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恋愛戦闘姫(可憐な乙女な訳がない)  作者: 九丸(ひさまる)
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酔っ払いな恋愛戦闘姫続き

 あたしは積極的に動いた。

早速鈴木さんと約束を入れたのは言うまでもない。

 何度かの食事を繰り返し、お互いの趣味や食事の嗜好も把握。

やっぱり、食事の好みが合わないのはダメよね。

結局長続きしないから。

これもあたしの持論。

幸いなことに、あたしと鈴木さんの好みは合っていた。

これはなおのこと期待できる。

ああ、聞こえてくるわ。

幸せの足音が。

 でも、最後に必ずママの店に行くのが気になる。

だって、絶対ママを絡めるし。

鈴木さんは、あたしとママが楽しそうにしてるからって言うけど、そんなことはない!

たまには、二人だけになりたいのに。

それに、一向にあたしに手を出す気配がない。

おい、鈴木。そろそろキスぐらい良くない?

まあ、軽い男よりは好きだけどね。


 そして、今夜も食事の後に、いつも通りママの店へ。

 ただ、何か浮かない顔をしてる。

あれ? さっきまでは、そんなことなかったのに。


「どうかされましたか? 何やら浮かない顔をしてますが」


 さすがにママも気づいて、声をかけたみたい。


「今日はお二人に話さなければならないことが」


 ちょっと、トーンが不穏なんですけど……。

鈴木さんは、絞り出すように続けた。


「実は、東京の本社に戻ることになりました」


 急な話に、あたし達は言葉が出なかった。


「元々代打だったので、長期ではないと思ってましたが、まさかこんなに急だとは僕も…」


「いつ行かれるんですか?」


 あたしはやっとのことで、声を出した。


「来週末には離れます」


「そ、そんなに急に……」


 ママの声は、動揺を隠せてなかった。


「それで、お願いがあるのですが」


 鈴木さんが、あたし達の顔を交互に見て言った。


「ぜひ、最後の夜はお二人と過ごしたいんです。ダメでしょうか」


 ママは即座に反応した。


「ぜひ、そうしましょう。最後の夜は共に」


 ママが気丈に振る舞ったのは分かるけど、あたしは、何かもやっとした。

なんで、あたしと二人っきりじゃないのよ。

声に出して言えるわけもなく、今夜は沈んだ気分のまま終わった。

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