第14話 最弱なのに創造主? メトリオスの受難は続く?
初めまして、作者のKeyです。
「最弱なのに創造主?堕ちた世界で、もふもふ家族ができまし!」
を手に取っていただきありがとうございます。
初めての作品となりますので、至らない点が多々あるかと思いますが、最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
冒険者ギルドに到着し、受付へ向かうとミリアさんが優しい笑顔で出迎えてくれた。
「アーキトスさん、お早いお帰りですね? 何か問題でもありましたか?」
「いえいえ、受けた依頼が終わったので戻ってきたんですよ」
「えっ? 今日受けた依頼全部ですか?」
「はい。なので今日も買取と解体をお願いしようと思ってます」
「討伐部位ではなく、そのままお持ちに?」
「はい」
「そ、そうですか……。ちょうど解体所が空いていますので、そちらで確認いたします」
「わかりました!」
今回は前回と違ってカバンからじゃなく、プラティの影収納から取り出すから問題にはならないよね…
解体所に案内され、ミリアさんが荷物を確認した瞬間、目を見開いた。
「な……これはキングエイプですか!?
単独ならCランク、群れを率いていたらBランクの魔物ですよ!!」
「えっ? あっ、それはちょっと大きいなって思ってましたが……ははは……そんなに強い魔物ですかね?」
「何言ってるんですか!!
キングエイプの率いる群れは統率が取れていて、Bランク冒険者のパーティーでも危険がある魔物です!
存在が確認された場合、Bランクパーティー2組、もしくはB+C2組の3パーティーで討伐依頼が組まれるんですよ!!
それを子供2人とスフィアさんだけで戦うなんて……!」
「いや、うちには従魔がいますし、なんならプラティだけで狩ったので、僕らは戦ってないんですよ」
「そのシャドーウルフが1匹で群れを倒した?
シャドーウルフは単体Cランク、群れならBランク相当ですが…さすがに単体でキングエイプ率いる群れを討伐するのは……んー……。
スフィアさんはその戦闘を見ていたんですか?」
「いや、私はその時……お昼ご飯を食べていたので見ていないのだ……。
その間に接敵を感知したプラティが単独で撃破に向かい、今初めてその成果を見せられている感じだな」
(スフィアからの目線が痛い……)
「いやー、少し大きいエイプがいたってのは聞いていたんですけどね」
「おい!!」
突然、後ろ上方から声が飛んだ。
振り向くと、解体のおっちゃんが立っていた。
「うお!! ……って、解体の職人さんか……」
「お前、今日の朝依頼を受注して、そこのキングエイプとエイプ7匹、ウルフ7匹、薬草40束を持ち帰ってきたんだよな?」
「は、はい。そうですけど?」
「移動時間を考えたら、お前のパーティーは3時間弱でそれだけの戦果を上げたわけだ。
昨日登録した新人冒険者が初依頼で、だ」
「まぁ……そうなりますけど。何か問題があるんですか?」
「問題ね……。お前、ここにいるCランクパーティーが一日でこなす仕事量がどれくらいか知ってるか?」
「知りませんけど……」
「普通は討伐部位10と薬草10束ありゃいいほうだ。
それを最後の鐘ギリギリに持って帰ってくる」
「なるほど、Cランクでその程度なのか…
そんなんじゃ銀貨10枚になればいい方だからパーティーとしてはやっていけないんじゃないのか?」
「はぁ…普通Cランク冒険者ってのは、銅貨10枚程度の宿に泊まって、飯代も銅貨10枚程だ。
銀貨1枚あれば1日過ごせる、4人パーティーでも半分以上は貯蓄に回せるんだよ。
そんな中、Fランクのお前達は、キングエイプ率いる群れ8体とフォレストウルフ7体、計15体の魔物を現物で持ち帰り、薬草40束を納品したんだ。
この異常性が分からんのか?」
「まぁ、初日にしては張り切りすぎたかなとは思います」
「はぁ……おい、こいつらのランクをCに上げて、すぐB昇格依頼を受けさせろ」
「ギ、ギルマス!? それは早急すぎませんか!?
