第8話 最弱なのに創造主? 決意を胸に踏み出す一歩
初めまして、作者のKeyです。
「最弱なのに創造主?堕ちた世界で、もふもふ家族ができまし!」
を手に取っていただきありがとうございます。
初めての作品となりますので、至らない点が多々あるかと思いますが、最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
戦闘訓練を始めて三日目。
「アーティ、装備って言っても色々あるだろ?
俺が思いつくのは鎧とか盾とか、あとは革鎧くらいなんだけど……革鎧って正直意味なくない?」
『主様。魔物の革を使った革鎧は多くの魔素を保有しています。その魔素を利用して付与を施すのが一般的で、元の世界の革製品とは性能がまったく異なります』
「おぉー、ファンタジーって感じだな!
じゃあ、その付与を施した革と金属製の鎧ならどっちがいい?」
『優劣は魔素の保有量と“馴染み”で決まります。
例えば、長い年月を生きたドラゴンの素材は魔素の保有量も馴染みも非常に高く、最高品質の装備になります。しかし若いドラゴンでは魔素の通り道が未発達で、保有量が多くても付与効率が悪いのです』
「馴染むってのは……魔力の通りがいいってことか?」
『その通りです。魔力が通る道が形成されているほど、付与した魔法が装備全体に均等に行き渡ります』
「なるほど……じゃあ、そこらの魔物の素材じゃ良い装備は作れないのか?」
『ドラゴンほどではありませんが、ここら辺の魔物でも、部位を選べば十分な性能の装備を制作可能です。
例えばボアのように突進を主体に戦う魔物は、頭部に魔力を集中させているため、非常に強度の高い素材になります』
「どこに魔力を流して戦ってるかで素材の強度が変わるってことか。
じゃあ金属は?」
『この世界では装備に使用するのは魔法金属が主流ですが、この付近に鉱脈はありません。タルタロス帝国へ行けば安価に手に入ります』
「なるほど……じゃあリーヴの装備はボアの革鎧、小手はフォレストウルフの牙とボア革で作るか。
ついでに俺用の短剣も作っておこう」
「パルティ、この首輪つけてくれ」
「これは?」
「リンクリングの首輪版だよ。リーヴは昼の戦闘で魔力を結構使ってたから、装備制作にはパルティの魔力を借りたいんだ」
「わかりました。どうぞおつけください」
「ありがとう」
俺は素材を並べながら、リーヴの装備のデザインを考える。
「なるべく可愛く作ってあげたいけど……スカートは動きにくいし危ないな。
ズボンは伸縮付与で動きやすくして、上は薄手のインナーに同じ付与。
胸当てには硬質化と回復効果……あ、ここにリボンでも付けとくか」
……気づけば夜更けだった。
翌朝。
「リーヴ、おはよう!」
「お兄ちゃん、パルティ、おはよう!」
「昨日これ作ったから、今日は着け心地を確認しながら戦闘訓練しよう」
「わー! お兄ちゃんありがとう! このリボン可愛い!!
着てみていい?」
「うん、着替えておいで」
リーヴが嬉しそうに駆けていく。
その姿を見るだけで、昨日の徹夜が報われた気がした。
「そうだパルティ。お前にも従魔だって分かるように首輪を作ったんだ。
嫌ならスカーフでもいいけど、どうする?」
「主様!! 僕にも作ってくださってありがとうございます!
その首輪で問題ありません!!」
「なんだろ……お前は家族なんだから、そんな畏まった喋り方じゃなくていいんだぞ?」
「僕はルーティア様から生まれし存在。ルーティア様の生みの親であるアーキトス様に対し、そのような言葉遣いは……」
「じゃあ命令だ。もう少し砕けた喋り方にしなさい」
「うっ……わかりました」
「違うだろ?」
「わかった……よ?」
首を傾げて見上げてくるパルティが可愛すぎて笑ってしまう。
「ふふ、まぁ最初はそれでいいよ」
ドタバタッ、バンッ!
「じゃーん! 見て見て!! 似合う?」
勢いよくドアを開けて登場したリーヴは、その場でくるりとターンし、銀髪をふわりと揺らした。
「あぁ、とっても似合ってるよ。
髪結ってあげるからこっちおいで」
「はーい! 今日はね、お団子がいい!」
「おっけー。アーティ、お団子のやり方教えて」
『承知しました』
こうして一週間が過ぎ、異世界に来て十日目の朝。
ついにこの小屋を出て、聖国へ向かう日が来た。
「リーヴ、パルティ。今日から新たな世界への旅立ちだ。
目的地は――セラフィア聖国!」
「おーー!!」
こうして誠――いや、アーキトスは、猫耳少女と、もふもふの従魔を連れ、初めての旅へと踏み出した。
リーヴの親を探すため。
そして、壊れた理想を正すため。
アーキトスは強い決意を胸に、その一歩を踏みしめた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
第1章を書き終えました。
第2章でようやく物語が動き始めます。
皆様の感想が、今後の作品の成長に繋がると考えていますので、どんな些細なことでも構いません。一言残して頂けたら幸いです。
今後ともよろしくお願いします。




