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383話 最終決戦・その4

「「レナ!?」」


 思わぬ人物の乱入に僕とソフィアは驚いた。


 いや、彼女だけじゃない。


「真王竜剣術・裏之一……獅子戦吼!」


 ゼノアスの痛烈な一撃が炸裂して、ジャガーノートがわずかに怯んだ。

 わずかでもあの巨体を怯ませることができるなんて、とんでもない力だ。


 僕、よく勝てたなあ……


「どうして二人がここに?」

「それはもちろん、愛するフェイトのためだよ♪」

「心配するな。巫女達はアルマリアと名乗る者に預けておいた」


 よかった、アルマリアさんは無事だったんだ。


 なら、エリンやクリフも無事だろう。

 敵の本拠地からジャガーノートが現れたから、もしかしたら……なんて心配をしていたけど、大丈夫そうだ。


「騎士団が出撃準備を整えている」

「冒険者達も全員、動くみたいだよ」

「援軍は頼もしいけど、街を放っておいて大丈夫なのかな……?」


 黎明の同盟の幹部は撃破した。

 こうして、二人は味方になってくれている。


 でも、構成員を全て倒したわけじゃない。

 この機会に……という可能性があるはずだ。


「大丈夫、大丈夫。ボク達が偽の命令を出して混乱させておいたからね。今すぐにどうこう、ってことはないと思うよ」

「俺とレナの裏切りは知らないからな。ほとんどの構成員は偽の命令を信じただろう」

「ありがとう」


 僕は一人じゃない。

 いつもソフィアが隣にいてくれた。

 リコリスが笑顔をくれて、アイシャが癒やしをくれて、スノウが勇気をくれた。


 でも、それだけじゃない。


 レナやゼノアスと分かり合うことができた。

 その他、たくさんの人と知り合い、同じように理解することができた。


「そうだ……僕は、みんなと一緒にいる!」


 さらに自信ができた。

 それに比例して、不思議な力が湧いてくる。


 まだやれる。

 これからだ。

 どれだけ強大な敵だとしても、負けることは絶対にない。


 絶対に。


「よし、いこう!」




――――――――――




 なぜだ?


 ジャガーノートは困惑していた。


 ジャガーノートは圧倒的な力を持つ。

 人間なんて、戯れの一撃で粉々にすることができる。

 どれだけ鍛え上げられた剣も弾くことができる。


 自分は圧倒的な強者だ。

 敵う者なんていない。


 そのことは相手も理解しているはず。

 なのに、人間達は諦めない。

 仲間を呼び、愚かな反抗を続けている。

 それに意味なんてない、果てに待つのは死だけだというのに、戦い続けている。


 どうして?

 どうして?

 どうして?


「……理解できヌ」


 彼らの行いを理解できないのは、ジャガーノートが遥か昔にその感情を捨てたから。

 だから理解することができず、彼らの行いを無駄と断じてしまう。


 実際はそんなことはない。

 少しずつではあるが、彼らの剣はジャガーノートに届いていた。


 ジャガーノートが理解できず、昔、捨てたもの……

 その名を『希望』という。

新作始めてみました。

『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』

こちらも読んでいただけると嬉しいです。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 仲間の絆と死を追求する魔物、勝つのは?
[一言] 死闘1のとき真王竜に関して、俺は我流だってゼノアス言ってたけど一応使えたんだな
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