表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

男の子の味方もつくりましょう

男子で最初に堕ちていただくのは、松浪雅信さんにしました。

同じ一年生ということで、必然的に付き合いも長くなるはずですので、今のうちに堕ちていただくと後々都合がよさそうです。

クラスは、松浪さんは特Sなので違いますが、一年生の中でもトップの実力をもち、後々は学校のトップになっていきそうですしね。


それに、まだ他の方々に比べれば、周りのガードが緩いのも接触しやすくて尚よしですね。

持ち上がりの生徒が大半とはいえ、入学したばかりで浮き足立っており、接触がいつもより簡単です。


加えて、私はもう女子のトップクラスの仲間入りをしています。

まあ、今までと違って虎の威を借る狐状態ですが、私の背後の素敵なお友達たちを気にして、私が松浪さんと接触しても文句を直接言える勇気のある方はもういないでしょう。





さあて、接触しましょうか。







「松浪さん。」


「……なんだ。」






声をかけてしばらく間が空いてから振り向いて返事がありました。

クールであまり感情を面に出さない方と聞いておりましたが、噂と違い結構表情に出る方ですね。

少しひそめた眉、つり上がった目などから、不機嫌なのが見てとれます。

そんな不機嫌な顔でもイケメンはイケメンな様子にちょっとイラッとしてしまいました。

だって、私みたいな普通の顔の人間が不機嫌な顔をしたら周囲の空気が悪くなってしまうんですよ?

でも松波さんみたいなイケメンだと、そんな不機嫌な顔ですらさまになっています。

イケメンってずるいですね。






「用事があるのなら早くすませろ。」


「ああ、ごめんなさい。実は、私の友人になっていただきたくて。」


「は!?冗談っ」


『ふぅ~ん。』






あまりの即答にイラッときて睨みつけちゃいました。




『そうですか。嫌なら構いませんわ。無理をいって申し訳ありません。』



声をつかうと、途端に呆然と立ちすくみます。

ゆっくり近づいていってもピクリとも動きません。

手を握って、少し爪をたててやります。




だってこんなこと言われたらイラッときません?

私が我が儘なのは十分承知していますが、この声をもっていることで、蔑ろにされたことなどないのですよ。

大変なことも多いこの声ですが、人に受け入れられないことがなかったせいで、打たれ弱いんです。

友達になってといっているのになってくれないなんて…小学生なみの感情と分かっていますが、イライラしたのが声にもでてしまいましたが、まあいいでしょう。




だって、きっとこの方……


…ああ、やっぱり。

頬に赤みがさしてきました。

こういうタイプの方って多少強引に迫られることに弱いんですよね。

ただし己のタイプの人に限り。

私の場合は、見かけは好みでなかったようですが、この声はだぁいすきみたいですね。

好みの人に強引に迫られると嬉しいでしょう?

女の子向けの漫画やゲームにはよく「俺様タイプ」と言われるようなキャラが出てきますが、あれはヒロインの好みのイケメンだからこそ許されるのです!

かっこイケメンのみですよ!

そして私のような美声も許されるのです!

……美少女でも美人でもありませんけどね……。




まあ、松浪さんはもともとMよりなんでしょうねー。

強引にされてすぐ真っ赤になるんですから。

でもこれからは完全なMとなってもらいます。

なぜかって?

そんなの私にとっての都合がいいからに決まっているではありませんか。


本当のSをMにするのも楽しいですが、Mを振り回すのも好きです。

だって、ごほうびをあげなくても動いてくれるのですよ?

Mの子には、ときどきつめた~い言葉をかけたり構ってあげたりするだけでいいのです。

文不相応な望みは抱かないので便利なんですよね。

特に男の子は女の子に比べて、調子にのりやすいのであまり優しく対応したくないのでMだとちょうどいいのです。




『もう一度だけ聞きますね。私のお友達になってくださませんか?』


「あ……ああ。」


『そう。それは嬉しいです。』


にっこり笑いながら、先ほどの傷を更に爪をたてる。

……ああ、とても嬉しそう。

友達になることに同意していただきましたし、これからは私の大事なお友達として、しーっかり私の役にたってくださいね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