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二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!  作者: 南野 雪花
特別編

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戦国オカン 4

挿絵(By みてみん)

コミックス第4巻、6月5日発売です!


 一万もの大軍勢ってことになると、基本的に街道に沿って進むしかない。

 この場合は東海道っていう街道だそうだ。


 で、宿場ごとにしっかりと休息して、京に到着するのは四十日か五十日後くらいかな。

 十日のバッファは、天気が荒れたり戦闘があった場合を想定したものね。


 分進合撃の案もあったんだけど、意味がないので却下。


 全軍で隊列を組み、整然と京に向かう。

 これが正当性のアピールにもなるからね。


「どこまでも正攻法にこだわるのだな。ライオネルどのは」

「裏をかいて勝つのはじつは簡単なんだよ、モトノブどの。けどそれだと、あとからやいのやいの言われることになってしまうんだ」


 義元の姪の夫である松平元信との会話だ。


 ぶっちゃけ、勝つだけなら何通りだって策を用意できる。

 けど上洛ってのは、天下獲りってのは、ただ勝てば良いってもんじゃないんだよね。


「あんなド汚え戦をする人間に天下人の器があるかよ、なんて言われちゃったら、そこが反乱の火種になってしまう」

「どう勝つか、か。相変わらずライオネルどのの目にはどれほど先の景色が見えているのか」


 ことは戦術・戦略をこえて政治の分野だからね。それにしっかり着いてきてるヨシモトやモトノブにこそ感心するよ。


 異世界の軍略をしっかり理解して、かみ砕いて自分のものにしていく。

 この二人の才能はちょっと計り知れないレベルだ。


「ま、さしあたりは大高城を解放しよう。補給線が断たれちゃってるから守備兵がしんどいことになってる」

「とはいえ織田方が築いた砦があるぞ。あれをなんとかしなくては物資すら運び込めない」


「砦を潰すだけなら簡単さ。ど派手な方法と、静かでおっかない方法があるけど、モトノブどのはどっちが好みだ?」

「そりゃあ派手な方が良い。緒戦だしな」


 ちょっとだけ腕を組んで考えてから応えた元信に、ミリアリアが残念そうな顔をした。


 なんか、対消滅爆弾とやらの解読が終わったから使ってみたかったんだってさ。

 これが静かでおっかない方法ね。


 派手な方は、いつも通りさ。






 轟音とともに砦が三分の一くらい吹き飛び、もくもくとキノコ型の雲が巻き起こる。

『希望』の最大火力、フレアチックエクスプロージョンの魔法だ。


 息を呑み、声もなく見守る今川勢と、身ひとつで砦から飛び出し、蜘蛛の子を散らすように逃げていく織田勢。


「……ライオネルが鉄砲を見て「あー便利そうだねー」と気のないことを言っていた理由が判るな」

「下手をすれば、これ一発で戦が終わります」


 義元と元信の会話である。

 味方で良かったなんて褒めてくれてるけど、じつは禁呪なんで直接人間に使うわけにはいかない。

 巻き込まれて死んじゃった人はごめんなさいって感じだ。


 ともあれ、これで鳴海城と大高城の補給路は確保できた。駿河から遠江、三河を経て尾張の端っこまで有機的に結合できるだろう。


「ここまでこっちの損害がゼロなのは僥倖です。モトノブどのから織田のダイミョウは用兵巧者(いくさじょうず)だってきいていたから警戒していたんですけどね」

「いや、戦上手だろう。あそこに砦を作らせたせいでにっちもさっちいかなかったんだから。魔法一発で吹き飛ばしてしまう『希望』が頭おかしいだけだ」


 やれやれと首を振る元信だった。

 ちなみに、吹き飛ばしてはいない。

 フレアチックエクスプロージョンは砦の手前で炸裂しているから、余波で三割くらいが崩れ落ちただけだ。


 戦おうと思えば、まだ戦えたのである。

 けど敵は逃げた。


 今川軍の突出を誘い、縦深陣に引きずり込んで袋叩きにしようって逃げ方ではなく、計算もなにもなくただの逃走、壊走である。


 じつはそれってあり得ない。

 名将の下に弱兵なしっていってね、たとえばカイトス将軍麾下の兵士たちは、こんな無様な壊走をしない。


「なんていうのかな。ノブナガだっけ? そいつはそれなりに軍略にも明るいし、兵の動かし方も心得ているんだと思う。でもそれに兵士がついていけていない感じがするんだよな」


「砦から逃げていく兵をみただけで、ライオネルどのにはそこまで判るのか」

「判るっていうか憶測だけどな」


 元信に正対し、詳細に説明する。

 人間の思考ってすごく複雑だけど、動きそのものはそんなに複雑じゃない。とくに追い詰められたりパニックを起こしたとき、本性ってやつが現れる。


 そりゃあびびるさ。逃げたいさ。

 でも鍛え上げられた兵士は簡単には逃げない。

 その拠点を失ったらどうなるか、ちゃんと考えられるから。


 だからこそ指揮官はきちんと引き際をわきまえて、逃げろって指示を出さないといけないんだ。

 尾張兵にはそれがなかった。


「でかい音と崩れる城壁でパニックを起こして逃げ出した。これだけである程度は質が判るだろ? モトノブどの」

「いやいや、ありゃ逃げるだろ? 普通」


「ああ。普通は逃げる。逃げないなら別の計算用紙が必要だって話さ」

「すべてライオネルどのの手のひらの上か……」


 やめて。

 そんな怪物を見るような目で見ないで。


「これで敵は正攻法を諦めたわけさ。勝ち目がないぞってね。そしたら次はなにをたくらむと思う? モトノブどの」


 こほんと咳払いして話を変える。


「……奇襲か!」


 はい、正解。

 奇襲を選択させるための布石にもなってるんだよ。いまのフレアチックエクスプロージョンは。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 大筒すら実戦投入されてない時代に、フレアチックエクスプロージョンは反則過ぎますねwwww てか、ヒーリングあるだけでも継戦能力高すぎますが。 [気になる点] あれ、この世界ならハーレムでも…
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