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第6話 最弱なのに創造主? 絶望の姿はもふもふでした

初めまして、作者のKeyです。

「最弱なのに創造主?堕ちた世界で、もふもふ家族ができまし!」

を手に取っていただきありがとうございます。

初めての作品となりますので、至らない点が多々あるかと思いますが、最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

漆黒の毛並み、獰猛な目、むき出しの牙と爪。

まるでそこに“この世の終わり”が現れたかのような絶望を振りまくその姿――。


……ん?


もふもふの柔らかそうな美しい毛並み。

目をらんらんと輝かせ、牙は見えず、爪は隠れ、尻尾をぶんぶん振っている。


どこからどう見ても――可愛い犬?


「えっ? わーー!! 可愛いわんちゃんだーー!!」


突然の出来事に戸惑っていた俺の背後から、リーヴの声が響いた。

振り向き止めようとした時には、リーヴはすでに犬(?)に抱きついていた。


いやいや、素早すぎだろ!


「リーヴ! 離れなさい!!

そいつが何者かまだ分からないんだ!」


「えーー? なんで?」


キュゥゥン……


「ほら~、お兄ちゃんが酷いこと言うから、わんちゃんが悲しんでるじゃん!!」


「大丈夫だよ~! お腹空いてない? お肉食べる?」


ワン!!


「そっかそっか、待っててね! 今からみんなの分焼いてくる!!」


リーヴはパタパタとキッチンへ向かっていった。


俺は犬に背を向けないように距離を取りつつ、右手を向けたままノートを開きアーティを起動する。

その様子を見ていた犬は、しゅんと下を向き、悲しそうな声を漏らした。


「……アーティ、あれはルーティスか?

結界はどうなってる? なんであの犬は家の中にいて、リーヴは普通に受け入れてるんだ?」


『主様、あれはルーティスの分体……子供のようなもので、本体ではありません。

結界は“悪意と敵意”にのみ反応するタイプですので、問題なく侵入できたのでしょう。

リーヴは本能で、敵意ではなく親愛の感情を見抜いているのではないかと推察します。』


「子供……か。確かに設定より一回り小さいな……」


俺がいつでも魔法を放てるように向けていた右手を下げると、パタパタと音がした。

尻尾が床を叩く音だ。


こうして見ると可愛い。

ゆっくり近づき、頭を撫でる。

ふわふわの毛並みは驚くほど触り心地が良く、ルーティスの子供も気持ちよさそうに目を閉じている。


『主様、その子をノートに触れさせてください。

今回の件をルーティスに確認します。』


俺はノートを床に置き、犬の足に触れさせた。


『ルーティス、今回の件、どのような思惑か話しなさい。』


『お久しぶりです、我が母アーティ様。

我が父アーキトス様はお力を失っておられるご様子。

本来なら直接お守りしたいところですが、父上より受けた使命により、セレスティア様の泉から離れることは叶いません。

故に分体ではありますが、父上を護る盾としてその子を派遣いたしました。

勝手な行動、謹んでお詫び申し上げます。』


『よいのです。素晴らしい判断でした。

しかし、アーキトス様への一切の情報開示は禁じます。

これはアーキトス様の意志でもあります。遵守しなさい。』


『承知しました。

母上もまたお力が制限されているご様子ですが、我の眷属をもっと送った方がよろしいでしょうか?』


『必要ありません。成長に必要な要素を残すための制限です。

この子、名はなんと言うのですか?』


『その子に名はありません。

どうか父上と母上から命名していただけませんか?』


『わかりました。何かあればこの子から連絡します。

ルーティス、私の可愛い子よ。

今は使命を全うすることに注力しなさい。』


ワン!


ノートを俺の足元にずいっと押してきた。

俺はノートを拾い、アーティへ問いかける。


「アーティ、ルーティスは友好的にこの子を送ってきたのか?」


『はい。本体はセレスティアの泉を護るため離れられないから、分体を送ったと。

この子に名はないので、名付けをお願いしたいとも言っていました。』


「そっか、友好的で良かったよ。

しかし、名前か……

確かルーティスは“月のルナ”と“古代語で尻尾”のティスからつけたんだよな。

ルーティスの分体だもんな……月の欠片……欠片……パルティクラ……

んー、パルティなんてどうだ? 可愛くないか?」


「あ、でも雄だったら可愛すぎるか……」


『主様、問題ありません。

神獣はこの世に一体ずつしか存在しないため、生殖機能がありません。

ゆえに性別自体がないのです。』


「なるほどね。ならいいかな!」


俺はルーティスの分体に向かい、目を合わせる。


「お前の名はパルティ。今日から俺の家族だ!

そして使命は――リーヴを護ることだ!」


そう言い切った瞬間、パルティの足元に魔法陣が出現し、閃光が部屋を照らした。


同時に、ご飯ができたことを知らせに向かってきていたリーヴの足元にも、同じ魔法陣が浮かび上がる。


「ご飯できたよ~! えっ? きゃー!!」


突然の閃光に視界を奪われたが、リーヴの悲鳴に振り向き駆け寄る。


「リーヴ、大丈夫か?」


「突然すごい光に包まれたからびっくりしたけど……なんともないよ!」


ワン、ワンワン!


「えっ? 僕はパルティ、君の守護獣?」


「ん? リーヴはパルティの言葉が分かるのか?」


「う……うん。なんか頭に直接語りかけてくる感じ?」


さっきの光は契約魔法か?

俺はそんな魔法使えないから、多分ルーティスが何かしたんだろう。


守護獣か……いいね。

これでリーヴの安全は護られる。


「よし、ご飯食べてからパルティの戦力確認をしよう。」


「はーい、いただきます!」


「いただきます!」

最後まで読んでいただきありがとうございます。


皆様の感想が、今後の作品の成長に繋がると考えていますので、どんな些細なことでも構いません。一言残して頂けたら幸いです。


今後ともよろしくお願いします。

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