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373話 決着

「がんばってください」


 ソフィアの応援が聞こえた。


 ゼノアスとの戦いで体のあちらこちらが悲鳴を上げていたけど……

 うん。

 まだがんばることができる。

 力と勇気が湧いてきて、今まで以上に強く剣撃を放つ。


「くっ……ここに来て、さらに加速するか!」

「もう二度と負けられないんだ!」


 大事な人を守りたい。

 そして、この人を超えたい。


 二つの想いが僕を強くする。


 今まで越えることができなかった壁。

 なかなか気づくことはできなかったけど、行く手を塞いでいた壁。

 それは、ソフィアと同じ『剣聖』のレベルに繋がる領域。


 そこに今。

 僕は到達していた。


「あなたに、勝つ!」

「そのような結末を認めると思うか!?」


 ゼノアスが全身から圧倒的な闘気を放つ。


「吠えろ、グラム!!!」


 魔剣が不気味に輝いた。

 嫌な気配を受けて、それと同時に、天災と相対したかのような『力』を感じた。


 魔剣の力を完全に引き出した状態で戦う。

 正真正銘、これがゼノアスの本気だろう。


 でも……


「俺の剣に断てないものはないっ!!!」

「……ううん」


 僕は静かに彼の言葉を、想いを……生きてきて積み重ねてきたものを否定した。


「今のあなたの剣は怖くない」

「なっ……!?」


 ゼノアスの全力の一撃。


 それは山を断つ。

 海を割る。


 それだけの威力が込められていたけど……

 僕は、それをしっかりと受け止めた。


 流星の剣が折れることはない。

 なんとか耐えてくれている。

 僕の体が壊れることもなくて、こちらも耐えていた。


「なぜだ!? なぜ、俺の剣が届かない!? 受け止めることができる!!!」

「言ったよね? 今のあなたの剣は怖くない、って」


 さっきまで、ゼノアスはとても大きく見えた。

 超えることができない山のように、果てしなく大きく見えた。


 でも、今は小さい。

 とても小さく、儚く、脆い。


 それはなぜか?

 魔剣という歪な力にすがったからだ。


「僕の剣は、あなたとは違う」


 リコリスの、アイシャの、スノウの……たくさんの人の想いが込められている。

 そして、剣を通じてソフィアの想いを感じる。


 そうだ。

 この剣は希望でできている。

 ならば、負の怨念で作られた魔剣に負けることはない。


「僕はあなたに勝って、大事なものを守る! どこまでも!!!」

「ぐっ!?」


 ゼノアスの腹部に蹴りを叩き込んだ。

 これでトドメとはならないものの、ダメージは通り、ゼノアスはわずかに体勢を崩す。


 その隙を逃すことなく、僕は剣を構える。

 天を突くように大上段に構えて……


「神王竜剣術、壱之太刀……破山っ!!!」


 そして、一気に振り下ろした。

新作始めてみました。

『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』

こちらも読んでいただけると嬉しいです。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] まぁ決着付いたのは良かったけどこの話でいきなりゼノアスがかませみたいなキャラに見えたのが残念だなぁって感じてた。もっと圧倒的な強者であってほしかった。なんなら一撃で決まって欲しかった。…
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