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02 つのる思い
あの方への思いは、一日ごとにつもっていく。
まるで永遠にとけない雪のよう。
普段はふわふわで儚くて綺麗な雪。
だけど、日が経つととても重くなる。
塊と化した雪は、人間一人を軽く押しつぶせるくらい。
けれど、優しいご主人様に拾ってもらった私は、大勢の不幸な奴隷の中の一人でした。
この想いはきっと叶う事はないでしょう。
太陽の温もりで、優しく溶かされる事はない。
いつか、その雪の重さが自分自身を押しつぶしてしまう日まで。
だけど、とめられない。
そうと分かっていても。
あの方の声を耳にするたびに、姿を目にするたびに、恋の雪が降り続けるのだから。