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381話 最終決戦・その2

「ガァアアアッ!」


 怒りに吠えるジャガーノートが僕達を追いかけてきた。

 全力で逃げるけど、体格差が圧倒的に違うため、少しでも気を抜いたら一瞬で追いつかれてしまいそうだ。


「ソフィア、追いかけてきたよ!」

「このまま街の外まで誘い出しましょう!」


 命がけの鬼ごっこだ。

 背中がヒヤリとする。


 とはいえ、こんなことで音を上げてはいられない。

 まずは周囲に被害が出ない場所を確保しないと、まともに戦うことができない。


 走って。

 走って。

 走って。


 どうにかこうにか、ほぼ建物がない郊外までジャガーノートを誘い出すことに成功した。


「ここなら全力でいけます……閃っ!!!」


 ソフィアの極大の斬撃がジャガーノートに叩きつけられた。

 聞くところによると、1万の魔物を一気に葬った奥義らしい。


 これならば、と思うのだけど……


「グガァッ!!!」

「かすり傷程度、ですか」


 ダメージは通った。

 でも、ほんの少しだけ。


 なかなか絶望的な状況だ。

 諦めるつもりなんて欠片もない。

 でも、こいつに勝てるイメージがどうしても湧いてこない。


 って、ダメだダメだ。

 弱気になったらいけない。

 とにかく、色々な手を試して攻略法を見つけないと。


「ソフィア、まずは足を狙おう。あの機動力を奪わないと」

「わかりました。同時に攻撃を叩き込みましょう」

「ガァアッ!!!」


 ジャガーノートが吠えて、今度は炎のブレスを吐き出した。


 見た目は大きな犬なんだから、竜のような真似をしないでほしい。


「くっ……!」

「これくらい!」


 炎の嵐をかいくぐり、ジャガーノートの懐に潜り込んだ。

 圧倒的な体格差があるものの、小さい僕達の方が小回りが効く。


「神王竜剣術、壱之太刀……」

「破山っ!!!」


 ソフィアと同時に全力の攻撃を叩き込む。

 速度、角度、タイミング。

 全てが重なり、その威力は倍増する。


「ガァッ!?」


 どうにかこうにか防御を突破することができて、多少だけどダメージを与えることができた。


 ただ、人で例えるなら打撲をしたくらいだろう。

 まだまだ先は長い。


「弱点とかないかな? このまま、あいつのペースに付き合っていたら……」

「機動力を奪う前提の攻撃をしつつ、他の箇所も狙ってみましょう。運にすがるような戦い方になりますが、なにもしないよりはマシかと」

「そうだね、了解」


 戦力差は圧倒的。

 それでも、とことん食らいついてやる。

 絶対に負けてたまるものか。


 決意を新たにして、僕とソフィアは再び駆け出して……


「……邪魔をするナ」


 ジャガーノートが低い声でそう問いかけてきた。

新作始めてみました。

『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』

こちらも読んでいただけると嬉しいです。

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さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
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