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385話 最終決戦・その6

「彼らを援護してください! 後のことなんて考えず、全力で攻撃を!」


 騎士団が一斉に動いた。

 矢と魔法を放つ。

 それらは雨のように降り注いで、ジャガーノートの動きを止める。


「邪魔をするナッ!!!」


 苛立った様子でジャガーノートがブレスを放つ。

 超高熱の炎が騎士団を飲み……こまない。


「さて、僕達の出番だ」


 クリフを始めとする冒険者達が前に出る。

 みんなで協力して、魔法で巨大な盾を作り上げた。

 それでブレスを受け止めて騎士団を守る。


「みんな、どうして……」

「もちろん、助けに来たのですよ」

「まあ、最初は僕達が助けられる側だったけどね。いやー、まいったまいった。本拠地に突入したら、いきなり崩落するんだもの。危うく生き埋めになるところだったよ」

「どうにかこうにか脱出できましたが、その時には、もうこの魔獣が……すみません。私の任務を果たせませんでした。ですが……」


 エリンが剣を構えた。

 騎士団も剣を構える。


「今この時、やらなければいけないことは、しっかりと果たしてみせましょう」

「そうだね」


 クリフも構えた。

 冒険者達も構える。


「スティアートくんには色々と助けられたからね。今度は、僕が助ける番だ」

「エリン……クリフ……」


 僕は一人じゃない。


 レナがいる、ゼノアスがいる。

 エリンがいる、クリフがいる。

 騎士団のみんながいる、冒険者のみんながいる。


 そして……


「フェイト、いきましょう」

「うん」


 ソフィアがいる。

 なら、もう……


「絶対に負けない」




――――――――――




「おおおおおぉっ!!!」


 最初にゼノアスが突撃した。

 巨大な剣を叩きつけるようにして、ジャガーノートに痛烈な一撃を放つ。


「ぐうううううッ……うっとうしイ!!!」


 ジャガーノートは巨大な尾で周囲を薙ぎ払う。

 いくらゼノアスでもタダでは済まないだろう。


 直撃したら、の話だけど。


「防御は任せてください!」


 エリン率いる騎士団が前に出た。


 身体能力を魔法で強化。

 さらにマジックアイテムを使い、即席の盾を展開。

 ゼノアスを飲み込もうとした尾を受け止めてみせる。


「次はボクだね♪」


 レナが前に出る。


 ゼノアスが『力』を体現する者だとしたら、レナは『速』だ。

 風よりも速く動いて、ジャガーノートの周囲を駆ける。


 ジャガーノートは苛立たしそうにしつつ前足で薙ぐけれど、レナを捉えることはできない。


「ダメダメ、いくら力があっても当たらないと意味がないよ。ってか、さっきも言ったよね? まったく、ちゃんと勉強してよ」

「黙レ、裏切り者メ!」

「裏切り者? 別にいいよ♪ ボクは、ボクの好きなように生きる。君の復讐につきあわされるのとか、正直、迷惑なんだよね」

「貴様ァアアアアア!!!」

「だーかーらー」


 レナはにっこりと笑う。

 でも、その笑みはとても冷たく、凄みのあるものだった。


「殺しちゃうよ♪」

新作始めてみました。

『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』

こちらも読んでいただけると嬉しいです。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
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