459話 剣術大会、本戦
「「「おぉおおおおおーーーーー!!!」」」
剣術大会の会場は最高の盛り上がりを見せていた。
観客席は満員。
中に入れなかった人は近くの高い建物に移動して、そこから観戦しようとする。
そして、歓声。
大気を震わせるような勢いだ。
今日から本戦だ。
2日間に渡り、ソラスフィール最強の剣士を決める戦いが繰り広げられる。
僕とソフィアとレナ。
みんな、見事に別のブロックに分かれていた。
順当に勝ち進んだとして……
激突するのは準決勝。
あるいは、決勝戦。
僕は、そこまで勝ち上がることができるのかな?
そして、勝ち上がったとして、二人に勝てることができるのかな?
「……」
勝ちたい、と思う。
ちょっと生意気なことを言うけど、僕は、色々な戦いを経験してきたと思う。
それなりに強くなったと思う。
だからこそ、今の自分の限界というものを知りたい。
どこまで届くのか、その到達点を知りたい。
今回の戦いはその絶好の機会だ。
「……よし、がんばろう!」
――――――――――
本戦、Bブロック。
一回戦、三戦目。
ソフィア・アスカルトVSラング・ウェイドルド。
「へへへ、綺麗な嬢ちゃんだなあ? こんな大会に出ていいのかい? 俺は相手が女子供だろうが容赦しねえ……俺のナイフで切り刻まれな!」
「破山っ!!!」
「ぎゃあああああ!?」
ソフィアの一撃で対戦相手が空を飛んだ。
手加減なし、容赦なしの一撃だ。
……あれ、生きているかな?
試合の前に、ソフィアが捕まらないか、ついつい心配になってしまうのだった。
――――――――――
本戦、Cブロック。
一回戦、一戦目。
レナ・サマーフィールドVSイツヅ・ホールドマン。
「お主……強いな?」
「へぇ、わかるんだ?」
「幼き見た目をしているが、強者だけが持つ波動を感じるからな。悪いが、最初から全力でいかせてもらおう」
「いいよ、いいよ。うん。楽しい戦いになることを願っているね」
「その前に、一つ確認しておきたいのだが……お主、女性であるな? 男性ではないな?」
「もちろん、女の子だけど……なんで?」
「胸がない故に男性とぐはぁっ!?」
レナの怒りの一撃が炸裂して、ソフィアの時と同じように、男が空を飛んだ。
うん。
今のは対戦相手が悪い。
――――――――――
なんやかんやありつつ。
ついに僕の番がやってきた。




