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448話 キラキラ笑顔

「おぉっ、おおおおおーーー!!!」


 まず、前提知識として聖獣のこと、魔獣のこと。

 それと、横で繋がる情報として、黎明の同盟に関しての簡単な説明をした。


 その上でマシュマロの説明をすると、ライラは子供のように目をキラキラさせて喜ぶ。


「まさか、まさか、まさか、そんな種族が存在していたなんて! そんなものを知ることができえるなんて! あぁ、今日はなんて素晴らしい日なのだろう!!!」

「大げさだなぁ」

「大げさなんてことないよ! 本当に、人生最良の日だ!!!」


 レナが、そっと耳打ちしてくる。


「……この人、大丈夫?」

「……知識はちゃんとしているから」

「……でも、研究のため! とか言って、アイシャやマシュマロを解剖しかねない勢いなんだけど」

「……」

「……否定してよ」


 レナがたらりと汗を流した。

 あのレナを引かせるなんて、ライラはなかなかのものだ。


「えっと……それで、なにか心当たりはないかな?」

「その前に、その聖獣っぽいのに会わせてくれないかな!? あと、獣人っ子にも! ぜひ! ぜひぜひぜ!!!」

「ダメ」

「えぇ!?」

「なんかやらかしそうだから、今はダメ」

「くぅううう……こうなったら、こっそり……」

「ソフィアが一緒だから、下手をしたら斬られるよ?」

「……なんで意地悪するんだよぉおおおおお!!!」


 泣いてしまった。


 いや、まあ。

 意地悪をするつもりはないんだけど、どうにもこうにも不安が。


 今のライラって、なんていうか、こう……

 マッドサイエンティスト、っていう言葉がぴったりなんだよね。


「同盟でも、ここまでの人はいなかなったかなー」


 レナにまで言われているし。


「とりあえず、落ち着いて。もうちょっと冷静になったら、その時は考えるから」

「本当だね? 約束だよ?」

「まあ……一応」

「ちぇ、サンプルの採取はまた今度か」


 やっぱり、なにも見なかったことにして回れ右した方が良かったかもしれない。


「それで、君達は聖獣くんや獣人っ子ちゃんのことを調べに来たんだね?」

「はい。ソラスフィールには世界中の知識が集まっていると聞いたので」

「でも、なかなかうまくいっていないんじゃない?」

「それは……」


 どうしてわかるのだろう?


「わかるさ。なにせ、この街にある本は星の数……いや。それ以上だからね。簡単に目的の知識にたどり着けるわけがない」

「それ、あなたならたどり着ける、っていうこと?」


 僕の気持ちを代弁するかのように、レナがそう尋ねた。


「断言はできないけどね。でも、知識を持つ私がいれば、その道は大きく短縮できると思うよ?」

「それは、まあ」

「ここでの再会もなにかの縁だ。お互いに協力しないかい?」


 うーん、迷う。


 僕達は、聖獣に関する知識が欲しい。

 ライラは、アイシャやマシュマロについて調べたい。


 できるなら、ウィンウィンの関係が望ましいけど……

 ライラって、暴走しそうで怖いんだよな。

 でも、そこはきちんと見張っておけば大丈夫かな?

 ソフィアには、後できちんと説明すればいいし……


「……うん、いいよ」

「本当かい!?」

「ただし、度が過ぎた行動はしないこと。僕達がアウトと判断したら、アウトだからね? ライラの基準で計らないでね?」

「うっ、信用がない……でも、自覚があるからなんとも言えない」


 自覚があるだけマシかな?


「あと、なにかする時、なにか考えた時は、ちゃんと僕達に相談、許可をとること。それを守ってくれるのなら、ライラの研究にも協力するよ」

「うー……まあ、仕方ないか。オッケー。それでいいよ」

「うん。じゃあ、契約成立、っていうことで」


 僕とライラは笑顔で握手を交わして……


「……なんか、ボク、面倒な人と関わったかも」

「……それ、たぶん正解よ」


 レナとリコリスが、こっそりとため息をこぼしていた。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] レナをたじろがせるとは、ライラもまた異質だねぇ。 [気になる点] レナの台詞で文字の打ちミスがありますね。 「同盟でも、ここまでの人はいなかったかな」 が正しい文章ですかね。
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