登録2日でCランク、しかもB昇格依頼なんてギルド創設以来一度も……!」
(この人ギルマスだったのか!? 解体の職人さんだと思ってたよ……)
「しょうがないだろ、こんな奴らにC以下の依頼受けられちゃ、他の低ランク冒険者の邪魔だ!!」
「わかりました……ではB昇格依頼を見繕っておきますので、また後で受付に来ていただけますか?」
(なんか勝手に話が進んでるけど……ランクが上がるのはいいことだし、Bランクなら見た目で損する分もカバーできそうだな)
「そうですか、わかりました。お願いします」
「その髪の色に、女の子2人連れた坊主なんて絡んでくださいと言ってるようなもんだ。
Bランクになれば変な奴に絡まれることもないだろう。
なんでか知らんが軍の人間がくっついてるくらいだし、お前はめんどくさいタイプの人間なんだろ?
頼むから面倒事だけは起こしてくれるなよ?」
「そんなに凄んで睨まなくても……問題を自ら起こすつもりはありませんよ……」
(面倒見のいい人なんだろうけど……めんどくさい人認定されちゃったな……
完全に失敗だった。何をするにも平均を調べてからにしないと目立ちすぎるな)
「ふん。昨日持ち込んだ魔物の買取金は受付で受け取れ。
今日の分は明日か明後日には払ってやる。こんなに解体が忙しいのは初めてなんでな」
「わかりました。すみませんがお願いします」
受付に戻る。
「お待ちしてました。ギルドカードをお願いします」
「はい」
「では書き換えの間に、本日の依頼達成金を計算しますね。
エイプ討伐が銀貨12枚、フォレストウルフ討伐が銀貨8枚、薬草40束で銀貨8枚、合計銀貨28枚です。
ここにキングエイプ討伐の追加報奨金として金貨2枚が加わります」
「前日の持ち込みは全て買取とのことでしたので、
解体費を差し引いた金額が
フォレストウルフ×5が銀貨10枚と銅貨10枚、
ボア×2が銀貨20枚、
ディア×2が銀貨16枚となります」
「ここから前金の金貨1枚を差し引いて……
合計、金貨1枚・銀貨74枚・銅貨10枚です」
「金貨3枚・銀貨11枚・銅貨10枚でお渡ししますか?」
「いいえ、金貨は1枚で後は銀貨で大丈夫です」
「わかりました。ではこちらをお受け取りください」
「ありがとうございます」
「それと、こちらがCランクのギルドカードです。
Cランクからは正式なパーティーとして登録できますが、今登録されますか?」
「パーティー名とか決めなきゃいけませんし、また今度でお願いします」
「承知しました。ではBランク昇格依頼として3つご用意しました、今日より3日後に商隊の護衛依頼があります。
これを完遂後、Bランク魔物の討伐依頼を2件受けていただきます」
「商隊の護衛はいいですけど、Bランクの魔物はどんなやつですか?」
「はい。1体は北東へ馬車で9日ほど行った平原に生息するサイ型の魔物、ライノスの変異種ブラックライノスです。攻撃手段として、突撃と闇魔法を使います。
もう1体は魔の森に生息するキングベア。こちらは完全物理攻撃ですね。」
「なるほど。わかりました。護衛依頼は受けますが、討伐の返事はまた今度でも?」
「もちろんです。護衛依頼の説明は今しますか?」
「いえ、今日は一度帰ろうと思います」
「わかりました。では明日か明後日には顔を出してください」
「はい、明日の昼頃に」
「それでは今日はお疲れ様でした」
スフィアが近づいてくる。
「アーキトス君、護衛依頼を受けるということは長期間ここを離れることになる。
一度軍へ戻り、遠征許可をもらってくるので今日はここでおいとまするよ」
「あっ、別に外での活動なのでスフィアさんの護衛は必要ないですよ?」
「なっ……そんな冷たいこと言わないでくれ! 私たちはもう仲間だろ?」
