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招待客リスト

 ーーーーバース家。


 レオから聞いて既に何カ月か過ぎていた。あれから何度もコンタクトをとろうとしているのだが、執事であるロンを通さずにどうやってコンタクトを取ればいいのかわからないでいた。なにせ、レオ曰くバース家にヒントがあるよと言っただけだからそこに婚約者が居るとは限らないと言われているし、バース家自体が超がつくほどの財閥だったのだ。言うなれば国一の財閥。そんな財閥にいきなり私の婚約者しりませんか?などと乗り込むことも当然出来ず、頭を悩ませていた。万が一バース家の機嫌を損ねてしまえば我が家程度のお家は潰されてもおかしくない。それは困るわ。

 しかし、なぜバース家と婚約者がつながるのか?バース家は家とは違って超財閥なのに、それにあそこはもう既に跡取りが居たようなきがする。


 だがしかし、このままじゃあ結婚の時期が来ちゃう。気持は焦るばかり。もうすぐ20歳になってしまう。そうすればあと1年しかない。どうしよう。


 そんな最中、屋敷では私の誕生日会の準備が執り行われていた。気乗りしない。だってあと1年しかないと言われている見たいだもの。


 ロンへの恋心を自覚したあれから何度か羞恥心爆発は起きたがそれでも最近は少しずつ気持になれてきたので起こす頻度は少なくなってきた。やっぱりきっかけは思い出せないし、何かひっかかる気はするけど。それでも、やっぱりロンの一挙一動はつい見てしまうし、触れられれば心臓はたかなり、顔は赤く染まってしまう。


 「うーーーん!わからなーい。」

 背伸びをすれば背後からロンにはしたないと言われる。

 振り向けば誕生日会の招待客リストをロンが持ってきていた。聞けば一応見てくれとのこと。



 ………。誕生日会の招待客リスト………。




 ーーーー!!これだ!


 「ロン!これってバース家の方もお招きします?」

 アイネスの言葉にロンがピクリと反応を示した。だけど、アイネスは残念ながらこの反応には気づけなかった。


 そうだ!そうよ!お誕生日会にお呼びすればいいのよ!なにかそれなりの適当な理由をつけて。幸いにも国屈指の財閥のご子息、ご令嬢に学友が多いためお越し戴くことになっている。もちろんナナと、レオもきてくれる。それをきっかけにしてなんとか呼べないだろうか。


 「……バース家は一応旦那様とも交流がありましてお呼びすることにはなっております。が、なぜバース家?」

 「そ、それは……。ほら、この国屈指の財閥でしょう?もう20だし、今後も我が家と家業の一環としてお付き合いあるかもだし、ご挨拶しておいた方が良いってレ…じゃなくて、友達が教えてくれたのよ。」

 「そうでしたか。それはだいぶ良いアドバイスをご学友の方はされましたね。」


 黒い瞳を細め一見微笑んで居るようにみえるロンの笑顔にはどこか黒いオーラが感じられてビクリとしてしまう。


 あ、なんかひさびさに恐い!大丈夫よね。レオの名前ギリギリ出してないし。大丈夫よね。でも、なんでそんな恐くなっちゃうのよ!


 ーーーーそれでも一応レオには心の中で謝っておこう。ごめんねレオ……。


 だけど、これで婚約者騒動にも終止符は打てる。もし、落ち着いたら………ロンに気持を打ち明けてみようかしら。でも、鼻でバカにされてしまうかしら。そしたらどうしよう。


 色々な期待と億劫な誕生日パーティーが少し楽しみになったりならなかったり。複雑な気持。





 後に、この誕生パーティーは婚約発表の場になるなんて微塵も考えて無かったのはやっぱり私の脇が甘いからだろうと後悔するのは後の話。



ここまでお読みくださりありがとうございます。


ゆるゆる不定期更新予定で続きます。

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