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479話 いざ知識の海へ

「わぁ……」


 目の前に現れた光景に、思わず声をあげてしまう。


 本、本、本。

 どこを見ても本棚が並んでいて、本の海になっていた。


 僕の二倍……いや、三倍はありそうな巨大な本棚がズラリと並んでいる。

 一部の床と天井も本棚になっていた。


「すごいね、これ……」

「ええ……圧倒されてしまいますね」


 僕とソフィアは驚いて、


「そう? 全部本っていうのはすごいけど、あまり心惹かれないかなー。剣だったら別だけどね」

「あたしは食べ物の方が嬉しいわ」


 レナとリコリスは、ものすごく趣味的な感想を口にした。


「おー! おー! いいね、いいねえええ! これは素晴らしい、本当に素晴らしいところだよ、ふはははははっ!」


 ライラは、テンションが高くなるあまり、ちょっとおかしくなっていた。

 その笑い方、悪の組織の幹部みたいだ。


「これは、闇に葬り去られた歴史書!? こっちは、ほほう、世界地図かい。これほど詳細なものは見たことがないよ。それにこれは……」

「ちょっと」

「うん、なんだい? 今、忙しいんだけど」

「そうじゃなくて。僕達は、知的好奇心を満たすために、ここに来たわけじゃないんだよ」

「そうですよ。マシュマロのことを調べることが一番ですよ」

「……おぉ」


 ライラは、今思い出した、という様子でぽんと手の平を打つ。


 不安しかない。


「いやー、すまないね。ここにあるものは、全て宝の山のように見えてしまい、つい。もちろん、マシュマロちゃんのことが一番だ。ちゃんと調べることにしよう。とはいえ、これだけの書物の山だ。手分けした方がいいだろうね」

「うん、それはいいけど……リコリス、ライラについていてもらっていい?」

「はいはい、仕方ないわねー」


 ライラを一人にするのは不安なので、リコリスに監視してもらうことにした。


 それと、アイシャ達を一人にすることはできないので、こちらはソフィアにお願いした。

 スノウとマシュマロもいるので、レナも一緒だ。


 僕は単独で行動することになり、一人、広く不思議な図書館の中を見て回る。


「えっと、聖獣に関する書物は……あった」


 探すの大変だろうなあ、なんて思っていたら、いきなり目的の書物を見つけてしまった。

 手に取り、開く。


「……うーん」


 聖獣に関する歴史、個体についての特徴などが記されている。


 ただ、僕達が求める情報は記されていない。


 マシュマロについての情報。

 聖域と呼ばれている、聖獣達の住処。

 それと、黒の紋章について。


 この三つを知りたいのだけど、その情報に行き着くことができない。


 その後もいくつかの書物を開いてみるものの、やはりというか、求める情報はない。


「これ、けっこう大変かも……」


 世界中の知識が集められた秘密の図書館。

 そう言われているだけあって、聖獣などの情報はぽんぽんと出てくる。


 ただ、その中からピンポイントでマシュマロ達の情報を得ようとすると、かなり大変だ。

 砂漠の中にある石を探すようなもの。

 圧倒的な情報量の前に、作業はなかなか前に進まない。


「ふぅ……ここに来ればなんとかなると思っていたけど、ちょっと甘い考えだったかな?」


 ついつい弱音がこぼれてしまいそうになる。


 って、ダメだ。

 マシュマロのためにがんばらないと!


「よし!」


 気合を入れて、もう一度、本棚を見て回る。


 ……聖獣の生態について。

 興味はあるけど、これは違うかな?


 ……黎明の同盟について。

 こんな本もあったんだ!?

 でも、今は必要ない。


 ……黒薔薇の紋章について。

 この本は特に、


「って、ちょっと待った!?」


 本に記されている『黒薔薇の紋章』は、以前、とある事件で得たものとそっくりだった。

◆◇◆ お知らせ ◆◇◆

再び新連載です。

『堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く』


https://ncode.syosetu.com/n7621iw/


こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] もしレナたちの事件より先にこの図書館に来ていたら展開は変わってたのか?
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