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奇想小話 『仁義に厚い藁人形』
ある仕事で丑の刻参りで打ち付けられた藁人形を回収する仕事をしていたのだが、
回収していた藁人形の中にたまたま魂が宿ってしまった人形が出てきた。
その藁人形、正しい手順で行われたのか呪おうとした相手と繋がっていたらしく
「呪おうとした人物は仁義に厚いお方のようで、このように恨まれる言われない」
「せっかく生まれたこの身、仁義厚き人物がいるこの世でただ燃えて消えるのはとても惜しい」
「是非とも彼を陰ながら支えてやりとうございます。この藁人形の主をお教え致しますので何卒」
と、言ってきた。困惑しつつも今回の依頼主に報告すると「任せる」と言われたので
なにかの縁、これも一興かと思い了承した。
斯くして、藁人形の情報通り犯人は捕まり、此方も義を果たそうとその藁人形の行動に協力することとなった。
さてどうしたものか。ただ、そのまま送るのはまずいとは思ったので、大きめの可愛らしいヌイグルミを買ってバレないようにその中に入れ適当な理由をつけてその相手に送った。
無事、相手も疑わずヌイグルミを受け取ったのを確認し
……このまま役目を果たせるといいのだが。と思いつつ想いが届かなかったであろう大量の藁人形で焼き芋を焼きながらその日を過ごした。




