最後の夜続き
いきなり、ポンっと背中を押された。
「ほら、行ってきなさいよ。今行かなくていつ行くのよ。あんた恋愛戦闘姫でしょ。撃ち落としてきなさいよ」
ママが微笑んで、あたしを促した。
「ママ……。あたし行ってくるね! そう、あたしは恋愛戦闘姫だ!」
あたしは急いで鈴木さんを追った。
「鈴木さん、待ってください!」
あたしは鈴木さんに追いつき、下まで送りますと言って、エレベーターに一緒に乗り込んだ。
ママがあたしにくれたチャンス。
本当は辛かっただろうに、あたしを送り出してくれた。ママ、あたしに勇気をくれてありがとう! あたし頑張るから。
エレベーターの中では、まだ整理がつかずに何も言えなかった。今じゃない。言うのは降りてから、タクシーを捕まえる間に。
大したプランではないけど、あたしが考えてる間に、エレベーターは下についた。
「高橋さん、少し歩きましょうか」
鈴木さん、それって。
その誘い、あたしが断る訳がない。
「はい」
あたし達は、人気もまばらな小路を大通りに向かい歩きだした。
言われるのか、それともあたしが言うか。
駆け引きなんて、まどろっこしい。
いざ、行かん!
「あの」
その声は同時だった。
だったら、男の鈴木さんに華を持たせましょう。
「どうぞ、鈴木さんから」
鈴木さんは少し考えてから、あたしの目をじっと見て話し出した。
「高橋さんには言っておきたくて。言わずに去ろうと思ったのですが、こうして見送りに出てくれたので、聞いてください」
きたの? きたのね! いよいよくるのね!
さあ、想いの丈をあたしにぶつけるのよ!
受け止める準備は出来てるから。
あなたに撃ち落とされてあげるわ!
「はい。鈴木さんの口から言ってください」




