表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛戦闘姫(可憐な乙女な訳がない)  作者: 九丸(ひさまる)
2/15

酔っ払いな恋愛戦闘姫続き

 あたしの実は悩んでもいない人間関係の話を、鈴木さんは真摯に聞いてくれてる。

そんな鈴木さんを見てると、ますます、引き込まれていく。


「マスターはどう思いますか?」


「私はいっそのこと、もっと本音をぶつけてみるべきだと思いますね」


 ああ、鈴木さんの声だけでいいのに、ママの無駄に渋い声が邪魔をする……。

もう! 何なのよ!

もちろん、あたしの苛立ちなんて、顔に出せるはずもなく、二人のアドバイスに、ええ、そうですねと頷いていた。


「悩み事は誰にでもあります。でも溜めちゃいけないと思うんです。だから、愚痴でも相談でも何でもいいです。吐き出してください」


 鈴木さんの優しさに触れていたい。

このままずっと……。


「私もそう思いますね。誰かに話すことは、とても大事です」


 鈴木さんの後に、お約束のように入るこの声。

本当に邪魔!

覚えてなさいよ。この報いはきっと!


 話もそろそろ終わりかと思われた頃、ドアベルが鳴り、お客さん達が三人で入ってきた。


「いらっしゃいませ。どうぞこちらに」


ママが対応で離れた隙に、あたしは鈴木さんに話しかけた。


「鈴木さん、話を聞いてくれて、本当にありがとうございました。凄く楽になった気がします」


「それなら良かった。僕の話しなんて、マスターに比べれば幼稚極まりないですが、そう言ってもらえると嬉しいです」


「ううん、そんなことはありません。歳も近いせいか、同じ悩みを共有してるみたいで、とても親近感わきました」


「僕もこちらに来て、まだ知り合いもそんなにいないので、高橋さんみたいな方と話せて良かったです」


「あの、お願いがあるんですけど」


 タイミング的には今なはず。


「鈴木さんの連載先を教えていただけませんか?」


「僕のですか? ええ、構いませんよ」


 はい、いただきました。あたしの領空に入ったからには、ただでは終わらせない。頂くものは頂きます。

そう。領空侵犯は全て撃ち落とす。それがあたしの流儀。まあ、逃げられることも多いけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