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375話 マジ?

「ソフィア、大丈夫?」

「はい、なんとか……」


 ソフィアに手を貸した。

 ややふらついているものの、顔色は悪くない。

 ポーションを飲んだおかげだろう。


「私でも無理だったゼノアスを倒してしまうなんて……」

「違うよ」

「え?」

「倒した、じゃなくて、勝った……だよ」

「……」


 ソフィアは目を丸くして、


「ふふ」


 小さく笑う。


「そうですね。倒しただと殺した、と同じ意味になりますからね。だから、勝った……なるほど。私では無理で、フェイトだからこそできたこと。その理由を少し理解することができました」

「?」

「おーい」


 ふと、明るい声が聞こえてきた。

 レナだ。

 途中でふらりと姿を消したけど、いったいどこに行っていたのだろう?


「レナ、いったいどこに……って、うわぁあああ!?」

「ちょ、乙女を見るなり悲鳴をあげるとかひどくない?」

「いや、だって……」


 あちらこちらに怪我をしているらしく、全身、血まみれだ。

 ちょっとしたホラー。


「だ、大丈夫なの……?」

「大丈夫、大丈夫。半分くらいは返り血だから」


 それじゃあ、残り半分はレナの血ということになる。


「た、大変だ。ほら、ポーション。飲んで!」

「え? あ、うん」


 言われるままレナはポーションを飲んだ。


「ふぅ……ちょっと楽になったかも。ありがと、フェイト♪」

「大丈夫なの……?」

「本当に平気だから。ボク、これくらいの怪我は慣れているからね。日常茶飯事だし。ね、ゼノアス?」

「そうだな」


 ゼノアスがいることを不思議に思うことなく、気軽に声をかけていた。


「俺達にとって、これくらいの怪我は当たり前のことだ」

「そうそう。血が流れない日なんてなかったし、定期的に骨を折っていたからねー。ほんと、大したことないんだ」


 さらりとえぐい話をしないでほしい。


「ところで、なんでゼノアスがここに?」

「剣聖と戦い、次にフェイトと……勝負をした」

「ふぇ?」

「そして、負けた」

「えぇえええええ!?」


 マイペースを貫いていたレナだけど、ここで思い切り驚いた。


「え、嘘。マジ? フェイトってば、ゼノアスに勝ったの……?」

「あ、うん。一応」

「すごぉ……」


 心底驚いている様子で、レナは呆然とつぶやいた。

 それだけ驚きが大きのだろう。


 でも、よくわかる。

 ゼノアスはとんでもない強敵で、勝てたのが不思議なくらいだ。


「さすがフェイト! ボクでもできないことをやってのけちゃうなんて、うんうん、ますます惚れちゃった♪」

「やめなさい」

「ぶーぶー、ちょっとくらい、いいじゃん」


 僕に抱きつこうとしたレナがソフィアに阻止されて拗ねた。


「それよりも、レナはどこでなにをしていたんですか?」

「ん? えっと……場所はよくわからないけど、リケンと戦ってた。あ、リケンっていうのは黎明の同盟の幹部の一人だよん」


 さらりと重大なことを言う。


「そ、それで結果は……?」

「見ればわかるでしょ? ボクがここにいるっていうことは、ボクの勝ち。いえい、ぶい♪」

「さすがというか、なんというか……」

「あれ? ちょっとまって」


 レナがリケンを倒したということは……


「ゼノアスに勝って。レナは、そもそも僕達の味方。なら……黎明の同盟の幹部は全滅した、っていうこと?」

新作始めてみました。

『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』

こちらも読んでいただけると嬉しいです。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
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