かき集められる限りかき集めたってところだろう。


「ミリアリア」

「はい母さん。ライト! ライト! ライト!!」


 俺の指示に応じて、ミリアリアが何発も照明魔法を打ち上げる。


 暗いと同士討ちしちゃうからね。

 そしてそれ以上に、織田軍には驚いてもらわないと。せっかくだから。


 昼間のようにとは言わないけれど、そこそこ明るくなった桶狭間で織田軍が見たものは、整然と凹形陣を組んで待ち構えている今川軍だった。


「ばかな……」


 呟きまで聞こえてくる。

 そりゃもう、こっちは苦心して偽情報を流しまくってるからねー。


 出陣前に義元が落馬して腰を痛めたから輿に乗って移動してるとか。戦勝の宴でみんな酔ってるとか。近隣の宿場からお酒とかかなり買い上げたとか。

 真実味を持たせるために、実際お酒はかなり買った。


 すべては準備万端整えて待ち構えてるってのを隠すため。


「おのれぇぇぇっ! たばかったなぁぁぁっ!!」


 叫んでるのが尾張のダイミョウ織田信長かな? 俺よりちょっと年上くらいで白皙の美形だ。

 乗騎に鞭をくれ信長がこちらに突っ込んでくる。


 あらら、逃げないんだね。

 策が破れたんだから、すぐに逃げればいいのに。


「サリエリ。たのむ」

「ぁぅい~ スネアにゃん~~」


 のへーっと謎の返事をして魔法を使うサリエリ。

 何騎かは大地の精霊に足首を掴まれ、乗っているサムライごと転倒した。

 けど、巧みな手綱さばきで回避しているものも多い。


「でもぉ、じつはスネアにゃんは誘導するのが仕事だったりぃ」


 のへのへとサリエリが笑う。

 次々に現れる大地の手を避けた織田軍は、かならずある場所を通ることになってしまう。


「すなわち、十字射撃地点クロスファイアポイントだな。ユウギリ、頼んだ」

「はい。各々方、斉射三連でお願いいたします」


 ユウギリが腕を振り下ろすと、どんどんどんと軍太鼓がリズミカルに鳴り響く。そのリズムに乗って凹形陣の両翼から矢が飛ぶ。

 織田軍が密集するポイントをめがけて。


 勢いに乗って攻めかかろうとしてしていた騎兵の足は完全に止まった。


「やはり十字射撃は強いな、ネル。ずっと考えてるんだが破る方法が思いつかぬ」

「じつは俺もまだ考案できてないんだよ。モトノブ」


 いつの間にか愛称で呼ぶようになった元信に笑みを返す。


 防御にしか使えない戦法なんだけど、これくらい強固なものってそうそう滅多にない。

 自分で考えておいてなんだけど、俺もまだ攻略法を作れていないんだ。


 ただ、それでも何騎かは突破してくる。

 執念だなぁ。


 奇襲は見破られ、さんざんに打ちのめされながら、まだ逃げない。

 起死回生とか、乾坤一擲とか、とにかくこの一戦に賭けてるんだろう。


「アスカ。出番だぞ」

「まーかせて!」


 勇躍して戦場に飛び込んでいくアスカ、続くのはとくに白兵戦に優れた七十六名だ。

 四万規模の今川軍の中から、アスカと肩を並べて戦える連中を選抜したのである。


 元ネタはカゲトゥラの黒備え隊(カラコール)ね。

 ものすごい精鋭部隊をどっかんとぶつけることで、一気に勝敗を決してしまおうってやり方だ。


「闘神アスカに続けぇぇぇっ!!」


 あのでかい声は武田信虎かな?

 なんでも甲斐の元ダイミョウで息子に追放されてしまったんだそうだ。骨肉の争いってやつだね。


 で、今川に身を寄せてるんだけど、ご老体のくせに強い強い。

 あのアスカをして「油断したら負けちゃうかも」って言わせるくらいだからね。


 ほかにも、松井宗信とか菅沼定村とか由比正純とか、かなりの使い手たちがいる部隊なんだ。

 十字射撃をくぐり抜けて、ぼろぼろになってる織田軍じゃあ対抗のしようがないよね。


 小半刻(約十五分)ほどの戦闘でほとんど壊滅状態になる。

 同じくらいのタイミングで、「織田信長公、討ち取ったりーっ!」って声も聞こえた。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] この世界がトゥラちゃんの戦国世界とは別次元の世界ならこの世界ではマジもんの「長尾景虎殿」が越後の支配者の可能性も無きにしに非ずかもね。もしかしたらネルママたちのことを全く知らない第三のトゥラ…
[良い点] 密かに信長vsアスカ期待してたのですが、それ以前で終わっちゃいましたね。   尾張だけに(ぇ
[一言] 歴史が……変わった!!(゜ロ゜ノ)ノ
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