「違うよ、スフィアはおじゃま虫!!」
「リーヴちゃん? そんなこと思ってないくせに〜」
「やめて!」
スフィアがリーヴに抱きつくが、リーヴならすぐ抜け出せるはずだ。
嫌な顔はしているが、口で言うほど嫌いではないのだろう。
……すごく嫌な顔はしているけど。
「とりあえず、一旦軍へ戻る。また明日合流しようではないか!」
「わかりました。それではまた明日」
――その後、軍本部。
「メトリオス様、報告書はこちらになります」
「ふむ……
リーヴちゃんが可愛い、
月影のランタン亭のリュミエちゃんが可愛い、
プラティちゃんがふわふわで可愛い、
チーズという不思議な食べ物が美味い、
ピザパンはこの世界を牛耳る、
プラティちゃんの魔法は影がうねうねして凄い、
アーキトスはよく分からない魔導書を使っている……」
「スフィア」
「はい!!」
「君は報告書の書き方が分からないのかい?」
「いえ! 事実として見たこと、自身が感じたことを客観的かつ端的にまとめ、報告相手が読みやすく理解できるように書きなさいと教わりました!」
「なるほど……そうか……
何故君が彼についているのか?
それを前提に、報告すべき内容と重要度の高い事柄をまとめるんだ、わかるかな?」
「はい!!」
「君はいつでも返事だけは素晴らしいね」
「ありがとうございます!!!」
「はぁ……。
この内容で重要なのは、彼の魔導書がどのようなもので、なぜ彼が所持しているのか。
そしてプラティの戦闘能力が実際どの程度なのか。
だが、より本質的なのは――
彼らの目的と、本当の関係性だ」
「え? 彼らの目的は巡礼と観光で、関係は兄弟ですよね? 最初に言ってました!!」
「そうだね……まぁいい。
彼らが悪事を働くために来たとは思っていないが、彼らは異質すぎる。
年端もいかない少年が、珍しい銀髪の獣人の義妹と、異常に強い従魔を連れて魔の森を踏破してきた。
そこに謎の魔導書……。
普通の少年が古代の遺物をどこで手に入れた?」
「普通の少年ですか?
彼は100m以上先の魔物の数や種類を感知して、支援魔法“フルブースト”は全ステータスが2倍になる効果がありましたよ?
フォレストウルフの群れを私を含めた3人と1匹で1分程度で始末する練度のチームプレイも素晴らしかったです!」
「……君の報告書に記す内容の精査は、どのような基準なのかな?」
「はい! 彼らの生活の中でおかしな点や行動はあるか? です!」
「よし、わかった。
君には今後の行動指針として――
・戦闘面、特に魔導書の効果と使用方法
・プラティの戦闘能力とスキルの種類
・アーキトスとリーヴの関係性
・彼らの真の目的
この4つに絞って報告するよう命じる」
「はい!!」
「ただし、彼らに怪しまれないように直接聞くのではなく、相手から話してもらえるよう関係性を作ること。
できるかな?」
「わかりました!!」
「よろしい。では今後も彼らのことは任せたよ」
「あっあと、冒険者の仕事で、護衛任務があり3日後から都市を離れます!」
「……はぁ。わかった。そうしたことはなるべく早く報告するように」
「はい!!」
「それでは行ってよし」
「失礼します!!」
メトリオスは深くため息をついた。
「ふぅ……頭が痛いな。
団長の言う通り、人選を間違えたか……しかし、今更替えられないし……
スフィア……頼んだぞ……」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆様の感想が、今後の作品の成長に繋がると考えていますので、どんな些細なことでも構いません。一言残して頂けたら幸いです。
今後ともよろしくお願いします。




