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第13話 最弱なのに創造主? 初依頼、これはちょっとやり過ぎた?

初めまして、作者のKeyです。

「最弱なのに創造主?堕ちた世界で、もふもふ家族ができまし!」

を手に取っていただきありがとうございます。

初めての作品となりますので、至らない点が多々あるかと思いますが、最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

ガヤガヤ……。


「今日はこれにしとくか?」 「そうね、ゴブリン5匹なら昼には戻ってこれるわ」 「おい、これは厳しいだろ?」 「行ける行ける!」


朝の冒険者ギルドは、昨日とは違い喧騒に包まれていた。


「お兄ちゃん、今日は初依頼だね!! ワクワクする!!」


「そうだね。とりあえずE・Fランクの討伐系を何個か受けて、ついでに常設の薬草採取もやっていこうか」


「じゃ、フォレストウルフ3体と、エイプ5体の討伐。それと薬草採取をしながら夕方までに帰還、って感じで行こう」


受付で依頼を受領し、西門から魔の森へ向かう。


「アーキトス君、私は冒険者としての仕事はしたことはないが、遠征で何度も魔物とは戦っている。前衛は任せてくれ!!」


「僕も頑張るよ!!」


プラティの頭を撫でながら答える。


「スフィアさん、俺のチームは前衛にリーヴとプラティ、俺が後方支援という連携でやってきました。ここにさらに前衛が入るとバランスが悪いと思うんです」


「なるほど。前衛3人に後方支援1人では手が足りない、ということか?」


(MP共有や万能魔法のことは言ってないし……どう説明するかな)


「そうですね。プラティはレベルも攻撃力も高いですが、捕縛や阻害系の魔法が多く、中・後衛向きの従魔です。

なので、リーヴとスフィアさんが前衛、プラティが中衛、俺が後衛として指揮と支援をする形で一度戦闘してみたいのですが、どうですか?」


「一度やってみないことにはなんとも言えないが……君は女性を前で戦わせ、自分は後ろで隠れているのか?」


ぐはっ……ガクッ。

(こ、こいつ急所を一撃で貫いてきやがった!!)


「違うよ!! 私が戦いたいってわがまま言ったからで、お兄ちゃんは凄いんだからね!!」


「さすがリーヴちゃん! こんなに可憐なのに戦闘もこなすなんて……君は天使!! いや戦乙女なんだね!!」


(ふぅ……こいつをまともに相手すると心がついていかないな……)


「スフィアさん、俺は後方支援としてフルブーストなどで戦闘力を底上げしながら、範囲察知で周辺の魔物の位置と数を確認して指示を出します。

そしてプラティが捕縛や阻害で動きを止め、攻撃力の高いリーヴとスフィアさんがとどめを刺す。これが一番安全で確実なんですよ」


「ははは、冗談さ。本気でそんなことを言えば、私は剣を握ることすらさせてもらえないだろ?」


「はぁ……それならいいですけど。もうすぐ魔の森に入ります。ここからは俺の指示に従ってくださいね」


「あぁ、わかっている。リーダーは君だ。必ず指示には従うよ」


「プラティ、周辺の確認は俺がするから、採取系の探索を頼めるか?」


「うん、少し先に薬草の群生地があるから、そこに行く?」


「よし、そっちに向かいながら周辺の魔物を倒していこう」


「驚いたな。アーキトス君はプラティちゃんとそんなに細かい意思疎通が取れるのか?」


「え? テイムした魔物とはある程度会話できるはずですよ?」


「そんなことはないさ。私の知るテイマーで会話している者は見たことがない。普通は指示を出し、それに従う主従関係を結ぶだけだ。

きっとプラティちゃんはとても知能が高い魔物なんだろうな。まるで魔の森にいるとされる伝説の狼王ルーティスのようだ!」


「ははは……そんな凄い魔物だったらびっくりですね。この子はシャドーウルフって種族ですよ」


『主様、魔物の群れがこちらに接近しています。イメージを共有しますので対応してください』


おっけー


「プラティ、リーヴ! 右前方約100m、フォレストウルフ7匹がこっちに向かって走ってきた! 気付かれてる。プラティ、いつも通り数を減らして――」


「主様?」


「あ、いや。今回はスフィアさんもいるから、もう少し木々の間隔が広いところに移動して迎え撃つぞ」


「はい!!」 「わかった!!」 「了解だ!!」


(…100m先の魔物の正確な方向と種類に数までわかるだと?超一流のレンジャーでも難しいはずだ、西方軍のレンジャーでは良くて50mだろう…

あの左手に持ってる魔導書?あれが レンジャーの能力を引き上げているのか?)



「皆、少し先に開けた場所がある!!着いてきてくれ」


「よし、ここで迎え撃つぞ。フルブースト!!

プラティは移動阻害、リーヴは少し距離を取って。スフィアさんは好きに攻撃してください。こちらで合わせます」


――7匹のフォレストウルフは、1分もかからず全滅した。


「な……なんだこれは? アーキトス君のフルブースト、全ステータスが倍くらいになってないか?

リーヴちゃんは素手で……しかも一撃で仕留めるし、プラティちゃんの魔法は……なんというか……凄かった……」


「スフィアさんも十分凄かったですよ。一撃で真っ二つでしたし!」


「いやいや、それは君の支援があってこそだ。

しかし……軍の小隊でもフォレストウルフ7匹程度なら討伐できるが……3人と1匹で1分以内は異常だぞ!!」


(これはちょっとやり過ぎたか?)


