4つの闇の星を統べる者ー4DS 3
夢…
ヒナは夢を見ていた。 濃い霧の中手を伸ばすとそこにはひとりの少女がいる。
『誰?』
その子はゆっくりとヒナの方を振り返る。
『!!』
目、顔、背、雰囲気…すべてが自分と同じ…
『だ…れ?』
その少女がゆっくりと手を上げると、その手には大きな鎌が現れる…
『…え』
瞬間、少女はヒナを捕らえ、その首に鎌が…… …
「!!!」
バサッ!
目が覚めると、そこにはジュンの姿があった。
「起きた?おはよ。」
いつの間にかジュンの後ろには朝陽が上っている。 ジュンは髪を結わき、朝の身支度を整えていたようだ。
「…誰……」
一瞬間が空いて放ったヒナの言葉に動きを止めるジュン。
「あっ、え?昨日の今日で忘れちゃったの?」
「……あ、ジュン……。こうは?」
「?? こうは向こうでまだ寝てるみたい。簡単に朝ご飯作るわね。」
ヒナの様子に安心したように言うと、魔法使いらしく何やら食材を出し、ヘンテコな道具とにらめっこを始めた。
「……夢?……なんだったの……。ん?あれは… 」
ふいに天の塔を見ると不思議な黒い影が見え隠れしている。
「……?」
ヒナは不安な気持ちを振り切るように走り出した。