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468話 勝ちたい

「ふぅ」


 本日、全ての試合が終わり、僕は宿のベッドに寝ていた。


 疲れた……

 まだご飯を食べていないし、お風呂にも入っていない。

 でも、こうしていると、そのまま泥のように眠ってしまいそうだ。


「眠い……けど、なんだろう。まったく眠れる気がしない」


 レナに勝つことができた。


 木剣を使用した試合だけど……

 でも、ありったけの力を出した本気の試合だ。


 レナは手を抜くことはなくて、全力を出していたと思う。

 僕は、どうにかこうにか、その全力を乗り越えることができて……

 レナに勝利することができた。


 元黎明の同盟の剣士。

 たぶん、世界でトップクラス。

 上から数えた方が早い。


「そんなレナに……僕は勝つことができた」


 正直なところ、勝率は五分以下だったと思う。

 五分も言い過ぎだ。

 たぶん……ニ割くらい。


 勝てたのは運が良かったからかもしれない。

 ただ、運だけで全てを乗り切ることは不可能だ。

 レナを相手に、それだけで勝利を掴むことは無理だ。


 僕は……確かに強くなっている。


 ベッドに寝たまま、手を上に伸ばす。

 そのまま、ぐっと握りしめた。


「うん」


 レナと戦ったことで、確かな手応えを得ることができた。

 それと、自分の力に自信を持つことができた。


 だから……明日、決勝戦を万全の状態で戦うことができる。


「やっぱりというか、相手はソフィア……ここまできたら、どちらが勝っても問題はないんだよね。普通は立ち入ることができない場所……零番図書館に入る許可をもらうことはできる。目的は達成されたも同然」


 だから、明日の勝敗を気にする必要はない。

 勝っても負けても問題はない。


 ないんだけど……


「でも、勝ちたい」


 以前の僕なら、こんなことは思わなかっただろう。

 ソフィアを相手に本気の試合をして、勝とうなんてだいそれた願い、持つことはない。


 でも……


 まだまだ未熟だけど、僕もまた、一人の剣士だ。

 その剣がどこまで届くのか?

 どんな域に達しているのか?


 確かめてみたい、って思う。


「不安は大きくて、どうなるのかな、って考えちゃうけど……でも、それだけじゃない。明日を楽しみにしている僕がいる」


 不安と期待。

 ドキドキとわくわく。

 二つの感情が胸を埋めているせいで、なかなか眠ることができない。


「明日、勝てるのかな? ……いや、勝ちたい。相手がソフィアだとしても、やれるところまでやってみたい。って、そんな曖昧な気持ちじゃダメだよね。勝つ! っていうような強い気持ちじゃないと。でも、現実的に見ると、僕の勝利は……うーん」


 ダメだ。

 どうしても色々なことを考えてしまう。


 散歩に……

 いやいや。

 今は、今日の試合の疲れを癒やすためにも、少しでも早く寝ないと。

 でも、なかなか眠気はやってきてくれなくて……


「うーん……ジレンマ。僕、どうしたらいいんだろう?」


 ……


「よし、寝よう!」


 無理矢理にでも寝る!

 あれこれ考えても仕方ない。


 寝るぞ!


「……」


 ……なんて、そう決めたから眠れるものじゃなくて、さらに30分ほど、あれこれと考えてしまう僕だった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] さあ、彼女に自分の力を見せれるかな!?
[良い点] 面白いです。 [気になる点] 正直なところ、勝率は五分以下だったと思う。  五分も言い過ぎだ。  たぶん……ニ割くらい。 五分五分という言いまわしもありますが、単体で五分と使うと一割…
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