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星降る祭りの夜に

「なんだ…誰だ…!」


重苦しい、圧迫感ともいえる視線に耐えきれずどこにともなく叫んだ。


返事は返ってこないが闇の中に感じる重く冷たい感覚はいっそう強くなる。



バシュ!


自分の近くで感じるジュンの魔法の音や、必死に詠唱を続けるヒナの声もその視線の中では耳鳴りのように消えていく。


誰だ…?



こうの動きが止まり、風の護りが弱まりを見せていく。



「どうしたの?」

ジュンがこうの変化に気付いたその瞬間だった。

すぐ後ろから眩い光が一点を集中して吹き荒れるように渦を巻きはじめた。


「!!」



『星よ、豊穣祝う黄金の大地に、母なる命輝く海原に静寂の闇を照らし悪しき風を消し去りなさい!!星の宝珠、ラスティーナ!!』




瞬間、ラスティーナの残像が闇の渦の届かぬ空まで登ると村を包む暗雲を洗い流すような煌めく幾千の光の雨を降らしはじめた。


こうと、ジュンの目の前にいた闇駒は光の雨にうたれ消滅していく。


ゆっくりと暗雲は晴れるように消えていき、雨が上がったあとのように村が明るく照らし出されていた。


渦の中央で詠唱を終えたヒナは、頭上から降るような光の雨を安心したように見るとその場にペタンとへたりこんでいた。



「ヒナ!良かった!」


ジュンがヒナの姿に気付き、すぐに駆け寄る。


「良かった…ジュンにこうもいる…。」


へたりこみながらもジュンとこうを見つけ、安心したように笑顔を向けた。



サアァ……

空から降るのは色とりどりの流れ星。


闇に倒れこんでいた村人たちは晴れた闇に気付くとすぐに立ち上がり、歓声をあげながら家々に隠れている村人を外へと呼ぶ。

次々に家々に明かりが灯り、祭りの夜らしく騒がしい歌や、楽器が曲を奏ではじめ宝珠の到来を喜びはじめた。



辺りは祭りの夜らしく、大人も子どもも踊るように次々と降り注ぐ星に手を伸ばしていた。




「綺麗ね。星のシャワーみたい。これが星降るお祭りなのかしら。」


「あはは。まだ夜じゃないのに見れちゃったね!」


イタズラっぽく笑うヒナに星の宝珠も笑うように光の雨をいつまでも降らせていた。










「……。誰だったんだ…?」



二人から少し離れた場所に立ち尽くしているのはこうだった。

こうは光の雨の中である一点をみつめていた。




一瞬だけみえた…紅い目……あいつは誰だ?



こうが見つめている場所は、先程までサマルとセレメスがいた場所であった。





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