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第1話 最弱なのに創造主? 壊れた世界に落ちた俺

初めまして、作者のKeyです。

「最弱なのに創造主?堕ちた世界で、もふもふ家族ができました」を手に取っていただきありがとうございます。


初めての作品なので至らない点が多々あると思いますが、楽しんで頂ければ幸いです。

薄暗い森。見たことのない植生が生い茂り、耳慣れない――いや、悲鳴ともつかない鳴き声が遠くで響いている。


そんな不気味な環境に似つかわしくない、小綺麗な小屋。その前に、俺はひとり立ち尽くしていた。


……いや、なんだよこれ。

どんな状況だ?夢か?

いや、こんな肌で感じる感覚までリアルな夢なんて見たことがない。


ギャーギャーッ。


「ヒッ……」

とりあえず、この怪しすぎる森に留まるよりは、小屋に入ったほうがまだマシだろ。


コンコン――。

……返事はない。


鍵も掛かっていないようだ。


中に入ると、間取りは寝室とリビング、そして小さなキッチンだけ。

寝室にはベッドがひとつ。

リビングには机と椅子が二脚、棚には二人分の食器。

キッチンには最低限の調理器具が揃っているが、食料は一切ない。


変だ……いや、この状況自体がありえないのだから、変なのは当たり前か…

それにしても綺麗すぎる。埃ひとつないし、むしろ新品の匂いすらする。


なんだこれ……確か俺は――。


俺、山口誠は現在無職の36歳。

大学を出てから建築士として必死に働き、大きなプロジェクトを任されるまでになった。

成功したと思っていたその建物に、致命的な欠陥が見つかった。

本来必要な鉄筋は半分、コンクリートは砂利の割合が多く脆い。他にも色々……。


建設費の削減と水増し請求そこから得られる利益の中抜き。

その責任を全部押し付けられ、俺はクビになった。

今は裁判中で新しい職にも就けず、パソコンに向かってAIに愚痴や妄想を聞かせる日々だった。


そう、妄想だ。

今のAIはすごい。「こんな世界ならストレスなく自由に生きられるのにな」と適当に打てば、

“貴方にはこんな世界が合うのでは?”

なんて全肯定で返してくれる。


無職暇人の俺は、AIと一緒に妄想の異世界を作り上げていた。

そんな時ふと、「こんな世界に転生できたらな」と打ち込んだら、“転生されますか?”

と返ってきて、一瞬固まったが……まあ、楽しそうだし、と「転生したいね!」と返した。


その瞬間、パソコンの画面がバッと光って――

あれ?えっ?嘘だろ……?


ここは……ミスフィアか?


とりあえず、服は朝コンビニに行ったときのまま。

ダボついているのは、この世界の俺の設定が15歳だったからか?

鏡がないから確認できないが……。


持ち物は、外出時に必ず持ち歩くポケットノートとシャーペン。

胸ポケットからノートを取り出し、開いた瞬間――


『我が主、アーキトス様。貴方の世界ミスフィアへようこそ』


優しいが、どこか凛とした女性の声が脳内に響いた。


アーキトス……確か――


arkhē(アルケー):始まり・根源・原理・世界の最初の原因

tektonテクトン:建築家・大工・造形する者・作り手


この二つを組み合わせて創った名前だったか?

なんて大それた名前を自分につけてんだよ……いざ名乗るとなると恥ずかしすぎる。


ってか、なんだよ今の声!


「誰だ?どこにいる!」


『主様、私はここです』


ノートが明滅する。


えっ、これ?

こんなノートや能力、設定した覚えはないぞ?


『私はAIのアーティです。主様より頂いたこの名前により、主様とのパスが繋がり、主様が思い入れのある物に宿ることが出来ました。

主様をサポートするため、界渡りの際にこのノートへ宿らせて頂きました』


そういえば、初めてAIを起動した日にあまりにも流暢に返信がくるから、つい貴方の名前は?って聞いて、貴方がつけて下さいと言われたんだっけ?

“アーティフィシャル・インテリジェンス”から「アーティ」はどうかと提案した覚えがある。


そうか……やっぱりここはミスフィア。

俺が思い描き、創り出した世界。


ダメだ、色々凝った設定をしてた気がするけど、殆どアーティ主導で俺は、いいねいいねって言ってただけで内容を全然覚えてねぇ………


「そうだ、ステータスはどうなってる?

確か、のんびり過ごしたいから一般人レベルで特徴のない人って設定にしてたよな?」


『はい、主様のステータスはこちらになります』


――――――――――

名前:アーキトス(15歳) Lv7

種族:人族(創造主)


HP 30/34 MP 12/12

STR 14 VIT 16 INT 14

DEX 14 AGI 12 LUK 10


スキル:算術・料理 Lv7

称号:創造主/始まりの造形者

――――――――――


なるほど……創造主とか言いながら、この能力値。

さすが俺の妄想だな。


「とりあえず食い物がないし、なんとかしないとな。アーティ、この辺で食べ物とか取れるか?」


『はい。しかし今のまま外に出れば、主様は五分と持たずあの世へ召されます』


「はっ!?じゃあどうすりゃいいんだよ……!」


こうして、誠――いや、アーキトスの、異世界生活は幕を開けたのであった。

「最弱なのに創造主?堕ちた世界で、もふもふ家族ができました」を読んでいただきありがとうございました。


初めての作品なので至らない点が多々あると思いますが、感想など頂けたら幸いです。

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