「当たり前だよ! スフィアがいない時はもっと早いんだから!!」


リーヴが腕を組み、ドヤ顔でプラティと俺の凄さを伝え、暗にスフィアへ「お前は要らない」と告げている。

……結構辛辣だな。


「プラティ、薬草の群生地へ向かってくれ。」


プラティを先頭に10分ほど歩いたところにあった群生地は、他よりも背の高い木々がその大きな葉で太陽を遮り少し薄暗い場所だった。

範囲で言えば東京ドームくらいの広さだろうか?これだけ生えているなら150本程度なら1/10も減らないだろう。


「リーヴ、スフィアさん。薬草は5本で1束、10束で常設依頼1回達成だから、1人50本を目安に集めよう」


「はーい!!」 「了解したぞ」


黙々と採取していると、スフィアが俺の手元を見て声をかけてきた。


「外に出てからずっとそのノートを開いているが……君の開いているページは白紙だ。正直意味が分からないが、それは魔導書なのか?」


(えっ? アーティ、これリーヴもプラティも読んでたよな?)


『主様が許可した者以外には白紙に見えます』


(そうなの? でもそのせいで俺、変人みたいに思われてるぞ……)


『偽装ページを表示しますか?』


(そうだな、今後はそうしよう)


「すまない。そうした情報は外に出回れば命に関わるから、答えづらかったな」


アーティとの会話で返答が遅れたことで、スフィアは勝手に納得してくれたようだ。


「そうですね。魔導書ではありますが、それ以上はリーヴにも伝えていないので……すみませんがスフィアさんにもお伝えできません」


「わかった」


(彼の規格外な支援魔法やサーチ能力はあの魔導書が関係しているのだろうが……これ以上の深入りは警戒させるな)


太陽が真上に来た頃。


「お兄ちゃん、こんなに取れたよ!!」


「おぉー、さすがリーヴ! これだけあれば皆の分と合わせて常設4回分になるな。

ここで昼ご飯を食べてから、エイプを探して討伐したら帰ろう」


「お昼ご飯なんだろう?」


「主様、僕はお肉が食べたいな!!」


「ふむ、リーヴちゃんは携帯食を持ってきていないのか? 私は干し肉を持ってきているから分けてあげよう!!」


「お兄ちゃんがご飯を作ってくれるから大丈夫。」


「なっ……」


「あ、スフィアさん。俺たちのパーティーは昼は作って食べるので携帯食は要らないですよ。言ってませんでしたか?」


「魔の森の中で食事を作るのか? 匂いで魔物が寄ってくるし、食事中は警戒が薄れる。危険すぎるぞ!!」


「大丈夫ですよ。うちはプラティが警戒してくれますので」


「な……なるほど」


「ふふふ……今日は簡単パンピザにします!!」


「おぉー! パンピザって何?」


「できてからのお楽しみだよ。リーヴ、一緒に作ろうか?」


「うん!」


「じゃあリーヴはこのバゲットを2cmくらいの厚さに切ってくれ」


「わかった!!」


俺はピーマンとミニトマトを切り、ベーコンを適度なサイズにカットする。


「お兄ちゃん、切れたよ!!」


「よし。じゃあバゲットにこのスライスしたチーズを敷いて、具材を乗せて、さらにチーズを乗せたら――」


「わくわく!!」


指先にファイヤーボール(弱)。

チーズに焦げ目がつくまでじっくり炙る。


(本当はケチャップかトマトソースが欲しかったけど、そうした調味料はどこにも売ってなかったな……。食品は一次産業で流通が完結してる感じだ。保存食以外は即時消費が基本なんだろうか?)


「チーズがグツグツして、すごく美味しそうな匂いがする!!」


「ハードチーズは臭いや見た目で忌避感が少ないし、こうして調理すると美味しそうだろ?」


「うん、こっちのチーズは美味しそう!!」


「よし、完成だ!!」


「うわー!! 食べていい?」


「いいよ。チーズ料理はできてすぐ食べるのが鉄板なんだ。プラティとスフィアさんの分もすぐ作るから待ってて」


「いただきまーす!!」


はむ、はふはふ……もぐもぐ……ビヨーン。


「美味しー!! このチーズすごい伸びるよ!! 面白いね!!」


「わ、私も早く食べたいぞ!!」


「主様、少し距離があるけど魔物が近づいてるよ。すぐに始末してくるから、僕の分もお願い!!」


「ありがとう、いっぱい作っておくよ!!」


プラティは尻尾をめいっぱい振りながら影へ沈んでいった。


「お、おい! プラティちゃんが影に沈んでいったぞ!? 魔物が来たのかもしれない!!」


「大丈夫ですよ、すぐ戻ってきます。スフィアさん、これどうぞ」


「そうか……では頂くとするか……もぐもぐ……もぐもぐ……もぐもぐ……

なっ、もう無い!? すまぬアーキトス君、それをもう1つ……いや、あと2つくれないか?」


「いいですけど、これすごく太りやすい食べ物なので、後でしっかり運動してくださいね」


――太る。


その言葉に、最も強く反応したのはリーヴの耳だった。


俺の影が蠢き、プラティが頭を出す。


「おかえり。どうだった?」


「主様、少し大きいエイプが引き連れていた群れを壊滅してきたよ!全部で8匹だった。影に収納したけど、ここで出す?」


「いや、冒険者ギルドでいいよ。

それにしてもエイプだったのか。それに8匹、ラッキーだね。ご苦労さま。これプラティの分だから食べて!!」


「主様!! いただきます!!」


――この時、少し大きいエイプを確認しなかったことで、後に冒険者ギルドで問題になるのだが、アーキトスたちはまだそれを知らない。


「よし、少し早いけど今日の依頼は全部達成した。帰るぞ!!」

最後まで読んでいただきありがとうございます。


皆様の感想が、今後の作品の成長に繋がると考えていますので、どんな些細なことでも構いません。一言残して頂けたら幸いです。


今後ともよろしくお願いします。

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