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243話 次の目的地は?

 雪水晶の剣の修理が完了して……

 雪水晶の剣改め、流星の剣を手に入れることができた。


 それに、すごく久しぶりに父さんと母さんと再会することができた。

 妹ができていたことは驚いたものの……

 みんな元気そうでなにより。


 ミントも昔と変わらず、とても元気そうにしていた。


 これで、スノウレイクでやるべきことは全部やった。


「これから、どうしようか?」


 ソフィア、アイシャ、リコリス、スノウ。

 みんなが部屋に集まった状態で、そんな話を切り出した。


「このままスノウレイクでスローライフを送る、という手もありますよ?」

「それは……」


 非常に魅力的な提案だ。


 いつまでも実家のお世話になるわけにはいかないから、家を借りるなり買うなりして独立して。

 ソフィアと一緒に、スノウレイクを拠点とした冒険者として活躍して。


 あるいは、父さんの跡を継いで鍛冶職人になるのもいいかもしれない。

 あと、いつの間にか生まれていた妹……ルーテシアの成長を見届けたい。


 でも……


「それはできないよ」


 アイシャのこと。

 そして、黎明の同盟のこと。


 これらの問題を放置するわけにはいかない。


 放置したら、なにかとんでもないことが起きるような……

 そんな気がした。


「わかっています。言ってみただけです」


 試されていたのかな?


「やっぱり、アイシャのことについてもっと知りたいよね」

「わたし?」


 アイシャの尻尾がくるっと丸くなる。

 『?』のマークを作っているみたいだ。


 かわいい。


「色々とわからないことが多いんだよね」


 アイシャの魔力量。

 神の子……巫女かもしれない、ということ。


 その辺りをハッキリとさせておきたい。

 そうすれば、自然と黎明の同盟の目的もわかると思う。


「なら、獣人族の里に行けばいいだろ」

「父さん?」


 いつから話を聞いていたのか、振り返ると父さんの姿が。


「わからないことがあるっていうのなら、同じ獣人に聞けばいいだろ」

「簡単に言うけど、里がどこにあるのかなんて……」

「俺は知っているぞ?」

「本当に!?」


 さらりと、とんでもないことを言われた。


 ついつい大きな声が出てしまい、驚いたアイシャの尻尾がピーンと立つ。

 ソフィアが、そんな娘を落ち着かせて……うん、ごめんなさい。


「えっと……どういうこと? もしかして、父さんは獣人の知り合いがいるの?」

「ああ、いるな。日々、色々な仕事をしているが、たまに獣人がやってくるんだよ」

「へえ……」


 さすが、鍛冶の神様に愛された男。

 その名は人間だけじゃなくて、獣人にも届いているようだ。


「ま、お前が言うように色々とあるからな。こっそり会って仕事を請けてるんだが……まあ、それなりの信頼関係は築いているつもりだ。俺の息子ってなら、話くらいは聞いてくれるだろ」

「……」

「なんだ、そのぽかんとした顔は?」

「父さんはすごいね」


 鍛冶職人として大成するだけじゃなくて。

 獣人の心を掴んでしまうほど、人脈に長けていて。


 本当にすごい。

 僕なんかとは比べ物にならない……


「おら」

「いたっ!?」


 いきなりげんこつを落とされた。


「今、つまらないこと考えていただろ?」

「つまらないことなんて……」

「俺は俺。お前はお前。そこにある差なんて気にするな」

「あ……」

「ってか、フェイトはまだまだガキだからな。これからだよ、これから」

「……うん、ありがとう」


 父さんの言葉が心に染み渡る。


 うん。

 卑屈になったりしないで、前を向いて歩いて行こう。


 そして、ソフィアにふさわしい男になって……

 あと、アイシャが誇れるような父親にならないと。


「で、どうする?」

「えっと……」


 みんなの方を見ると、任せる、という感じでうなずかれた。


「じゃあ、お願いしてもいいかな?」

「わかった。今度、お得意さんの獣人が来る予定だから、その時に話をしてやるよ」

「それって、どれくらい先になるかわかる?」

「んー……一週間前後だろうな。正確な日付はわからん」

「一週間前後っていうだけでもわかっていれば十分だよ」


 それまでに旅の準備を進めておこう。


「それじゃあ……次の目的地は、獣人族の里、ということで!」

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
さらに新作を書いてみました。
【おっさん冒険者の遅れた英雄譚~感謝の素振りを1日1万回していたら、剣聖が弟子入り志願にやってきた~】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
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