4つの闇の星を統べる者ー4DS 4
「ん…朝か…」
こうが目覚めると周りは朝日に包まれ清々しい静けさで満ちていた。
「…夢…じゃねぇてことか…。」
長い、長い昨日の出来事を思い返しているとすぐにけたたましい音に現実を思い知らされる。
「大変大変よ!!こう! 」
寝起きにジュンが大声で走ってきて、起きぬけのこうの耳が悲鳴をあげる。
「~~ 待て待て 寝起きに大声はキツい! 」
「それどころじゃないわよ! ヒナが、ヒナがいないのよ!! 」
「…なんだよ…トイレかなんかだろ?」
「違うわよ!天の塔にひとりで向かう子を見たって!茶髪の大きな本を抱えた子って…!
それって!」
「なに~!! 」
慌てたように話すジュンにただただ驚くこうであった。
その頃、ヒナは大変な状況に出くわしていた…
「なに…?あのうす気味悪い物体……でも、女の子が !」
視線の先には髪には神秘的な髪飾り、水色の長いローブをまとい神聖な雰囲気を漂わせる司祭らしき女の子が、頭まですっぽりと 黒いローブで覆った仮面の男に何やら言い寄られているのだ。
「知りませんここには誰も!…」
「ヨコセ。ホウジュヲ、ヨコセ。ホウジュツカイヲダセ。 ダサナケレバ、コロスゾ。」
「そんなっ!」
脅すような言葉と勢いに女の子は青ざめ、座り込んでしまった。
「あの変な奴も…宝珠を探してるのね…あの子怖がってるじゃない!!」
その物体は、手にしていた大きな鎌を振り上げていた。
「あ!だめ!! 」
会話を聞き、いてもたってもいられなくなったヒナは2人のもとへ飛び出した。
おせっかいとも言える勢いから仮面の怪しいローブ男の前に走り込んだヒナはどうしたものかと慌てふためいていた。
「あ…って言ったもののどうしよっ!」
「ナンダオマエ」
「やば!!こっち睨んでるし!」
今まで感じたことのない、鋭い眼光とその手に持つ鎌や、見えない視線から感じる殺意に表情を変えるヒナ。
「オマエハ、ホウジュツカイカ?」
男は何かに驚いたのか一瞬動きを止める。
座り込んでいた女の子は隙をついて、ヒナにすがるように叫んだ。
「あれは闇の集団の闇駒と呼ばれる式紙のようなものです!
魔法をかければ、すぐに消えるのですがっ 」
「えっ!ごめん!!私、魔法使えないや…けど… !」
~さっき手に入れた宝珠の力をどうにかできないかな…?~
目の前の男を睨みながら考えていたヒナの服から何かが飛び出した
「ウキ~! 」
「え?モンタ 」
今の今までずっとヒナの服の中に隠れていたモンタが宝珠の本を手にに降り立ち、ヒナのを見つめている。
「??」
訳もわからないまま本を受け取ると不思議と言葉が口をつき、放たれる。
なに…これ…この感覚は…
一か八かその直感に頼り、言葉に意識をゆだねた。
『時の宝珠リイムよ、
時と秩序、空を守りし 守人…
その禍々しき異空の波を起こし、悪しき者に永遠の楔を…』
本は自然とページをめくられ、眩い光を放つ。
時の宝珠の姿が一瞬現れ、強い光が意志を持つように男に向かい、包み込んだかと思うと一瞬で跡形無く弾けた
瞬間……… ヒナの意識は途切れた。