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 学校につくや否や直ぐにレオを探し出して直行した。熱のせいで時間を浪費したのだ、一刻も早くまた邪魔が入らないうちに聞き出さねば。でも、その前にこの間のロンの無礼は謝らないと。


 「おはようございますレオ。しばらくお休みしていたせいで貴方にキチンと謝れなかったの。この間は家の執事が貴方に凄く失礼な事をしてしまってごめんなさい。彼が今後こんな事しないように見張ってるから、どうか私に免じて許してもらなえないかしら。」

 「おはようアイネス。いや、あれは僕が悪かったんだよ。それに、そのせいで君に辛い思いをさせてしまったようだ。ごめんね。まだ辛かったりしたら言ってくれ。必ずどんな事でも君の力になるよ。」


 私が謝れば、泣き出しそうな辛い顔をしてレオが謝る。


 ーーーー?力になるも何も風邪はなおりましたよ?あ、もしかしてレオはロンの事凄く怒ってるのかしら。

 などと思っていたら後から小さな衝撃があり、思わずよろめいてしまった。振り向けばナナが私に抱きついていた。


 「アイネス!!貴方大丈夫なの?お怪我は?具合は?怖かったでしょうに!!」

 ナナは何故か泣き出しそうな顔をしている。


 ーーーー?怪我?風邪は怖くないよ?あ、でも熱を出し続けると死んじゃうから怖いかも。

 「けが?えっと、私雨に当たって風邪をひいてしまって休んだの。も、もう大丈夫よ。」


 私がそう言えばレオもナナも驚いて顔を見合わせたと思えば、レオが不安げに口を開く。


 「その………、僕らが駐車場で別れた後すぐ僕は家に帰ってたんだ。そしたら僕の屋敷にもナナの屋敷にもロンからアイネスが居ないか連絡が来て。聞けば君が雨の中居なくなったって。その後君はロンが見つけてくれたんだけど、時同じくして君が見つかった付近で変態も見つかって。で、君は次の日休んでしまったから僕ら………心配で。」


 ーーーー!


 わかったわ。だから何か会話が噛み合ってなかったのね。二人は私が変態に襲われてショックで休んでると思ってたのね。それで、こんなに心配してくれて。

 こんなに心配してくれている事に感謝しつつ私は二人の誤解が溶けるよう説明した。変態とは遭遇したけど、ロンが助けてくれて何ともなかった。本当にただ、風邪で休んでいただけだと言えば二人は少しほっとしたような顔をしていた。 


 「アイネスが無事で本当に良かったわ。でも、やっぱり貴方を驚かせた変態はゆるせないわ!私、貴方になにかしたんじゃないかとおもって既にわが家の総力あげてあの変態は二度とこの世で歩けない様にしたわ。だから安心してね。」

 「もちろん家も協力させて貰って変態には地獄の方がましだと思える所に行って貰ってたよ。」


 にこやかに微笑むこの国屈指の財団のご子息、ご令嬢二人の発言は私を震え上がらせた。


 授業開始のベルがなり二人と別れて席に着く前にナナがこのことは私達しか知りません。皆さんは本当にアイネスが風邪で休んでると思ってますと教えてくれた。


 ーーーー良かったわ。流石に皆に変態ショックで休んでるとは思われたくないものね。




 


 しかし、この日は婚約者のことを聞くタイミングを逃してしまうことになる。

 なぜなら、その日の午後から家庭の事情と言うことでレオは早退してしまったからだ。


 ーーーーまた聞きそびれた。


 まぁ、明日聞けばいっか。


 学校が終わると私は待たせていた車で帰宅した。当然のことだが、運転手は風邪のため本日は別の使用人だった。




ここまでお読みくださりありがとうございます。


昨日は更新お休みすいません。

7月からはお休み多くなるかもですが、ゆるゆる不定期更新で頑張ります。


ブックマーク人数増えてました。ブックマークありがとうございます。

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