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二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!  作者: 南野 雪花
第20章

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第297話 連携攻撃!

挿絵(By みてみん)

コミックス第4巻、6月5日発売です!


 なにもないところから飛んできた投げナイフをアスタロトのソードケインが弾いた。

 甲高い音を立てて地面に突き刺さる。


「隠形して死角に回り込み隙をついての攻撃。じつにそつがない。しかしそれだけだな」


 昼食のメニューを論評でもするような顔で言う。

 可もなく不可もない、と。


「そうスね」


 メグの声が聞こえた。同時に、ぱちんと留め金を外したような音も。


「な!?」


 つぎの瞬間、アスタロトの顔を布が覆う。


 マントだ。

 死角からナイフを投げ、すぐに隠形したのは接近を隠すため。

 そして接近する目的はこれだ。


 マントをアスタロトの頭にかぶせるという、まるで子供の悪戯のようなことをするためである。


「ふざけた真似を!」


 アスタロトがマントをむしり取る。

 数瞬にも満たない目くらましだ。何の意味もない、と普通なら思うだろう。


 しかし、激戦のさなかに数瞬を失うというのは、永遠を失うのに近いものがある。


「ふざけるのは人生最大の楽しみっていうよ。アスタロト」


 ハスターの声はアスタロトの至近から。

 顔に布が張り付いた瞬間に最接近したのだ。


 というより、メグが行動を始めた瞬間からアイコンタクトを取っていたっぽい。

 どすどす、と、触手みたいなトゲみたいなものが、ハスターの両手から伸びて、アスタロトの肩に突き刺さった。


「ナイス目くらまし」

「あんたも良いタイミングっス」


 一方は楽しそうに、もう一方はシニカルに笑って同時に蜻蛉を切る。

 そのまま二転三転としながら距離を取った。


「この程度の小細工で我の……ぐああああああっ!?」

「お話の途中で申し訳ありませんが、ここは神前ですわ。頭を垂れなさいませ、悪魔アスタロト」


 地面から柔らかな光が立ち上がりアスタロトを包む。

 メイシャのホーリーフィールドだ。


 ハスターの攻撃でいきなり致命傷を与えられないのは最初から判っている。だからメグたちの目的はアスタロトの足を止めること。

 もちろん、ホーリーフィールドの効果範囲に留めるために。


「この! 至高神め!」


 ソードケインを振ってアスタロトが光の柱を切り裂く。


 紳士然としていたのに、髪は乱れ口調は乱暴になり、だいぶ粗野な感じになっている。

 こっちが本性?


「八つ裂きリング!」


 そこに高速回転する氷の輪が迫る。

 まともに喰らったら大悪魔といえどもただではすまない。大きく飛びさがりながら、アスタロトがソードケインを振るった。


 ぱりん、と甲高い音を立てて砕け散る八つ裂きリング。

 いや、その仕込み杖の強度も頭おかしいよな。


 アスタロトほどの大悪魔が使う武器だから、並のマジックアイテムではないんだろうけど。


 ハスターからも俺たちからも、それなりの距離をおいた場所に危なげなく着地する。


 その瞬間である。

 まさにそこを狙っていたかのように矢が降り注いだ。


「三十本。同じ場所、同じタイミングで、到達するように射ちました。いかがでしょうか」


 艶然と微笑むユウギリ。

 白皙と紅唇のコントラストが、禍々しいまでに美しい。


 霊弓イチイバルは十本の矢を同時に射ることができる。加えて、曲射も精密射撃もなんでもござれの彼女の技倆だ。

 たった一人で、弓箭兵部隊みたいな真似までできてしまう。


「くらあああああっ!!」


 アスタロトの方はとえば、ユウギリの美貌を観賞する余裕すらなく矢を切り払っている。

 ソードケインを風車のように振り回して。


 矢の雨がようやく止んだとき、アスタロトの身体には十本以上の矢が咲き立っていた。


「ライオネル……! キサマの指示かっ!」


 髪は乱れ、目は血走り、紳士なんて言葉は知らないよって姿になっちゃってる。


「ずいぶんと色男になったじゃないか。アスタロト」


 月光を右手に提げ、俺は笑ってみせる。





「これが希望の実力か。すごいね」


 いつの間にか横に立ったハスターが言った。

 すごく楽しそうだ。


 ちょっとやめてよ。なんそんな親友みたいなポジションに入ってるのよ。あなた悪魔じゃん。

 討伐対象じゃん。


「ネル母さんの知略はこんなものじゃないです」

「ママからお離れあそばせ、邪神ハスター」


 すかさずミリアリアとメイシャが割って入り、しっしっと手を振って追い払った。


 ちょっとあんたたち、悪魔は野良犬とかじゃないんだから。

 あと、まだ戦闘中だからな。


 くすりと笑うハスター。


「あまり妬かせるのも悪いしね。そろそろ仕上げといこうか」

「きさまらぁぁぁぁっ!」


 同時にアスタロトが突きかかってくる。

 目を剥き、牙のように犬歯をぬめらせて。


 小細工抜きで正面からやり合おうって腹づもりだな。最適解ではあるけど。


 そもそも悪魔の戦闘力ってのは人間なんかよりずっとずっと高い。なんでも数字であらわすのは味気なくて好きじゃないんだけど、人間の戦闘力を一とするなら、悪魔のそれは千とか二千とかそんなレベル。


 まともに正面から力で戦ったら勝ち目なんかないのである。


 けど悪魔って基本的には人間を舐めてるからね。

 妙な計略を仕掛けたりとか、搦め手を使うことが多いんだ。


 そこに付け込む余地がある。

 こうやって正面から力押してのが、一番厄介なんだ。


「ゆーて、対応策の十や十五、つねに頭にはいってるけどな」


 さっと俺は手を振った。


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